小さな事からコツコツと | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

約2ヶ月ぶりの映画館!!!


シネマド館-ミルク

MILK


監督:ガス・ヴァン・サント

(2008年/アメリカ/128分)





【ストーリー】

1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルクは、20歳年下のスコットと出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成する事になる。社交的でユーモアにあふれたミルクは、近隣住民の抱える問題に、政治的により関わりを深めていく。(goo映画さんより)


【かんそう】

ショーン・ペンの映画はあまり見たことがないのだが、いい俳優さんだね。

今回もゲイという役どころだけれど、きびきびした頭の良いミルク・・・だけではなく、ちょっとかわいらしいナヨーンとしたところもしっかり演じていたところがステキだったわぁ。

アカデミー賞主演男優賞獲得も納得だわ。


周りの俳優さんもイッケメーンキスマーク揃いでねぇ。

私は特にミルクの恋人(後にわかれちゃうが)スコット役の俳優さんに釘付け。


これだれー?!と調べてみるとジェームズ・フランコとかいう役者さん。



・・・・知らない・・・・汗

今後要チェックだね。


でもこのスコット・・とってもミルクを愛してたんだなぁ・・・というのがすごく伝わってきたよ。

スコットと別れてからジャックという恋人(なのか?)ができるのだが全く正反対の2人。

ジャックはもう、かまってもらってないとダメダメダメー!!!な男子。

仕事と私どっちが大切なの?!とか聞くような女子、いや男子。





彼が政治家として目覚めたのは本当に小さな事であり、小さなきっかけだったと思うのだが、同じ想いの人が1人、2人・・・と数人でもいればその「小さな事」はどんどん「大きな事」になる。


小さな波がたくさん集まれば大きな波になるように・・・・



しかも、ミルクが立ち上がった70年代って今よりももっと偏見や差別がひどかったはず。

本当に彼が言うとおり「命かけて」の活動だったと思うよ。



ミルクは批判され、弱者の立場のあるゲイのために立ち上がるとても素晴らしい人ではあるが、やはり、ミルクだって人間。

完璧ではなく、政治活動に没頭するあまりプライベートでの大切な人との距離がどんどん離れていく・・・


しかし!!しかし!!!仲間(ゲイ)のためにもここでやめるわけにはいかないのだ!!!と苦悩するミルク。


その辺の葛藤もとっても伝わってきたわぁ・・・・。




プライベートで悲しいことが起こっても、大きな力に負けそうになりながらも、自分の信念を貫き、仲間のためにも戦いつづけたミルク・・・


最後は暗殺、という悲しい結末ではあったけれど、ミルクの功績は大きい。

今でも仲間がミルクの意志をついで活動を続けている。


政治家になっただけではきっと自分の理想、希望なんて現実にならない。

恐らく自分の理想&希望に近づくことすら難しいだろう。


それでも諦めなかったミルク・・・・



本当に心から拍手である。

本当に本当に感動したよ。



私にはできない。

多分くじけるし、やろうともしないと思うわ。




また、感動とは別にせつなくて泣けたシーンもある。


それは回想シーンで流れた40歳のバースデーの夜・・・


このシーンは映画の冒頭部分で流れるのだが、駅でミルクがスコットをナンパ(?)し、40歳のバースデーを一緒に過ごすのだ。



その夜が彼の激動の8年間の全ての始まりと言ってもいいだろう。



ミルクが政治活動に没頭するにつれ年々派手になっていくバースデーパーティ・・・


そんな派手なパーティからは想像もつかないほど、穏やかで静かなスコットと2人だけの40歳のバースデー。


この時が一番心穏やかに過ごせたのではないかなぁ・・・・と思うのだ。

嵐の前の静けさ・・とでも言うのかな・・・・



そのシーンが回想シーンで流れてきたとき、なんかせつなくてすごく泣けたよ。



ミルクも元々はただの「人」だったんだよね・・・



うりぼう5つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊 うり坊