回旋異常を防ぐために | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。


難産の原因にの一つである
回旋異常とは

赤ちゃんが頭を下にして
産道を通ってくるときに

後頭部が先進部になるように
顎を胸のほうに
ピタッとくっつけて
決まった方向にまわりながら
生まれてくるのですが

そのまわり方が
違う方向に回ってしまったり
後頭部が先進せずに
頭頂部や
額を先にして進んできてしまう
状態です。

頭の形は
後頭部が先進したときに
一番小さな頭位で進んでこれるので
それ以外の角度で進入すれば
通りづらいのです。

また、産道の内側は
瓶のふたの溝のように
なっていると言われています。

骨盤はもともと左右の三枚の骨が
組み合わさってできています。

妊娠すると
ホルモンの影響もあって
骨をつないでいる
頑丈な関節も緩みやすくなっていて

お腹の赤ちゃんが大きくなれば
骨盤の関節が緩んで
赤ちゃんが過ごしやすいように
大きくなりますし

お産の時にも
赤ちゃんが通ってこれるように
骨盤が動いています。

経産婦さんなどは
多少の回旋異常があっても
気にせず
ツルツルぽんって生まれてきますが

やはり初産婦さんは
赤ちゃんの背中の位置
後頭部の位置が
しっかり決まった
ポジションにならないと

いくら陣痛が来ていても
いそいでいきませないで
回ってくるのを
待ってゆっくりお産した方が
いいです。

また、まだ子宮口は
そんなに開いていないし
それほど痛がるほどの
陣痛はきていないのに

一歩も動けないほど
痛がる産婦さんがいます。

「おしりが痛い」というので
赤ちゃんがおりてきて
いきみ感が出てきたのかな…と
思うのですが
赤ちゃんはまだまだ
高い位置にいるし

まだまだなのに
体に力を入れてしまって
早く疲れてしまうし

子宮口も緊張して
緩みにくくなってしまうので
なかなか開いてこなくて

結果、微弱陣痛になる…。

そういった場合も
回旋異常が関係していると
思います。

まだ、赤ちゃんの位置が
高いので内診しても
はっきりしたことは
分からないですし、

そこからまた、
適正な位置に回ってくるのを
待っていればいいのですが、

やはり、そうならないように
妊娠中から対策をとった方が
いいですよね?

どうして回旋異常になるか
分かっていません。

ママの身長も高くて
体重管理もばっちりで
赤ちゃんも大きすぎないから

難産になる要因は
ないかな…と思っていても

陣痛が始まってみたら
回旋異常が起きて
時間がかかってしまった、
ということはたくさんあります。

おそらく、何かひとつの
要因で起こるのでなくて

赤ちゃんが自然に
兼ね備えている
生まれてこようとする力と

骨盤や産道がしなやかに
緩むという動きが

お互いに関係しあって
働いた結果でおこると
思われます。


「病家須知」
という
江戸時代に書かれた
日本最古の家庭の医学書があります。

その本には
産婆さんに向けた
分娩介助の方法も詳しく
書かれているのですが

「妊娠中に
お腹の胎児の姿勢を
背骨の方向が
できるだけ垂直になるように
保つように心がけると良い。

普段から母親は
お腹の赤ちゃんの姿勢が
良い位置に保たれるように
お腹を触って気に掛けるべきだし

もし、上手くできないようなら
産婆のもとへ行って
戻してもらうようにするとよい」

とあります。

現代的な産科医学では
逆子(頭が上)や
横位(体が横むきで
腕などが産道を先進してくる)だけが
問題視されますが

「病家須知」では
頭が下でも
たてにまっすぐが
理想の状態と言っています。

よく、右や左に
偏ってお腹の形も
凸凹になっていることは
よくあるのですが

そのままにしておくと
お腹が張ってきたり
腰などが痛くなって
妊婦の痛みの原因に
なってしまったり

難産の原因になるようです。

昔の産婆さんは
お産を取り上げることも
しましたが

お腹の赤ちゃんの姿勢を
整えてやることもできたのですね。

私は学生時代に
「逆子の外回転は助産師は
してはいけない」と
教えられた世代ですから

そういう技術はないのですが

妊娠中に鍼灸をすることで

赤ちゃんが適正な位置で
過ごしやすくできるような
骨盤に整えて

お腹の赤ちゃんの
生命力を高めて
自ら適正な位置になるように
働きかけることができます。