私たち姉妹が幼い頃…。

母が精神障害(躁状態)がひどくなり、父は母の面倒を見るので手一杯、育ての母(祖母)は親戚の家へ預けられました。

私たちは親戚や近所に預けられたりしました。

その間、「二つのレッテル」の間で揺れ動いていました。



最初は…。

「お母さんがあんなだから、可哀想な子たちね」

と同情されます。

けれど、子供ですから、時には少しはしゃいだり、わがままを言いたくなったりすることもあります。


そんな時、周りの大人の視線は一瞬で冷たくなります。

「やっぱり、あの母親の子だわ」


私達はあの日から、「空気」になることを覚えました。


誰の目にも留まらず、誰の邪魔もせず、ただ静かにそこに存在すること。

それが、あの場所で生き延びるための、たった一つのルールでした。


そんな張り詰めた空気の中で私たち姉妹を救ってくれたものがあります。

それは、姉にとっては「本」であり、私にとっては「絵を描くこと」でした。



姉は物語の中に没頭し、私は白い紙に自分の世界を広げる。


「静かにするために」始めた絵を描くことが、いつしか私の心を唯一解放できる、大切な居場所になっていきました。


あの日、必死に息をひそめて描いていた絵が、数十年経った今、不思議なことに私の「楽しみ」になっています。



今こうしてブログにイラストを載せ、皆さんに私の物語を届けること。

それは、かつて「静かにしなさい」と言われ、自分を押し殺してきた小さな私が、ようやく大きな声で、自分の人生を肯定し始めた証なのかもしれません。


悲しい記憶から生まれたはずの習慣が、今の私を支える「楽しみ」へと姿を変えている。

本当に、人生とは何が起こるか分からないものですね。