私が一番鍼灸の効果を
自分の身を持って体感したエピソードを
お話します。
私が長男を出産して
ちょうど３か月くらい経った頃、
１週間くらい眠れなくなってしまいました。
私は助産師ですから
子育てで分からないことで悩むこともないし
母乳もよく出ていて
いつもこちらが起こして飲ませている状態でした。
出産前まで毎日、働いていたので
どちらかというと
暇な日々でストレスもないし
ただ、眠れない。
授乳中はプロラクチンという
母乳を出すためのホルモンがでるので
プロラクチンの影響で
赤ちゃんをお世話するために
夜、長く眠らなくても
大丈夫な体に変化すると言われています。
３日位なら
もともと夜勤していましたし、
どうってことないのですが
すごく眠いのに
昼寝をしても眠れない…。
悲しいことも悩むこともないのに
なんだかクヨクヨする。
もし、このまま眠れなかったら
心療内科で薬を飲んで
母乳があげられなくなるかも…。
涙がとまらなくて
赤ちゃんに申し訳ないような気分になる。
ずっと夫が出張だったので
明日、久しぶりに帰ってくるという日の夜
夫が深夜の２時くらいに帰宅したのですが
私は起きて待っていて
泣きながら
「すごくしんどい」と話しました
夫は私の話を聞きながら
いびきをかきながら寝ていましたが。
たまたま家の近所で
鍼灸を開業している方の事を思い出して
急遽、予約をいれていただきました。
先生は
「出産が楽だった人ほど
母乳がよくでるし
産後に動きすぎるから
この時期に急に血虚の症状が出てきます。
血は日中は全身を巡って
身体の臓器、皮膚や髪に栄養を送っているけど
夜は一か所に蓄えられてじっとしています。
血が不足すると安定性がなくなって
眠りが浅くなったり、
クヨクヨ落ち込んだりします。
母乳は血から作られる方
出る人ほど血虚になりやすい。」
私にぴったりあてはまる
全く間違いなしの診断で、
よく効きました！
毎日、寝てばっかりいる息子だったので
私は暇で暇で
編み物や手縫いの息子のスタイづくりにはまって
相当、目を酷使していました。
マタニティブルーは産後のお母さんに
よく起こる症状で
出産による疲れに加わって
初めての子育てで戸惑ったり
新しい環境に慣れるための一過性のストレス反応で
あって当たり前、
助産師としては
よく話を聞いて
疲れたいれば休ませてくらいにしか
対処方法はないと思っていましたが
東洋医学的には
気血のバランスが崩れた状態で
何らかの働きかけが必要だったんだ、
放っておいてはいけなかったんだと
気づくことができました。
最近は「産後うつ」で
育児放棄や虐待も問題になっていますが、
気分が滅入って
子育てが楽しく思えない
赤ちゃんのお世話が辛いと思うのは
ママの性格のせいでなくて
体調が回復できていないからなんです。
心療内科にかからなければ
いけないような状態になる一歩手前で
鍼灸でなんとかしてあげたいママに
いっぱいお会いします。
血は食べたものから作られますから
産後に不適切なダイエットは向きません。
血は髪や皮膚にも栄養を与えます。
痩せても
髪はぼさぼさ、爪はボロボロ
皮膚はしみだらけでがさがさなのは
嫌ですよね？
また、筋肉を極端に披露させるような
運動も向いていません。
気血の巡りを穏やかによくするような
ストレッチなどをお勧めします。
血をもっとも消耗するのは
目です。
産後に携帯でメールをやりすぎたり
パソコンで赤ちゃんの育児の情報を調べすぎたり
夜遅くまで起きていると
血虚になりやすいです。
（目を使った後は
温タオルで温めるといいですよ）
お産後の養生を誤ると
次の妊娠や
将来の更年期に影響がでると言われています。
お大事にお過ごしください