2018年夏
大阪シネ・ヌーヴォーさんで
が特集上映されました。
私も5本だけですが鑑賞させていただいたので簡単に感想などなど・・・
1本目
肉弾
(1968年/日本/116分)
監督:岡本喜八
【かんそう】
以前観た岡本喜八監督の『日本のいちばん長い日』がおもしろかったのですが、そちらで抜け落ちた下級兵士にとっての8·15を描いたのがこの『肉弾』らしいので、これはぜひに!と劇場へ。
こちらもとても良かったですねー。『日本の〜』は軍人たちのドラマでしたが、こちらはどっぷり庶民の物語。
最後の休日を過ごす若い兵士(寺田農)の姿を追います。
古本屋の主人(笠智衆)、風俗店の女学生女将(大谷直子)、少年兄弟…兵士が出会った人たちみーんな戦争とは本来全く関係のない人たち。
古本屋の主人が若い兵士の「あいつ」に言う
「放尿の気持ちよさを感じるために生きて帰ってこい」
みたいなセリフがよかったなぁ。
…やっぱり戦争の意味がわからん。
そして「あいつ」だってさ………戦争なんてなかったら普通に青春を謳歌しただろうに…
「あいつ」も「あいつ」と出会う人々もみんな心のどこかで「日本は敗けた」って思ってたような感じだったな。
あと、ネタバレですが・・・
彼の場合はほんとブラックな最期で泣くに泣けなかったわ…。
無意味な特訓の末の最期があれなんだ…と思うとむなしかった。
一番無意味なのは戦争だけど。
戦争映画にしてはちょっとかわいらしいポップな音楽が流れたりするんだけど、それがまた青春っぽくていいなーと思ったら、音楽は佐藤勝さんでした!なるほどー!!
呪文のように唱える因数分解がこの期に及んでは何の意味もないお経のようでこれまたなんか悲しかった…
2本目
吶喊
(1975年/日本/93分)
監督:岡本喜八
【かんそう】
戊辰戦争を題材にした物語。
主人公の若者が最初、短絡的すぎて「欲」と「おもしろそー」だけで行動するのが何ともイヤで「こういう人キライやわー!!!」て思いながら観ていたけれど、でも、あの戊辰戦争の時というと、まさに世の中が動こうとしていた時代、ああいう人物も必要だったんだろうなぁ、という気がしてきました。
烏合の衆、とも言えるカラス組をまとめる高橋悦史さんがかっこよくてねー
さすがの殺陣で時代劇に興味なくてもこういうのを見るとわくわくしますわ。
結局、お上のええように使われたカラス組で虚しかったけどあの時代、そんなのばっかだったような…
これも青春映画になるんかな。
テンポもよく、ユーモアもあり、それでいて常に「生」の中に「死」が見え隠れしていてドキドキ…
それでも何としてでも生き抜こうとするあの執念!!
おもしろかったです!
最初と最後の語りをしてくれるお婆さんが坂本九さんなんだけど、いい味出てましたー!
※画像はお借りいたしました。
ありがとうございました