郡上もりのこ鍼灸院・院長の
加藤祐里です。
①「鍼って痛くないの?」
テレビでよくみられる鍼は
皮膚の下数ミリ~2センチくらい
針を刺すのが一般的です。
これは「てい鍼」という
刺さない針専用の金属の棒です。
問診や全身の観察、脈診で
適したツボを選んで
皮膚の表面部分に気を集めるように
針をします。
「髪の毛を抜くより痛くない」ですし
「何をやられているのか分からない」と
たいていの人がおしゃいます。
長いこと産婦人科の病院で働いてきたので
採血や注射などで
針をうたれることが怖い人、
痛がりの人はたくさんみてきました。
(余談ですが、鍼灸師の学校に通って
採血が上手くなったんです!)
鍼灸学校でも
「痛くないように刺す」ことは
習ったのですが、
やっぱり究極は「刺さないこと」に
たどりつきました。
痛いところに刺すだけの治療より
ツボの選び方や気のとらえ方も独特なので
すごく難しいのですが、
日本人の体質にあわせた古来の
先人の技術がつまった手法です。
私が所属している
名古屋漢方鍼医会のホームページです
②刺さないで効くの?
東洋医学では人の身体は
「気・血・水」から成り立つと言われています。
気は皮膚の表面を流れていて
人によって皮膚の上数ミリ~数センチくらい
離れたところでツボをとらえます。
日本語にも「気」のついた言葉や
表現がたくさんあるように
病院の検査では異常がなくても
体調の悪い人はたくさんいますし、
気が低下すると
疲れやすくなったり
体も心も病気を招きかねません。
目に見えたり、数値で証明できることしか
認めたくない人にとっては
うさんくさいでしょが、
私は「気」を証明できない
今の科学の考え方の方が
未熟だと思っているので、
科学的なエビデンスで説明することは
あえて避けています。
針で気の足りない部分を補って
滞りを流します。
主訴をその場でとるより
体が自分で治ろうとする力を
引き出すことが目的なので
脈診が良い状態になれば
施術を終わります。
3日~1週間くらいかけて
症状が変化するようです。
より治療の効果が出るように
ご自宅での生活指導などもしています。
③妊婦に針なんてして危険じゃない?
東洋医学は中国4千年の歴史と
密接に関わっています。
国を支配する王様にとって
自分が健康に長生きすることと
同じくらい望んだのが「子孫繁栄」
王様自身も自分の血のつながった
優秀な遺伝子がたくさん残ることを望み、
姫君やその親族たちにとっても
王の寵愛をいつまでも受け続け
権力を維持するために
子宝を授かることは必要でした。
ですから、不妊症をはじめ
胎教やつわり、安産、母乳のケア、若返りなどは
たくさんの文献や症例が残されています。
鍼灸と言ってもいろんな手技があり
一歩間違うと流早産を招くようなケースも
ないわけではありません。
ですが、助産師として培ってきた
観察のポイントや経験をいかして
妊婦さんでも安全な鍼灸を目指しています。