その名も、ウエスト・コーストギター。
これは凄い。
T Bone やCharles BrownのJohnny Moore直系の演奏がバンバン聴ける。
最近仕事でもこの手の演奏をする機会がめっきり減ったので、聴くだけで物凄いストレス解消になる。
しかし、シカゴブルース原理主義も最近危ういそうな。
白人の某キーボーディストによると、大きなブルースフェスでも客の質が非常にお粗末なそうで、演奏家も本物のブルースを演奏する人達が居なくなってきて、悪く言えば白人が黒人の真似をした仮装パーティーみたいになってしまったと言っていた。
ブルースが死んでしまって悲しいとのこと。
しかし、そもそもブルースと言うのは何かと考えると、白人の物ではないのは確かである。
オハイオプレイヤーズやロジャー・トラウトマンのギターをブルースと言わずになんと呼ぶ?と原理主義者に私は聞きたいが、私も大概時代遅れで若くなくなってきた。同族元素でいがみ合うのは疲れてきた。
ここに載っているウエストコーストギターリストも南部出身者がけっこう居たりするのではなかろうか?ゲイトマウスが居ないのは、彼は既に個人名義が多く出回っているからだろう。
カル・グリーンやロイ・ゲインズが入ってないのはジョニー・オーティス関連のコンピだからなのだろうか?
特に聞いていて耳につくのはピート・ギター・ルイスとラフィエット・トーマス。ピーウィー・クレイトンはキャッチーな無茶技で決めてくる。ジミー・ノーランの端正でスムースな演奏も素晴らしい。この人は時代が違えば、素直な弾き方でスムースジャズを演奏していたに違いない。
ピート・ルイスを聞いて思い出すのはメル・ブラウンである。このT Boneのフレーズを使いつつ、本家よりも随分とローダウンなアプローチに思わず聞き入ってしまう。
ラフィエット・トーマスがルイジアナ出身だとは知らなかった。確かにエクセロとかで演奏してそうなグルーヴ感があると言われればそうかもしれない。
またジュニア・パーカーやリトル・ミルトンでお馴染みのティン・パン・アレーの原曲バージョンがここで聞けるのは最高。なるほど、みんながカバーしたくなる名演である。
しかし、アトランティク・ブルースのジョニー・ハートマンと言い、後年のラフィエットと言いアイク・ターナーと言いスモーキー・ジョンソンにマジック・サム、ライトニンと言い、ブルースマンにはストラト・ユーザーが多い。
ジミヘンの様には歪ませない、ストラトユーザーである。ここがポイントなのだ。
テレキャスユーザーはミーハーの癖にその辺を考慮に入れてストラト批判をしているのか?と思われる今日この頃である。