高校時代の私はお世辞にも「良い生徒」ではありませんでした。



先生たちには反抗的な態度。

大人なんて信用できない…そんな風に尖っていた私は、先生からも「扱いにくい生徒」だと思われていました。


長い休みが明け、学校が始まってすぐのこと。

本来なら先生に提出するはずの「通知表」を、私は持っていませんでした。


実は、休みの間に母が精神障害(躁状態)がひどくなり荷物をまとめ、家出をしてしまったんです。

母は当時、大事なものがなくなるのを怖がっていて、私の通知表はその執着の対象になり、持ち去られてしまったのです。


「母に無くされたので、ありません」

先生にそう伝えても、普段の素行が災いして、信じてもらえるはずもありません。



「嘘をつくな!そんなわけないだろう!」

先生は大激怒。

でも、私は家庭内の複雑な事情を説明したくなし、どうせ言っても分かってもらえないと口を閉ざしてしまいました。

空気はどんどん悪くなり、罵声が響きました。


すると…。

事情を知っていた一人の友達が、突然わあっと泣き出したんです。



「○○(私)の言っていることは、嘘じゃない!」


彼女は、私の代わりに怒り、私の代わりに号泣してくれました。


正直、先生に怒られるなんて、どうでもよかった。


それより、素直になれなかった私の代わりに「泣いて怒る」という感情を爆発させてくれた彼女の姿が、何よりも嬉しかったんです。


大人を信用できず、殻にこもっていた私にとって、彼女の涙はどんな言葉よりも救いになりました。


今振り返っても、感謝しかありません。

あの時、私のために泣いてくれてありがとう。