脳の生理機能とお産 | 岐阜県郡上の妊婦さんや母乳育児中のママのための鍼灸院

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数千例を超える出産や母乳育児に立ち会ってきた助産師です。病院の検診だけでは安心して出産が迎えられない妊婦さん、通常の母乳指導に満足できない‘子育てにこだわりたい’ママのためのに身体と心にアプローチする針灸院です。


最近、更新をさぼっていますが
「おっぱいをあげるのやめちゃおうかな」と
思った時に読む ブログにて
脳の生理学から考えた母乳育児
について述べています。

出産についても同様です。

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言語に関する中枢や
理性を司る大脳新皮質は
人間の脳が最も発達しています(人間脳)

犬が尻尾をふったりして
感情がしぐさや行動に無意識に表れるのは
大脳辺縁系と言われる
無意識の動きを司る脳(イヌ脳)

呼吸や心臓の動き、
妊娠や出産にまつわるホルモンを調整しているのは
視床下部などの脳幹(爬虫類脳)が
司っています。

また、出産や子育てなどは
「教えられなくてもできる」という
本能的な行動が大脳辺縁系が司っています。

例えば、赤ちゃんとの添い寝ひとつとっても
やってることは
ただ、同じ布団で寝ているだけなのですが

赤ちゃんは一緒に寝てもらうことで
お世話してもらっている気分になれるし

ママも寝ているのだけど
赤ちゃんの息遣いを感じていて
寝ながらも子育てができているんですね。

人間脳の働きが強すぎれば
下部のイヌ脳・爬虫類脳は
抑制されてしまいます。

おっぱいブログでは
お化粧の濃さを例えにしましたが、

最近個人的に影響が強いな…と
思うのは「仕事」です。

私が助産師になった13年前は
ぎりぎりまで働いている女性って
ほとんどいませんでした。

実家の兄のお嫁さんが
パソコン業務で特に重労働じゃないから
といって34週以降も手伝い程度に
働いていました。

合間に鍼灸もやらせてもらっていたのですが
脈の反応が悪い…。

36週になるとむくみがひどく
血圧も上がってきて
結局、臨月に入院。

その上、予定日を越してしまい、
誘発処置もしたのですが
「常位胎盤早期剥離」という
お産の途中で胎盤がはがれかかって
母子が危険な状態になり
緊急帝王切開になりました。

それを機に
やはり、仕事は34週までに
ひと段落できるように
調整した方がいいと
はっきり言わせていただいています。

自営業の方などは
産休の制度などないでしょうし

自分は血圧も特に異常ないし
病院の先生も
家でゴロゴロしているよりは
少しは動いて
働いていいと言ってくれている、と
おっしゃられる方もみえますが

働くというのは
理性や言語を司る
大脳新皮質への
刺激を増やしてしまうので

それより下位の
本能的な妊娠や
子育てを司る脳の
働きを抑制してしまいます。

特に今はパソコン業務が多いので
目を酷使して
たくさんの情報を一気に
脳で処理しなければならない
刺激はなおさらです。

まだ、日本人のほとんどが
農家だったころは

女性が働くと言えば
野良仕事だったので

頭はあまり使わず
自然環境あふれるなか
足腰も丈夫で
トイレも和式でしたから

安産間違いなしでしたが

小さい頃から
どちらかと言えば
運動不足で

和式のトイレで
しゃがむことすらできないような
骨盤底筋群が
すっかり弱った現代妊婦が

安産になるためには
頭を使いすぎることは
まずやめて

自分の体に
自然に備わっている
子どもを産み育てる力を
引き出す生活を心がけて
いただきたいと思います。