「おなかの傷は、母として頑張って産んだ‘勲章’」 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

「すごい3日間でした」
という言葉しか
みつからないくらい

頭でなく
心で感じ、
自分が自分で
生まれてきたことの
意味が実感できるような
魂まで浄化されたような
「めいほう映画祭」

一日目は映画
「うまれる。ずっといっしょ」

現代ならではの
命のありかた、
家族の形について
映画を通して
考えることが
できました。

二日目は
明宝出身の矢島床子さんの
お話し会。

これからお産する人も
もう産まない人も
お産に関わる仕事の人も
なんだかみんなが
それぞれの立場で
先生からのメッセージを
受け取りました。

そして今日は
「帝王切開を語る会」

実はね、企画した
私自身が
そんなに気合いを
いれていなくて
2~3人集まれば
十分かなと思っていました。

ですが、10人のかたに
集まっていただけて、

後でほかの方を
誘ってくださって
いた方が

実はあの人が
本当に来るなんて
思っていなかった、と
教えてくれたり

実際に参加した人も
帝王切開になったことを
今まで特別、後悔していた
わけでないし

なんとなく
来てみた、という方が
多かったのですが

3人のお子さんを
帝王切開で産んだママさんが
今までは特別それを
ひけめに感じたり
困ったことも
なかったから
お話し会に参加するつもりも
まったくなかったのに

矢島先生のお話をきいて
「動物になりきれず
人工的なお産をした
自分はどうなのか?」と
モヤモヤしたものを
感じたそうでず。

それで急きょ
今日のお話し会に
参加することを
決めてくれたとの
ことでした。

ある参加者さんが
「おなかの傷は
母親としての
勲章のようなもの」という
言葉にとても
救われたとのことで

悩みや不安の
答えを
専門家がすぐに
返してあげるのでなくて

同じ経験をした者同士が
問題をシェアして
想いを吐き出して
癒しあう、

その空間でしか
醸し出せないような
‘化学反応’を
みせていただくことが
できました。

本当に今回、
あんまり深く考えて
企画したわけでなくて

あとから参加者さんに
矢島先生のお話をきいて
モヤモヤする人が
出てくるだろうということを
想定して企画したのですか?と
聞かれたのですが

いいや、まったく。

もうね、途中から
鳥肌が立つような
「今日やるべきだったんだ」という
気づきがいっぱい
ありました。

矢島先生のお話しだけで
終わりじゃなくて
帝王切開の
お話し会もやって

それで完結する
ドラマをみているような
3日間でした。

私の意見としては
帝王切開だから
楽で絶対に安全という
ことはなくて

色んな「死」を
みてきた私にとって

母子ともに
無事でいてくれることが
本当に有難いのです。

麻酔の影響とはいえ
後で記憶がないとか

死んでしまうのでないかと
思うくらいの危機的な
状況から生還したとか

十分、自分のなかの
自然治癒力を発揮したからこそ
今ここで生きている
ことができています。

ふつうに下から
産んでいたら
こんなに悩むことも
悲しむことも
なかったという人も

頭では
無事に命が助かったから
文句をいったり
してはいけないとは思いつつ

でも、簡単には
解決できないような
心の奥底にためた
怒りや悲しみが
沸き起こってくるというのは

ある意味、
陣痛のように
産みの苦しみと
向き合うような
素の感情を
味わっているのかもしれません。

ある参加者さんの質問で
自分の子どもに
帝王切開で生まれてきたことを
どう伝えていけば
いいのか、分からないと
おっしゃっている方がいました。

それに対して
ほかの参加者さんから
いただいたお答えを
紹介します

・保育園で性について
学んできたときに
ママのおまたの
小さな穴から
どうやったら
大きな赤ちゃんが生まれて
くるのか
どうしても理解が
できなかった息子さん。

生まれてくる途中で
苦しくなって
命を守るために
お腹を切って
生まれてきたのだよ、と
話したら

自分の命を守ってくれた
証がおなかの傷だと
理解できたようで

逆に目に見える形で
理解しやすかったようだ。

・親は下から
産んであげたかったと
思うけど

子どもは無事に
生まれてこれたら
どちらでもいいみたい。

・男の子はどうも
身体に傷があるのを
格好いいと思うらしく

逆に「ママ、3回も手術したの?
すごいね~!」と褒められる
(女の子は「痛そうね。
かわいそうね」という子が多い)

・自分が生まれたところが
目に見えるので
分かりやすい

・帝王切開はママだけじゃなくて
産道を通ってこなくて
突然、外界にでる分
赤ちゃんも呼吸を
安定させたり命がけ。

あなたも頑張ったのよ、と
伝えたい。

・私自身が帝王切開で生まれて
小さいころは逆に
それがうれしかったこともある。

おなかの傷は頑張って産んだ
勲章だと思っている。

・どんなお産も
産む前は不安で緊張すると
いうことを伝えたくて
手術の前の自分の
不安で緊張している
様子をビデオに残した。

・小さなころから
命のはなしを
親子でできるのは
素晴らしいこと

こういった少数派の女性達の
声なき声を
上手く吸い上げていけるよう
これからも精進していきます。