「予定日なのに子宮口が硬くて閉じているのはヤバいですか?」 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。

「加藤さん、予定日で
子宮口が硬くて
全然開いていないのって
ヤバいですか?」

助産院でお産の予定の
初産のTさん。

妊娠前から自然出産に憧れていて
妊娠中も針灸院に通うだけでなく
身体も動かして、
やれること全部やってきました。

助産院では妊娠42週以降の
お産は扱ってもらえません。

初産であれば臨月に入れば
赤ちゃんの頭が下がって
子宮口も多少柔らかく
開いてきてくれるといいのですが

まったく何の兆候もなく
予定日を越えると
妊婦健診で「もっと歩け~」と
脅されてきます。

ですが、「陣痛がこなかったら
どうしよう」と不安のイメージを抱くのも
子宮が余計緊張してしまい逆効果です。

予定日を過ぎて
最初の針灸治療では
赤ちゃんの位置を整える施術と
子宮を緩める治療を行いました。

ご本人はお産に対して不安は
ないとおっしゃっていましたが
首~肩周りを触ると
結構、凝っていて
無意識に緊張している様子が
伺えました。

2日後にまた来ていただいた
のですが、顔のむくみがとれて
身体が楽になったのと
おしるしが出てきたとのことでした。

次の妊婦健診までに
大好きな郡上踊りにでかけたり
畑の草むしり、
大掃除して断捨利にはげむ、
薪割りなど
安産にお勧めの運動法など
話している中で

半分冗談のつもりで
石徹白の大杉の階段
登ってきたら?」と
お伝えしました。

そしたらTさん、
もともと大杉の場所が大好きで
「ほんとうに行っていいんですか?」と
すっかりやる気。

でも、よく考えたら携帯の電波の通じない
7キロ手前から山奥の細い道の
一本道で救急車も間に合うかどうか
分からないような‘秘境’です。

でも、言い出した手前
引き下がるわけにもいかず、
「Tさん、私も一緒にいくから
なんかあったらまかしといて」

ということで
次の日に早速、石徹白の大杉に
登ってきました。

Tさんはご主人と朝一番で
出かけられて
下山途中で合流。

「全然、楽勝で登れてしまいました(^v^)」
と余裕の笑顔でした。

私は運動不足でヒィヒィ言いながら
やっとこさだったので
Tさんが妊娠中にせっせと歩いて
体力をつけて十分に準備してきた
成果だとあらためて感じました。

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そして、樹齢1800年の
大杉のそばでしばらく佇みながら

この木がここまでくる間に
たくさんの人間の生き死にがあって
たくさんの女性が同じように
不安を抱えながら命を
迎えてきたけれど

ご先祖様もこの地球を作りだした
神様も私たち子孫に幸せになってほしいと
未来を託してきたのだと思うと

生かされてここにいると
いう感謝の気持ちに
つつまれました。

Tさん以上に
私が不安をかかえていたこと、

何とかしていい結果を出したいと
エゴが強くなっていたこと、

Tさんのお腹の赤ちゃんの
意志を信じてあげていなかったと
反省も含めて

石徹白の大杉に
言葉にならないような
パワーをいただいてきました。

私に石徹白の地で
大切なことを感じて欲しくて
Tさんの赤ちゃんが
こんなシナリオをプレゼント
してくれたように感じました。

そしたら、なんとその夜に
Tさんに自然の陣痛が始まって
初産なのに5時間ほどの
大安産で出産されました。

ちなみに陣痛が始まった時点で
子宮口は3センチくらいで
担当の助産師さんの予測では
もう半日以上かかる
見立てだったそうです。

助産師の予測をも裏切る
進行は鍼灸を継続して受けていた方の
特徴のように思います。


Tさんのケースは妊娠中からの
信頼関係があって
Tさん自身もやれることを
すべてやってきてのケースだったので

他の人にもあてはまるとは
思えませんが、
私にとってまた新しい学びを
得ることができました。

あらためまして
Tさん、ご出産おめでとう
ございます。