氣が利く人とは‘五感’を満たすことができる人。 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。


もりのこ針灸院では
「東洋医学」の考えを
ベースに治療をしています。

東洋医学は
「氣」の医学。

西洋医学しか学ばない
医療者のなかには
いまだに目に見えないことは
胡散臭い、
信じない、
認めないとか
言う人もめづらしく
ないですが

日本語には昔から
氣を表現する言葉が
たくさんあります。

「気持ち」
「やる気」
「元気」
「病気」
「気配り」
「気配」
「雰囲気」
「本気」
「殺気」

健康状態や精神状態、
人間関係やその場の空気感を
表現するときに
「氣」という表現を
使っています。

先日のファシリテーター講座の
ときも「講座や会議などを
はじめるとき
まずは‘場の空気’を整える」という
話がありました。

講師の青木将幸さん
講座の前に
徹底した掃除をして
準備をされるそうです。

講座を受ける人が
始めて会った人同士でも
心をひとつにして
何かの答えや方向性を
見つけ出す…。

まるでその場にいる
神様が見守って
希望の光に
導いてくださるように。

その講座でも
話題になっていたのですが

例えば助産師さんが
ケアをするときに
サービスのやりすぎは
よくないけど

温度(暑い、寒い)
におい
明るさ
空気
触り方(触れ方)

※食事を作る人は味

など言葉にならないような
五感で感じられる
「気持ちよさ」を
満たしてあげることが
「気を利かす」ことです。

五感は自律神経に
影響を与えています。

よく助産師さんは
「リラックスして
お産をしてほしい」と言いますが

別に何回も訪室できなくても
気の利いた声かけが
できなくても

それ以外の方法で
産婦さんがすごす
部屋や人間関係の
「氣」を整えることで

五感でリラックスできる
方法はたくさんあります。

リラックスできるように、と
アロマを取り入れてみたり
整体を習ってみたりしても

例えば、廊下を歩くときに
せかせかと足音を
立てていたり、
ドアをノックする音、
赤ちゃんの抱き方など

「雑」っぽく感じるような
しぐさや言動も
相手にとっては
不快です。

私も自分のお産のときに
経験があるのですが
すごくすごく寒い
冬の夜で
暖房の温度をあげても
あげても寒くて寒くて
仕方なくて

せめて足湯をするとか
大きな湯たんぽが欲しいと
思いました。

担当だった助産師さんに
「寒いからなんとか
してほしい」と
伝えたら

出てきたのは
小さいホットタオルが一本…( ;∀;)
(それもビニール袋にも
包んでいないので
すぐに冷めました)

助産院で働いている
助産師さんだからといって

自分が暑がりであれば
寒がりやさんの産婦さんの
気持ちは分かりにくいし、

自分にピッタリのケアを
いつも完璧にしてくれるとも
限りません。、

助産師さん自身は
そのときにできる限りの
最善のことを
したのでしょうが

特にこの‘五感’に
関して
「こうしてあげたら
気持ちいいだろうな」と
相手の感覚にできる限り
近づいて想像力を
働かせることができないと
「気が回らない」と
残念な気持ちになります。

私もそんなに
気配りのできるほうでは
ないですけど

でも、残念ながら
今の20~30代前半の
「ゆとり世代」などは
全体の動きをみながら
先回りして
相手の望んでいることを
するような

「気が利く」人が
減ってきました。

助産師さんでも
すっごいがり勉してきて
頭はいいのだけど

まずは動いてみよう、
失敗してもいいから
何回も繰り返して
身体で覚えようとする人が
減ってきました。

指示待ち人間で
言われたことは
その通りにするけど
自分で工夫してみたり
調べてみたりせず
視野も狭い。

助産師さんではないですが
「ちょっとそこらへん
掃除しといて」と
頼んだら

「ちょっとそこらへん」の
意味が分からなくて
「何メートルかける
何センチ、何分くらい
どんな掃除道具を使えばいいのか
教えてほしい」といった
東大卒のお嬢さんがいたそうな。

小さいころから
受験勉強ばっかりで
家のお手伝いも
あんまりしないで

アルバイトも
家庭教師とか
社会でもまれる
経験をしてこなかったん
だろうなぁ…。

逆に小さな産婦人科で
働いていたときに
高校卒で田舎から出てきて
病院に住み込みで
働きながら
看護学校に通っていた

右も左も何にも
分からないけど
でも、とにかく必死で
働こうとするような子のほうが

ずっとずっと
役に立ちました。

いっぱい失敗して
今度はこうしてみよう、
もっと相手に喜んでもらうために
こうやってみよう、と
手厚く育ててくれるような
面倒見のいい会社ならいいけど、

今の時代、
会社のほうも
大学院まで卒業してきた
30歳近い大の大人なのに
そんな面倒くさい人を
雇うような余裕もなく

「気配り」を教えられるのは
やっぱり家庭環境だな、と
思います。

個々に生まれ持った
性格もありますから

ネコをどれだけ
立派に躾ても
犬にはなれないように

「気が利かない」から
といって
無理やり躾ようと
してもダメなのですが、

「もし自分がその立場だったら
どうしてほしいと思う?」

と、気づいて
考えさせて
あげるところからかな、と
思います。