ある過去の行方 | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

そして未来は・・・


ある過去の行方

(2013年/フランス・イタリア/130分)


監督:アスガー・ファルハディ


【ストーリー】

4年前に別れた妻マリー(ベレニス・ベジョ)と離婚手続きを行うため、イランから彼女のいるパリへと飛んだアーマド(アリ・モサファ)。かつて妻子と日々を過ごした家を訪れると、マリーと長女のリュシー(ポリーヌ・ビュルレ)が子連れの男サミール(タハール・ラヒム)と一緒に暮らしていた。マリーとサミールが再婚する予定だと聞かされるものの、彼らの間に漂う異様な空気を感じ取るアーマド。そんな中、マリーと確執のあるリュシーから衝撃の告白をされる。(シネマトゥデイさんより)



【かんそう】

『別離』でかなりガツーンとやられたので今回も楽しみにしていました。


ガツーン!とやられたわりに私はずーっとこの監督さんは女性だと思っていました。

今回も観終わって少ししてから「男性の監督さんやったんやー」と知りました。


「別離」の時と同様、この映画もそうでしたが、人の心のイヤァな部分まで隠すことなくしかもご丁寧にほじほじ描いているところがなんとなく西川監督作品と重なっていたからかもしれません。




今回も人がちょこっとついた嘘やちょっと隠しておきたいこと、都合の悪いこと、目に見えない駆け引き、思い込み・・・がどんどん絡まっていくのですが、ちょっとなぁ・・・私にしてみたら


「ぜんぶあんたら二人がそんな関係になったからとちゃうん?」


でした。


スクリーンの中でいがみあったり、子供らがわーわー言うごとに「あんたら二人が・・・」て思ってしまいました。



それを言ってしまうとこの映画は成り立たないのですが。


でも、近所のおばちゃん的にはそんな事を思ってしまうのです。


そりゃぁ男と女だし立ち位置がどうであれ何があってもおかしくはないと思います。



でもさ・・・子供がさ。


この映画には3人の子供が出てきます。


一番ちっちゃな女の子(マリー=アンヌの次女)だけはちょっと蚊帳の外、って感じでしたが、お年頃のリュシー(マリー=アンヌの長女)だってきっと毎日胸が押しつぶされそうだったと思うし、ファッド(サミールの息子)はいつも不機嫌だったし、しょっちゅう眉間に皺寄せていたし、でもでも心はまだまだ4歳だったし。

見ていてつらかったです。


ええ迷惑よなぁ・・・。


ええ迷惑な分、結構冷静に大人を見つめているような感じはしましたが。




なんだかんだ言いながらも最後までしっかり引き込まれて観てました。


回想シーンや過去のシーンなどが一切なく、登場人物たちの会話や憶測話だけで私もいろんなことを想像するしかなく、どうなん?どうなん?どれがほんまなん??実際何があったん?!とがんがん入り込んでました。



結局はサミールの奥さんしか真相はわからないです。




この映画の入り口はアーマド&マリー=アンヌ夫婦でしたが、出口はサミール&セリーヌ夫婦でした。



そんなラストシーン・・・



希望を持てるシーンかもしれません。



が、私は複雑でした。




クラッカーくうこのおまけクラッカー


・アーマドが作っていたイランのシチュー。

シチューっぽくなかったし、色も真っ黒でしたが食べてみたーい!!

どんなお味かな?



・サミールを演じていたのはタハール・ラヒム。

『パリ、ただよう花』で彼を初めて観て、これで2作目。

んで、またこのような役だったので思わず「またあんたかぃ!」とつっこんでしまいましたわ。



・確かサルバドール・ダリが、「香りの記憶は一番強く残る」とかいうような事を言っていたように思います。それを読んだ時にわかるわーと思ったものです。この映画を観て思い出しました。




うりぼう4つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊

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ありがとうございました☆