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イヴ・サンローラン
(2014年/フランス/106分)
監督:ジャリル・レスペール
【ストーリー】
1953年、パリ。亡きクリスチャン・ディオールの後継者として関心を向けられるファッションデザイナー、イヴ・サンローラン(ピエール・ニネ)。デビューを兼ねた初コレクションを成功させた彼は、21歳にしてファッション業界の天才としてあがめられる。そんなイヴとディナーで出会ったピエール・ベルジェ(ギョーム・ガリエンヌ)は、その才能に惹(ひ)かれると同時に恋をする。ベルジュは仕事でもプライベートでもパートナーとしてイヴを支え、彼の名を冠したブランドを一緒に立ち上げてファッションの革命をもたらしていく。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
松たけ子さんに教えていただいた『イヴ・サンローラン』
たけ子さんの感想を読んでますます観に行きたくなった『イヴ・サンローラン』
面白かったです!!
よかったです!!
期待はずれだったわー、な声もちらほらあるようてすが、私のように彼のことや、ブランドの事を全然知らない人は楽しめるかもしれませんね。
上映されてから、1か月近く経っていたのですが結構満席に近い状態でした。
ざっと見まわした感じ、私を筆頭にたぶん普段はイブ・サンローランブランドとは縁遠い人が多かったと思いますわ。←失礼
本当にブランドの名前くらいしか知らなかったので彼がこんな人生を送っていたなんてこれっぽっちも知らなかった、というよりは興味もなかったと言ってもいいと思います。
友人N子ちゃんとこの映画の話をちらっとした時に、ピエール・ニネが本人に激似らしいよーと教えてもらいました。
そういえばネットだったかな、この映画の製作のためにピエール・ベルジェ氏がピエール・ニネに会った時におどろくほど彼がイヴ・サンローランに似ていてびっくりー!というのを読んだことがあります。
そして、監督のインタビュー動画を見てておもしろかったのが質問の中に
『イヴ・サンローランの飼っていた犬(今も生きている)がピエール・ニネがあまりにもイヴ・サンローランに似ていたため、すぐなついた、というのは本当ですか?』
というのがあったことです。
監督の答えは笑いながら
『似ているからなついたかどうかわかんないけど、確かにすぐになついていたよー』
というものでした。あはは!!
動物は人を見抜きますから、たとえ似ていなくても彼の人柄はいい、ということじゃないでしょうか??
(と、希望的観測)
で、ピエール・ニネのインタビュー動画も見ましたが彼は彼でかなり役作りに力を入れていたようです。
彼は5か月半かけて役作りをした、と言っていました。
映像を観て観察し、ipodに声を入れて日に3,4回聞き、繊細さの現れている独特の声色を学んだそうです。
すごい・・・
そういえば今回映画が始まる前にピエール・ニネの自撮りと思われるメッセージがスクリーンに流れましたわー。
とても日本が好きでーす、というのが伝わってきて嬉しかったです。
どことなく岡田将生くんに似てるなーと思ったのですが・・・
若くしてディオールに才能を認められ、どんどんと周りからも期待され、デザインを発表していく彼ですが、アルジェリア戦争で徴兵され、そして精神を病んでしまい精神病院入院・・・とこのあたりから彼の繊細さがより一層露見していたように思います。
そして徴兵前に出会い、お互いすぐに魅かれあったピエール・ベルジェが彼を支えます。
文字通り公私ともに、そして生涯かけて彼を献身的に支え続けるピエール。
彼がいなければイヴはほんとどうなっていたことか・・・ですわ。
一人ではなーんもできないイヴ・サンローランでしたし。
なんや値段もわからん仏像買ってきたりしてたしさー
ピエールはほんまにすごいなぁ・・・
本当にイヴの事を愛していた、ということも大きいでしょうが、放っておけなかった、というのもあったと思います。
いやー私は夫にあそこまでできひんわー
んで、大きなお世話ですがピエールが仕事できる人でほんまよかった、と思いました。
人の扱い、つきあいも上手だったし。
精神病院から退院したのち、彼は自身のブランドを立ち上げます。
『Yves Saint Laurent』の誕生です!
最初のお披露目ショーにも気合が入ります。
このショーが成功を収めたシーンが好きでした。
イヴがスタッフ全員にすごく嬉しそうにはにかんだ笑顔で
「みんなのがんばりで成功できた。」
と感謝の言葉を述べるのです。
その時の彼の笑顔がとてもよかったです。
また、雑誌の取材にも「お針子さんたちのおかげで~」と答えるシーンがあり(ピエールに「つまんないこと言うな」と、止められますが)彼はスタッフをとても大事にしてたんじゃないかなーと思いました。
そして、彼はどのショーでも最後にきちんと皆様にお辞儀するのですが、その礼の仕方がすごくかわいらしかったです。内気で恥ずかしがり屋の彼をそのまま表しているようでした。
でも、もともと精神的にもろいイヴはやはり成功、名声と同時に当然ながらプレッシャーをも感じ、それを打ち消すかのように年に数回ショーを開くのですが、逆に精神的にどんどん追い込まれる一方でした。
そうしてピエールと旅に出たりするのですが・・・
ピエールのそばがあんしーん
パーティ、ドラッグ、アルコールにおぼれていくのは天才芸術家にありがちなのでしょうかねぇ。
もう、見てられないくらいにボロンボロンのドロンドロンになるイヴですが、ピエールはもちろん見捨てません。
そばにいます。
イヴが浮気して『彼を愛してる。でも生涯の男は君だ。』て、取りようによっては都合のええようなセリフを言われてもピエールは彼のそばにいて支え続けます。
尊敬するわ、ピエール!
なんか、もう、ここまでくると、放っておけない、という感覚の方が強いんかなーとか思ってしまったりしますが。
デザインの方は?と、言うと、新境地を開いてから、またふっかーつ!な感じでしたね。
モンドリアン・ルック・・・ていうのかな??
かわいいですねー
そういえば映画の中で何度かファッションショーのシーンがありますが、ファッションショーなんて見たことのない私はそれだけで「わぁーI」ってなりました。
たぶん、あれもYSL財団の許可を得て全部デザインやデッサンとか使わせていただいてるんですよね。
いやー素敵でした。
YSL財団とかピエール・ベルジェの協力を得る・・・となると肩入れしたような映画になる可能性もあったと思うのですが、この映画はイヴ・サンローランのプラス面、マイナス面の両方が描かれていましたし、どちらかにえらい偏ってるやん!な事もなかったように思います。
そして、ピエール・ニネのインタビュー動画で彼が語っていたのですが、この映画の見所は
『ファッション帝国を築き上げる過程』
だそうです。
また、ピエール・ニネは
彼の知られざる姿、つまり70年代のパーティ三昧やドラックの事なども描かれていますが、ポジティブなメッセージもあり、それは「自らの苦しみや悲しみは芸術として昇華できる」ということです。
とも語っています。
個人伝記のような映画は基本的にあまり好きではないのですが、イヴ・サンローランの事を全く知らなかった私はとても興味深く鑑賞できました。
面白かったです!
教えてくれたたけ子さんほんとありがとーございまーす!
くうこのおまけ
・中国に留学していた時、同じ留学生仲間がYSLのライターを持っていました。
ロゴも全く同じで、びっくりして聞いたら
「そこの屋台で2元(当時日本円で30円くらい)で買った」
と言うのです。
「そんなん2元で完コピはあかんやろー!」とまじまじ見ていたら、ロゴの下に書かれているブランド名が
Yves Saint Laurent
ではなく、
Yes Saint Laurent
だったので大爆笑しました。
イエス サンローランてーーー!!!
この時、心の底から中国人センスに感動しました。
・日本人バイヤーが出てくるシーンがあるのですが、その時モデルの方が言うジョーク?がフランスらしく、おちゃめでかわいらしかったです。
でも、やっぱり「日本人」は「中国人」に間違われてしまうのねー
・エンドクレジットで私の好きな画家「ラウル・デュフィ」の名前を見たのですがどこに出てきたんだろう?!イヴが画集をペラペラめくっていた時に出てきたのかしら・・・?
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆