「なかなか赤ちゃんを授からなくて泣いている患者さんにかけてあげる言葉がない」 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&針灸師の
加藤祐里です。

先日の針灸師向け
マタニティケア勉強会で
いただいた質問。

「何回も不妊治療が
上手くいかなくて
泣いている患者さんに
かけてあげる言葉がない…」

これは
逆子が治らなくて
帝王切開になったとか

母乳だけで
育てたいのに
ミルクもあげなくては
いけないとか

ご本人が希望しない
選択をしなければ
いけないようなときも

信頼して通って
くださっている
患者さんに

なかなか結果を
だしてあげることが
できなくて
自信がなくなりますよね。

ですが、少し
見方を変えてほしいのですが

施術家が心のどこかで
「子どもができないことは
かわいそう」という
価値観があると

子どもができなくて
悩んでいる人は
‘かわいそうな人’になります。

施術家が
「自然分娩が良くて
そうじゃないお産はダメ」と
思っていると
帝王切開になる人は
ダメなお産をすることになります。

施術家が
「母乳だけで
育てられないと良くない」と
思っていれば
そうでないお母さんは
知識や努力や頑張りが
足りない人になります。

それを見ている側の
価値観が
そこに問題を作ります。


子どもを授かることが
普通で、当たり前と
思っていると

そうじゃない
生き方をしている人は
不幸で、残念な人になります。

欲しいものが
手に入らないことが
すべて不幸なことであれば

そういう人をみると
不幸で、かわいそうな人に
なります。

泣いたり
怒ったりすることは
良くないことだと
思っていると

泣いたり、
怒っている人を
なんとかしてあげないと
いけないような気になるし

自分が責められているような
気になって
自分はそのことで
苦しんだことも
悩んだこともないのに

「そうやって苦しんでいる人の
味方になってあげたい」とか

「あなたの悩みを
解決してあげることが
できなくて申訳ない」とか
言ったりします。

子どもが欲しいのに
どんなに苦しい
治療を耐えても
莫大な金額を
払っても

どうしても
授からない人はいます。

とても苦しいし
人生に絶望する人も
いるかもしれない。

でも、世の中には
子どもがいなくても
それに変わるような
生きがいを見出して

自分を輝かして
生きている人も
たくさんいます。

長い不妊治療をして
授かったのに
生まれてきた子供を
虐待する親だって
めづらしくないし

実の子どもだって
自分の期待通りには
育ってくれないし

老後の世話だって
みてくれるとは
限らない。

魂学的には
望んでも
簡単には手に入らないという
くやしさ、絶望、
苦難、困難な体験ほど

魂は成長していて
今世での学びを
経験しているそうです。

実は「こんなはずじゃ…」と
泣いている時こそ
魂が大きく成長しているので

「あなたは自分の
人生のシナリオを選んで
きて良かったね」と
心の中で
祝福してあげれば
いいのです。

ついつい、施術家は
(カウンセラーもそうかな)
自分の腕を褒めてほしい
認めてほしい

すごいと言ってもらって
評判の治療院になりたいと
思ってしまいがちだから

結果がでない患者さんが
いるとワサワサしがちなのですが

患者さんにとって
泣ける場所があるって
とても有難いことなんですよ。

不妊治療を受けている
病院だって
いつもほかの患者さんが
あふれていて

ゆっくり自分の話を
聴いてくれるような
環境ではなかったり

親や旦那にも
心配かけてはいけないと
元気なふりをして

ましてや
不妊治療を受けたことも
ないような友達には
自分の気持ちを
分かってもらうなんて
無理だと思うし

そんなとき
自分の体のことを
よく分かってくれている
いつもの針灸師の先生の前なら

素直な気持ちを
表現することができる…。

患者さんを
泣かせることができる
治療家って、
一発で結果が出せるような
分かりやすい治療家より

ずっと患者さんの
懐深くに入りこめている
関係が築くことが
できていて
素晴らしいんですよ。

どうしても
結果が出なくて
治療にきてもらうのが
苦しくなってしまうような
患者さんがいたら

向きあってみてほしいのが
自分のなかの「価値観」

子どもがいない人に
対して自分が
心の中で感じていること。

もし、子どもが
いなかったら
自分はどう生きただろうか?

前にも書いたけど
もし、手を失った人が
いたときに

治療家は
また手が生やしてあげる
ことはできません。

だけど、残された機能が
最大限に使えるように
苦痛を軽減してあげることで

「こんな自分でも
やっぱり生きててよかった」と
思ってもらうための
応援はできます。

癌になったけど
癌に感謝している
織田さんとか

一見、不幸に見えるけど
どん底を体験したからこそ
本当に自分が味わいたかった
人生の醍醐味に出会えた人は
たくさんいます。

確かに針灸治療を
受けていると
赤ちゃんを授かり
やすくなることは
事実です。

だけど、針灸で
目的としているのは
赤ちゃんができるか
どうかでなくて

「それでも
私は私の人生を
選べて幸せ」と
気づいてもらえることだと
思うのです。

以前「愛の経営」でおなじみの
やさかの社長の
オザリンが言っていました。

「すぐに分かってもらおう、
結果にしようと
思っていると
焦りが出て
余計に上手くいかなくなる。

人によっては
腑に落ちるのが
何年も先になる人もいるし

来世のひともいる。

大事なのは
どんな経験も必ず
無駄なことは
ひとつもない」と。

子どもが授からない人の多くが
前世でたくさん子どもがいて
もう子育ては十分
学んだから

そうじゃない人生や

なかなか子どもに
恵まれなくて
悩み・苦しむ人生を
選んできたという話は
たくさん聞きます。

今世の出来事は

実は来世で
素晴らしいことを
成し遂げるための
宇宙のはからいだと
思ったら、

自分の経験していることは
本当の「社会(宇宙)貢献」なのです。