「前者・後者」を理解して、違う役割を押し付けない。 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

先回記事では
我が家の「前者・後者論」
紹介しましたが

佐世保在住の医師の
まきちゃん先生
前者・後者を理解できると
もっと生きやすい
世の中になると
教えてくれています。

実はつい先週に
まきちゃん先生が岐阜に
来てくれて
一日、一緒にいて
いろんな話を
聴かせてくださったのですが

医師や看護師、助産師などは
仕事の性質が「前者」的。

自分の感情より
患者さんの感情優先。

予期せぬ出来事は
たくさん起きるけど
いかに最悪の状況を回避して
最善の方法で
切り抜けていけばいいか
考えて、動く
トレーニングをしています。

例えば、もし目の前の
お産で赤ちゃんの命が
危ないとなったとき

帝王切開になったとき
そのままお産になったとき

小児科がいるとき
そうでないときと

いろんな状況を同時に
想定して
物をそろえ
人を手配します。

どんな後者でも
前者っぽくなっていくそうです。
(もちろん例外はありますよ)

実は今回、この話を
したいと思った
一番の理由は

我が家には「後者」の
小学校5年生の長男と

「前者」の小学校3年生の
次男がいます。




「もうそんな小さなころから
前者か後者なんて
分かるんですか?!」と
聞かれたのですが

我が家の場合、
あまりにも性格が違いすぎて
本当に分かりやすい。

「後者」の兄は
2歳くらいからこだわりが
強く、好きなことには
寝食トイレ
おしまず熱中します。

びっくりするくらい
おっちょこちょいで

ひとつのことが目に入ると
パンツはくのも
忘れるくらい(>_<)

もちろん空気も読めないし
人の気持ちを察して
動くのも苦手。
(だけど動物とは
会話ができる、不思議くん)

一方で次男は
気配り、先回りの天才。

3歳までいた保育園が
ほとんど縦割りのような
少人数の保育園で

年上の子たちは
よく下の子の面倒をみるのが
当たり前の保育園で

先生たちが上手く
次男の「前者気質」を
引き出してくれました。

(ちなみに長男も
通っていましたけど

長男の天才オタク気質を
培ってくださったのも
ここの保育園のおかげ)

教えてないのに
小さい子の面倒だけでなくて
じいちゃんやばあちゃんの
相手するのも上手くて
兄貴肌。

私も旦那も実家の母も
頼みごとするなら次男、と
決めています(-_-メ)

例えば、鼻水が多いから
いつもより多めに
「前者」次男に
ティッシュをもたせました。

すると、何にも言ってないのに
汚れたティッシュを
いれるための
ごみ袋を自分で用意
していました。

たぶん、「後者」長男は
せっかく準備した
かばんごと忘れていきます(>_<)

子どもならこういう
言動は誰しもあって
当然と通り過ぎるか、

日頃の小さなサインを
読み取って
子どもの適性を見つけるのは
親の感性を磨くことが
大切です。

やっぱり日本人に
多いのが

後者なのに
前者のように
生きることを求められて
しまうケース。

確かに前者みたいに
てきぱき、さっさと
段取り良く
仕事も家事もできたら
助かる人は
たくさんいます。

両親、祖父母ともに
「前者」だったりすると
相当、苦しいでしょうね。

子どもが好きで
保育士さんになった
「後者」なんかは
子どもと遊ぶのは
苦にならないのだけど

仕事の段取りを
覚えたり

一年の流れを想定して
計画してクラス運営を
すすめたり

保護者さんに
連絡帳を書いたりするのが
絶対に苦手だと思うので

上司や親からの
評判は悪いだろうなぁ。

また「奥さんが前者で
旦那が後者」の場合、
役割を相当自覚できていないと

やっぱり従来の
ジェンダー論に押しはめて
上手くいかなくなってしまう。

あとね、学校の先生とか
田舎の公務員とか
何年も仕事の空気や
責任感が変わらないような
職場に勤めてしまったような

「前者」男性なんかは
「後者」っぽく生きることを
求められてしまって
自分を生かせて
いないことが多いかな。

何か異常事態が起きた時に
一人だったら
もっと適切に
対処できただろうに

組織のルールに
従ったばかりに
実力以下のことしか
できなかったみたいな。

前者だからいい、
後者だから良くないじゃなくて、

それぞれの特性を
理解してあげるだけで
本当に楽に
いいところを伸ばして
生きられるように
なります。

前者は頼られるのは
苦にならないし、

もっと合理的に
もっとみんなにとって
よりよくなるように
いろんな視野で考えたり
アイデアを出すことが

うんちしたり
呼吸したりするくらいの
生理現象のように
普通にできるんです。

でも我が家の
「後者」長男などを
みていると

オタクで、本好き、
クイズや折り紙が好きで

現実的な「前者」の
私や次男と比べると
のめりこむ集中力と
発想が天才的なんです。

「後者」のミラクルには
絶対にかなわないことが
分かっているから

「なんにもしなくていいから
そこで座ってて」と
言うしかない…。

今の教育は
全体的に平均点が
あがるような
指導がよしとされます。

例えば、算数が得意で
国語が苦手なら
国語をもっとできるように
したほうがいい、みたいな。

だけど、「後者」には
徹底して好きで
得意なことに
お金と時間を
費やすようにするんです。

バランス悪くていいんです。

一個突出して
好きなことをさせて
人より抜きんでて
天才的にできるレベルにしたら

また飽きて違うことに
はまるようになるので。

空気読んだり
人様の役に立とうなんて
させなくていい。

そこが「後者」を育てきれない
日本社会の今までの
弱点だったのだと思います。