自分が好きなように選べるのか?
羊飼いと風船
(2019年/中国/102分)
監督:ペマ・ツェテン
【ストーリー】
チベットの大草原で牧畜を営む祖父・若夫婦・子どもたちの3世代家族。昔ながらの素朴で穏やかな暮らしを送る彼らだったが、受け継がれてきた伝統や価値観は近代化によって変化しつつあった。そんなある日、子どもたちのいたずらをきっかけに、家族の間にさざなみが起こり始める。(映画.comさんより)
【かんそう】
2023年5月8日
ペマ・ツェテン監督がお亡くなりになりました。
今回、感想を書かせていただく作品が初鑑賞だったのですが、「次はどんな作品かなー」と楽しみにしていたので、とても悲しいです。
ご冥福をお祈り致します。
先程も書きましたが初ペマ・ツェテン監督作品です。
噂に違わぬ洗練された引き込まれる作品でした。
チベットが舞台の映画といえば叙情的な伝統色が強い作品が多いように思うのですが、こちらは家族を通して伝統や信仰、そして現代社会とのせめぎ合いが描かれ、どちらかといえば社会派に寄っていたかな。
セリフで多くは語らないのですが、全てスクリーンを通して語ってくれていたように思いました。
妹の恋愛模様もあれだけの描写でどんな感じだったのかってわかるし…。
一人っ子政策も少数民族に対してはちょっと都市部とは違う運用で、チベットの場合も都市部や農村、遊牧民…などで違ってきます。
このお話は90年代後半ということで「四人目からはお金払わんとあかん」みたいな話が出てきたので、三人目まではオッケーパターンなんやろなーと思いました。
今はこの一人っ子政策も緩和されていて、少数民族への運用に関しては調べていないので、どのような状況かはわかっていないのですが…えへ
結局、身体的にも精神的にも、女性だけが変わらぬ伝統を強いられているように見え、女性の方が負担大きいよなぁ、と彼らを見ていて思いました。
男性陣の言い分も聞いてて「んな勝手な…」と思いましたが、あの後、奥さんはどうしたんだろう…
結局、出産したように私は思ったんだけど…
以下ちょっとネタバレです。
ラストの2つの赤い風船。
1つは割れて1つは飛んでいきましたよねぇ。
なんか意味深…と思ったけど子どもとは関係ないのかな?他の暗喩かな?
いろんな余韻を残してくれる映画でもありました。
うりぼう4つ:
2021.2鑑賞
ありがとうございました