風を聴く人
(2012年/中国・香港/120分)
監督:アラン・マック、フェリックス・チョン
【ストーリー】
共産党と国民党の衝突で内戦状態にある中国。劣勢に陥った国民党は台湾に逃れたが、その残党の動向を探るために共産党は701部隊を設立して通信傍受と暗号解読に奔走していた。同部隊諜報(ちょうほう)員・張学寧(ジョウ・シュン)は、人並み外れた聴力を誇る盲目のピアノ調律師・何兵(トニー・レオン)と上海で出会い、彼を部隊のメンバーにすることに。モールス信号などの通信技術について学んだ何兵が国民党の通信を発見していく中、張は謎に包まれた国民党の大物スパイ・重慶を捕捉しようとわなを張り巡らせていた(シネマトゥデイさんより)
【かんそう】
視覚的にとても楽しませてもらったかも。
もちろんストーリーも良くできていたし、スパイものではありながら、どちらかというと地味で、せつない人間ドラマのような気もします。
この映画を観ていて思い出したのが『裏切りのサーカス』
こちらも地味ぃぃなスパイもの。
国こそ違うけれど、両方ともに「鉛色」という表現がぴったりな重厚な画面の雰囲気、ロケーションやカメラワークのこだわり、衣装や美術の素晴らしさ・・・などなど、どうしても重なってしまいます。
ストーリーの重きを置く点では少し違いましたけど、それでもスクリーンの中に醸し出される雰囲気は似ていました。
なので本当に観ていてうっとりな部分が多かったです。
うっとり部分のひとつにジョウ・シュンの衣装を挙げたいです。
こんなおっさんコートだってとっても素敵に着こなすジョウ・シュン。
私が着たらたぶんロッテンマイヤー。
その他チャイナドレス姿も素敵でしたし、髪型もレトロでどれもこれも彼女にぴったりでした。
見た目はとても女らしいのですが聡明で、強くてスパイに必要な要素はすべて兼ね備えており、とてもかっこよくもありました。
でも、だからこそ・・・彼女の運命が、恋が、もう・・・せつなくてねぇ・・・
トニー・レオン演じる何兵とええ仲になるんかなーと思いきや、何兵は別の女性と結婚。
張学寧(ジョウ・シュン)とはあくまでもビジネスパートナーの仲なのですが、でも非常に強いきずなで結ばれていたようにも思いました。
ここに絡んでくるのが張学寧の上司(ワン・シュエピン)なのですが、彼との関係も、もう・・・せっつなーい!!
感情を表すしぐさや表情が3人とも抜群でした。
・・・・・・やっぱり、私は「視覚」を楽しませてもらった感の方が強いかな。
全体的に抑え気味の映画ですが、それに合わせたような演出やカメラがほんとぴたっとはまっていたように思います。
・・・・・・いや、ストーリーもよかったんですよ。はい。
くうこのおまけ
広東語映画だったのですが、中国大陸側のお偉いさんの演説が広東語だったことが「?」
でも、どうなんだろうなぁ。あそこだけを普通話(いわゆる北京語)にしてしまうとやはり違和感があったのだろうか。
でもウォン・カーウァイ映画は広東語北京語入り乱れていても何の違和感もないしなぁ。
うりぼう4つ:
ありがとうございました☆