テロ,ライブ
(2013年/韓国/98分)
監督:キム・ビョンウ
【ストーリー】
国民的アナウンサーとして活躍していたが、ある不祥事でテレビ局からラジオ局へ飛ばされてしまったユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)。ある朝、生放送中の彼の番組に脅迫電話がかかってくる。イタズラと思って電話を切るが、その瞬間に漢江に架かるマポ大橋が爆破される。やがて、連続する爆破テロの犯人が脅迫電話の相手だと判断したヨンファは、彼との通話をテレビで独占生中継する。その後、大統領の謝罪と21億ウォンの現金を要求した犯人は、ヨンファの耳に付けられたイヤホンにも爆弾を仕込んだことを告げる。(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
韓国俳優さんもそんなに詳しくないのですが、ハ・ジョンウは今年の第9回大阪アジアン映画祭で初監督作品として
『ローラー・コースター』
が上映され、「来たるべき才能賞」を受賞されたので知っていました。
映画祭で、この『ローラー・コースター』は観たのですが
もー大爆笑。
なんぼ声出して笑ったか。
私、今年上半期で一番笑った映画は?って聞かれたら間違いなくこの『ローラー~』を挙げます。
(でも私の周りには「一切笑えなかった」という人も結構いました)
そして、当時、ツイッターなどで映画祭に来てほしいゲストにもよく名前が挙がっていたので、人気ある俳優さんなんだろうなーというのはわかっていたのですが、出演作を観るのは今回が初めてです。
それがこの『テロ、ライブ』なのですが。
うまいなぁ・・・
映画もハ・ジョンウもすべてうまいなぁ~という感じでした。
※以下いつも通りのネタバレ感想です。ごめんなさい。※
爆弾テロ情報をキャッチ、それどころか犯人が今、自分の番組に電話をかけてきている、ということで、ラジオ番組のDJヨンファはTVキャスターに返り咲くために、自分の手柄として独占放送しようとします。
ですが、そう思ったが最後。
引っ込みがつかなくなり・・・
ハ・ジョンウ演じるヨンファと犯人の電話での攻防戦にハラハラ。
どちらも頭が良く、自己の利益最優先で考えているのでお互いそう簡単に屈することはありません。
また、密室劇、というハラハラ成分に加え、スクリーンの中の時間経過と私たちが観ている時間経過と同じというのにもすごくハラハラ感が上乗せされていたように思います。
でも何より私がハラハラしたのはイヤホンに爆弾仕込んだ!という事態でしたけど。(いつ仕掛けたのかは謎)
あのピヨンピヨンピヨン・・・という「爆発すっぞ!爆発すっぞ?!」な音が聞こえる度にドキドキしたわー
犯人とのやり取りだけで最後まで進むのですが、単純に電話のやり取りだけで映画が進むわけではありません。
基本はハ・ジョンウの一人劇!という感じなのですが、ヨンファに負けないくらいの自己利益最優先のTV局の上司が出てきたり、ひっこめー!な軍のお偉いさんが出てきたり、別れた奥さんが出てきたり、テロの専門家が出てきたり・・・
どないなんねんどないなんねん!!な要素もどんどん放り込まれてきます。
それによって単なるテロ中継で感じる緊張感・・・だけでなく、登場人物たちの腹黒さ、打算、欲深さ、そして政府のお上に対するちくりとした批判なども見えてきます。
最後は読めてしまったかなーな感じもありますが、でも、スピーディな展開にくわえ、さらに加速するラストには手に汗握るものがありました。
また、あの犯人が政府に対して言う
「一言謝ることがなぜできない」
これにはなんかわかるなーな気がしました。
基本的には私も政府側の「テロには絶対屈しない」態度に賛成なのですが。
とにかく最後までぐぐぐぅぅぅーっと観客の目と意識を引っ張り続けた牽引力は素晴らしかったです。
とてもおもしろかったです!!!
うりぼう5つ:
ありがとうございました☆
引き続きみなさま台風にはお気をつけて~