そうじのおばさんと、足湯と、産後の子宮の収縮痛(後陣痛) | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

岐阜県郡上八幡の
助産師&鍼灸師の
加藤祐里です。

私が助産師として
勤めていた病院の
おそうじのスタッフさんに
名物おばさんがいました。

患者さんも
そのおばさんにまた会うのが
楽しみで入院してくるぐらい。

声掛けが上手いんです。

カウンセリングの資格が
あるわけでもなく
ただの世間話をしているようにしか
みえないのに
顔を覚えてもらって
次の日も来てくれるのが
楽しみと思ってもらえるような
心をつかむ天才でした。

初対面のママさんの
生まれたての赤ちゃんをみて
「鼻の形と目じりが
ママにそっくり?!」と
言ったり
(実際はたぶんそこまで
観てない)

個室に入院すると
他の患者さんと
仲良くなりにくいのですが

気のあいそうなママさんがいると
勝手に繋げてくれていたり
心のツボをつかむのが
とにかく上手い人でした。

2回目、3回目と
出産を重ねた
経産婦さんは
出産も軽くて
生まれた赤ちゃんの子育ても
慣れていると

産科のスタッフも
どうしても訪室の機会が
減ってしまいます。

出産後数日間、
子宮が戻っていくときに
‘後陣痛’といって
収縮する痛みがあります。

経産婦さんほど
出産よりも
後陣痛が痛いという方が
いらっしゃいます。

後陣痛があるのは
医学的には正常なことですが

病院とかだと
後陣痛で眠れないくらい痛いとか
ママさんの訴えがあると
すぐにお医者さんが
痛みどめを出して
様子をみましょう、で
終わりますが

後陣痛も
足湯をすると
随分和らぎます。

特に病院という環境は
空調のシステムや
忙しい雰囲気で

上が熱く
下が冷えやすいという
物理的に
冷えるバランスに
なりやすい場所です。

後陣痛で苦しそうな
経産婦さんのお話を
よくよくお話を聴いていると
自宅にいる
上の子たちが心配とか

パパに頼りたいのに
忙しいから
頼めないとか

実家の親たちが
自分の思うように
やってくれないとか

退院したら
アレしなきゃ、コレしなきゃと
不安からくる
焦りでいっぱいになっていたり

結構、頭の使い過ぎで
頭に気が昇って
お腹や足元に
氣血をおろしにくい状態なので

骨盤のなかの子宮に行くべき
氣血も不足して
痛みを引き起こします。

足湯をして
足元に血液を下して
抱えている不安や焦りの
根本の気持ちを
聴いてあげるだけで

痛みが和らいで
すごく眠たくなったり
おっぱいが急に
張ってきたり
悩んでいたことが
どうでもよくなったりします。

あの掃除のおばさんの
一見、どうでもよさそうな
世間話が
子宮にため込んだ
気持ちを吐き出してもらう
効果があったのだと
今になって気づきます。

エビデンス重視の助産師業界。
ミニドクターみたいな
助産師が増えたなぁと思います。

後陣痛は医学的には正常で
何もしなくても
勝手に治まっていきます。

だけど、正常経過の裏の
本音の気持ちに
寄り添うには

技術でも理論でもなく
目の前の人に喜んでもらいたいという
温かい心です。

冷えとり健康法のことなどを
伝えていると
医療の知識もなんにもない
普通の人たちの方が
情報をキャッチするのも
早いし、行動に移すのも早い。

助産師のほうが
いちいち「これは医学的に
根拠があるのか?
正しいか、正しくないか?」とか
頭で考えようとするから

興味もったら
素直にすっとはじめて
理屈はどうでもいいから
体で感じて
気持ちいいから、
楽しいからやる、
ということが出来ない…。

体が冷えていると
直感力が鈍るし
体の動きも重いし
思考も硬くなるから
新しいことを受け入れて
はじめてみることが
苦手になります。

助産師、冷えている人が
多いなぁと思います。

8月23日に長野県松本市
九州のお医者さんで
冷えとり健康法を自ら実践して
全国で講演会活動をしている
吉村真紀先生の勉強会があります。

時代についていきたい
助産師さん、ぜひ。