ドラッグ・ウォー
（2013年/香港・中国/106分）
ジョニー・トー監督
【ストーリー】
香港ノワールの巨匠ジョニー・トーの監督50作目で、中国公安警察の麻薬捜査官がアジアをまたにかけた巨大麻薬組織の壊滅に挑む姿を描いたサスペンスアクション。中国・津海にあるコカイン製造工場で爆発が発生し、現場から逃走した車が衝突事故を起こす。車を運転していた香港出身のテンミンという男が病院に担ぎ込まれるが、麻薬捜査官のジャン警部は、テンミンが麻薬組織に大きなかかわりを持っていると察する。麻薬密造には死刑判決が下るため、減刑と引き換えでテンミンに捜査協力を要請したジャン警部は、テンミンの情報をもとに潜入捜査を開始。すると、中国全土だけでなく韓国や日本にまで勢力を拡大する麻薬シンジゲートと、その巨大組織を裏で操る「香港の7人衆」の存在が浮かび上がる。(映画．ｃｏｍさんより）
【かんそう】
面白かったです！
トー監督作品は「奪命金」と「名探偵 ゴッド・アイ」しか観ていないのですが、この2つとは全く違うテイストでした。
笑いもほとんどなかったです。
笑いで言いましたらそりゃぁ「奪命金」や「名探偵～」ではどんだけ笑ったことか！！！
だーがーしーかーしー！！！
とってもとっても面白かったです。
昨年の舞台挨拶の時に初めて中国大陸で撮影したこと、脚本を何度も書き直したこと、などなどをお話されてましたけど、やはり大陸で撮影となるとなかなか自由にいかないところもあると思うので、もし、この映画を香港や台湾で撮影されていたのであれば、もっと幅が広がったのかもしれませんが、でも、私には十分すぎるおもしろさでした。
でも制限あるがゆえに、今までのトー作品をご存知の方々にとってはひょっとすると物足りない印象があるかもしれません。
ふり幅も大きいということはなく、単調、という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、過不足がいっさいなかったなぁ・・・という印象も非常に強いです。
恋だの友情だのって一切なかったし。仲間の結束力が高い、というのは観ててわかりますが、そこから少し感動の味付け、なんてものはなかったですし。
だからと言って、単調すぎて、スッカスカ！なことはなく、時間も程よい長さなのでテンポよく最後まで一気に観ることができて、見ごたえがありました。
ここから完全なるネタバレです・・・
紅一点の女刑事が出てきます。
かなりべっぴんさん。
某刑事とその女刑事がちょっとええ感じ・・・・とか、
ございまぁせん！！！
女刑事がやられているところを「しっかりしろ！！まだまだこれからじゃないか！！」と涙する・・・とか、
ございまぁせん！！！
仕事以外の場面で仲間内の友情が垣間見えるとか、
ございまぁせん！！！
っていうか仕事以外の場面なんて
ございまぁせん！！！
ほんと「捕まえる」「逃げる」の二言のみの映画です。
容赦ございません。
双方の執念がすごかったわぁ～
特にジャン警部（スン・ホンレイ）とテンミン（ルイス・クー）ね！
途中聾唖の兄弟が出てきてここで少し話がふくらみます。
テンミンを敬愛するとっても人のいい聾唖の兄弟・・・・というだけでは
ございまぁせん！！！
めちゃくちゃ戦闘能力高いですからね。
観ていて「うぉぉーー！！！」って思いました。
いやぁ～ええアクセント＆展開でございました。
あのラストの銃撃戦なんて・・・
音楽映画でよくあるラスト十数分圧巻の演奏！並みのボリュームでの圧巻の銃撃戦！
ここももちろん容赦・・・・
ございまぁせん！！！
そして最後の最後、本ラスト！
テンミンのくずっぷりが披露されてあっさりぷっつり映画は終わるのですが、この終わり方も私はとても好きです。
あれだけ熱い展開をしてきたこの映画をあんな風に終わらせるなんてゾクゾクっとしました。
一気にラストまで駆け抜けた106分！
とても面白かったです。
ダッシュして観た感じだったので2回目観たらいろいろと発見できたりするのかな？
くうこのおまけ
スン・ホンレイを見ていると・・・
元阪神の金本アニキに見えてくる。
そして将来はたかじんさんみたいな風貌になるのかなーとか思ったりもする。
うりぼう5つ：
ありがとうございました☆