ぶんちゃっちゃぶんちゃぶんちゃ♪
ウェディング・ベルを鳴らせ!
監督:エミール・クストリッツァ
(2007年/セルビア共和国、フランス/127分)
【ストーリー】
小さな村で祖父のジヴォインと2人暮らしの少年ツァーネは、ある日、祖父から3つの約束を果たしに町へ行くように言われ、牛のツヴェトカを連れて旅立つ。その約束とは、ツヴェトカを売った金で聖ニコラスのイコンとお土産を買い、そして花嫁を連れ帰ることだった。初めての都会は何もかもが珍しく、戸惑うことばかり。そんな中、美少女ヤスナに一目惚れしたツァーネだったが、マフィアの一味に行く手を阻まれてしまう。(goo映画さんより)
【かんそう】
最初から最後までぐいぐいエネルギッシュに、陽気に進んでいく映画。
もう、お祭りそのもの!!
『人生楽しもうぜー!!』っていう監督の思いがスクリーンから終始あふれ出ていて見ていて本当に楽しかった。
日本の昔話からヒントを得た、という監督。
日本の昔話はこんなに陽気ではないけれど、少年に3つの約束をさせる・・・あたりなんかは日本の昔話っぽいくだりではあるよね。
のどかな村で暮らしていたおじいさんは自分が死んだ後の孫の未来を案じて孫を街に行かせるのだが3つの約束をする。
①牛を売ったお金で聖ニコラスのイコンを買うこと
②お土産を買うこと
③お嫁さんを見つけてくること
・・・どう考えても3つめは難しいやろーーーー!!
(私でさえこんな年齢まで・・・・いや、それは置いておこう。)
で・も♪そこはクストリッツァ監督。
明るく陽気に少年ツァーネの婚活が始まるのであーる。
前半はやや眠たくなるところもあるが、後半からはもう、クストリッツァ監督お得意のぶんちゃかぶんちゃぶんちゃ♪のバルカン音楽に合わせて前へ~前へ~と突き進む。
ぶんちゃかぶんちゃか♪どんぱちどんぱち!!の連続なんだけど、全然うるさーい!てことはなく、ほんと陽気に楽しめて、ところどころにクストリッツァ監督の現実的な皮肉も効いている。
でもやっぱりどこかおとぎ話っぽいのよねぇ。なんか不思議な感覚。
音楽などもそうだが、登場人物たちも現実なようで現実離れしているからだろうか・・・
特にあの靴屋の兄弟!ツァーネを助けながらずーっと一緒に行動をするのだが、とっても笑えるのよ。
その兄弟のお兄さん役は監督の息子で今回のオリジナル音楽も担当されているそうです。
冷静に考えるとストーリー自体はほんと単純なものなんだけど・・・
まぁ・・・道中がとってもにぎやかで奇想天外なものなので、ほんっっと楽しい。
私は数年前、DVDだけどこの監督の「アンダーグラウンド」を見て非常に感動した。
これだけの映画が作れるのは監督自ら母国の崩壊を経験したからであろう・・・しかも胸に訴えかけるだけでなく、視覚への訴えも強烈だった。美しいのよ。全てが・・・
未だこの映画の結婚式シーンは覚えてるわぁ。あんな美しい花嫁はなかなか見れない。
なので今回もとても楽しみにしていったのだが、内容的には「アンダーグラウンド」ほどの感動、というものではなかったが、お気楽に楽しめて、「人生明るく陽気に楽しみたいよねー」と思わせてくれる上質の娯楽映画だった。
☆おまけ☆
①ヤスナ(ツァーネが一目ぼれしてお嫁さんにしたい女の子)役の女の子があまりの美少女でびっくり。
そりゃ悪者も目をつけるわな。
②おじいさん&ツァーネの数々の発明にも注目。くだらないようだけどよくできている・・・ピタッゴラスイッチ♪
うりぼう4つ: