(2017年/イギリス・アメリカ/116分)
監督:マーティン・マクドナー
【ストーリー】
ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長(ウディ・ハレルソン)を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
※ネタバレしてまーす※
娘を殺された母が3枚の看板に広告を載せた事から始まる物語。
メインは母のミルドレッド、警察署長、その署長を尊敬してやまない部下ディクソンの3人。
この3人が軸となって物語は進んでいくのですが・・・
最初は人のいやーな部分むき出し!が描かれ、それがまた人のいやーな部分を引き寄せ・・・
負のスパイラルですわ。
ミルドレッドも、まぁ、すんごい母ちゃんでしたけど、警察官のディクソンがクズやったわぁ~
短絡的で浅はかで・・・
でも、物語が進むにつれて人は多面性であって一面性ではない、ということを感じさせてくれる展開になっていきます。
母もぶっ飛んでたわりに、警察署に火炎瓶投げる前にちゃんと警察署に電話して誰もいないか確かめていたのが「意外と冷静やな」と思いました。
ディクソンもクズやわーってずっと思っていたけれど、署長の手紙で心が少し変わっていきます。
この署長もミルドレッドに対して冷たい態度を取っていたようですが、実は・・・な熱い男でした。
ミルドレッドが警察署に火炎瓶を投げ入れた時、誰もいないと思っていた署内にはディクソンが必死で署長からの手紙を読んでいました。
よって、ディクソンは大やけどを負って入院することに・・・
そのディクソンが入院した部屋には・・・
かつて自分がケガをさせた広告会社の人間が!!!
でも・・・
ここからが涙・・・
オレンジジュースのくだりが涙・・・
一番好きだったシーンです。
署長の手紙、彼からのオレンジジュース。
ここからのディクソンは一味違ってましたねー
熱い警察官魂を持ったディクソンになっていました。(クビになってたけどね)
そしてミルドレッドは元夫の頭の悪そうな若い現彼女の言葉
「怒りは怒りを来す」
に「は!」となります。
この彼女、「ポロの本」を「ポリオの本」と言ったりしてほんと頭悪そうだなーという描かれ方をしていたのですが、意外と賢いのでは?と思ったり。
上記の言葉を述べた時は私も「は!」となりましたわ。
元夫もええ彼女いてますやーん!
ラストにミルドレッドが見せた笑顔が本当に心にしみました。
嫌な部分ばっかやなぁ、と思われた登場人物たち。
「え?そうやったん??」の連続の展開。
最後には「人を赦すとは」というようなことを感じさせてくれたこちらの作品。
ユーモアを交えながらも重厚な人間ドラマで見応え抜群でした!!
うりぼう5つ:
2018.5鑑賞
ありがとうございました