モーリス・ユトリロ展 | シネマド館

シネマド館

世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

10月9日(土)あめ雨


『モーリス・ユトリロ展』


シネマド館-101009_1252~001.jpg

友人N子ちゃんと京都伊勢丹7階にある美術館「えき」KYOTOで行われているユトリロ展を見に行った。



私は知らない画家だったのだが、9月にN子ちゃんと印象派とモダンアート展を見に行ったとき(記事はこちら )に、彼女が



『好きな画家の一人。今、京都でやってるからよかったらどう?!』



と誘ってくれたので見に行ったのだ。



チケットも敏腕チケット購入マンN子のおかげで超格安で買うことができた。

ほんと、N子ちゃんのあの情報収集能力と行動力には感心!!!シネマド館-潤




彼の生涯と共に絵が展示されていたのだが、「白の時代」「色彩の時代」・・・といろいろと変化が見られる。

ふんわりしたタッチもあれば、きっちぃ!びっしぃ!と線がはっきりとまっすぐな絵も見られたりして、飽きることがない☆


絵の雰囲気はこんな感じ・・・

シネマド館

シネマド館

シネマド館


なぁんとなく大好きなデュフィの絵に似ているところもあったりして、今までなんでこの画家に注目しなかったのかしらぁ・・・と思ったりした。


N子ちゃんも「くうこはデュフィ好きだからユトリロもきっと好きだと思ったよークラッカーと言っていたので、私以上に私の好みをわかっている!!

恐るべし敏腕チケット購入マンN子!!



そして彼の人生にもびっくりよ・・・


彼は母と離れて祖母に育てられていた10代でアルコール依存症になり、その治療から絵を始めるわけだが・・・。


そのスタートからもうびっくり。シネマド館-驚

10代でアルコール依存症て!!!



そこから、彼の友人(しかも彼より3つも年下)と自分の母が結婚したり、彼自身も私から見たら「なぜに?!」と思える超支配的な女性と結婚したり・・・


その女性は12歳年上の彼の絵のコレクターだったようなのだが、彼に「こういう絵をお描き!」と指示していたようだ。


その結果、彼は自分のスタイルだった絵葉書を元に絵を描くのをやめさせられ、彼の一番絶頂期とも言われる「白の時代」の絵を元に絵を描かされる。


どうやら一番値がついた時代の絵が一番すばらしい、という考えが妻にはあったようだ。




ユトリロにしてみれば不本意だっただろうなぁ・・・。





その頃の絵が展示されていたのだが、そういう彼女との背景を読んだ後にこれらの絵を見たからか、感想は



「てきとーな感じがする・・・。どうでもいいわ感が漂ってる・・・」



だった。


まぁ、年齢のこともあったのかもしれませんが。




N子ちゃんとも話していたんだけれども、彼は人生楽しかったのだろうか。

(唯一楽しそうな写真が彼が崇拝しているジャンヌ・ダルク像を見上げている時のものだった。)


あのすばらしい絵の数々は彼が心から絵を愛して描いたものだったのだろうか。


描きたくて描いたものもたくさんあったとは思うが、同時に母親や継父、自分の妻の贅沢のために強要されて描いた絵も多かったのではないのだろうか・・・。


そして、自分が飲むための安い酒を買うために、どうでもいい値段で売り飛ばした絵も多かったのではないだろうか。



・・・そんなことを思った。



でも、やっぱり彼の描く絵はどこか寂しげではあるが、見ていて癒されるものだし、これからもきっと多くの人々に愛される絵だと思う。




生涯孤独を感じ続け、そのために酒に溺れ抜け出すことができなかった画家ユトリロ・・・





芸術家はやはり激動の人生を歩むものなのかなぁ・・・・

彼の場合は悲劇色が強すぎるが。




N子ちゃんの一言が脳裏に浮かぶ。



『・・・ついてないよな、この人・・・』



的を得てすぎて笑える・・・。




でも!!すばらしい画家と展覧会を紹介してくれたN子ちゃんに感謝!

注目画家が一人増えました☆


多謝シネマド館-礼






最後に・・・



母と共に写る幼少期のユトリロ。
シネマド館

どことなくクリス松村さんに似てる・・・よね。