Fame デヴィッド・ボウイ with ジョン・レノン | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20141208JohnLennon

 ◎Fame
 ▼フェイム
 ☆David Bowie with John Lennon
 ★デヴィッド・ボウイwithジョン・レノン
 released in 1975 from the album YOUNG AMERICAN


 毎年12月8日はジョン・レノンの記事を上げています。

 今年は、デヴィッド・ボウイがジョン・レノンと共作共演したこの曲にしました。
 先日、突然思い出し、爾来何度か頭に浮かんできて、時々♪ふぇぇぇ~いむと口ずさんでいます。


 先ずはその曲Fameから。 





 ジョン・レノンとデヴィッド・ボウイ。
 何というか、ミスマッチ感覚のようなものがありませんか。
 僕は中学時代にこの曲のことを知り、そう感じました。

 当時、デヴィッド・ボウイはちょうどLet's Danceと映画『戦場のメリークリスマス』でテレビなどの露出度が高く、ビートルズしか知らなかった僕でも知っていました。
 デヴィッド・ボウイ自体はそれ以前から名前だけ知っていたので、この人がそうなんだ、と頭の中でつながった時期でした。
 当時のボウイ、日本においては人気絶頂期だったかもしれません。

 この曲は中学高校と、ラジオやテレビで聴くことなく過ぎました。

 大学時代、東京に行って、まだこの曲のCDは出ておらず、よほど聴きたかったのか、中古のドーナツ盤を買って聴きました。
 ということを、実は割と最近思い出しました。

 7年前に父が亡くなり、東京の家を片付けていた時、僕が東京に残したものが入った段ボールはこの中に、この曲のドーナツ盤が見つかったのです。
 懐かしいというより、そんなことあったんだ、と驚きました。
 どこで買ったかも覚えていない。
 探したのではなく、たまたま店頭で目に留まったのかもしれない。
 この曲を初めて聴いたのがいつかも思い出せないので、そのドーナツ盤を買った時に違いない。
 自分でも不思議でした。
 なお、今回はこのドーナツ盤の写真をと思いましたが、残念、東京の弟の家に置いたままのようで、見つかりませんでした。


 CDで初めて聴いたのは、1990年、Fame '90というリミックスのCDが出た時です。
 ベスト盤SOUND + VISIONからの「シングルカット」でした。
 それからRYKOで過去のボウイのアルバムが漸くCD化され、そこでこれが収められたアルバムYOUNG AMERICANのアルバムを聴き、さらにEMIに移り、リマスター盤が出て買い直しました。

 Fameについて、Wikipediaから要約します。

 1974年暮れ、ニューヨークにいたデヴィッド・ボウイはジョン・レノンとElectric Ladylandスタジオでセッションを行う。
 どうしてセッションを行うことになったかの経緯は、申し訳ない、分からなかったのですが、でも実はそこが知りたいですよね(笑)。
 ジョンの伝記などを読めば分かるのかな。

 ボウイのバンドを交えたセッションの中で、アルバムに収められたAcross The Universeを先ず録音。
 その時、カルロス・アロマーが弾いたファンキーなギターフレーズを聞いたジョンが突然"Fame!"と叫んだことからそのまま曲に発展、完成。
 ボウイにとって初のビルボード誌No.1ヒットとなった、という曲です。

 偶然から生まれた曲、いかにもロックらしいエピソードですね。
 曲もまさに、作ったというよりひらめいたといった感が強い。
 まあ、歌メロがいいとかそういうのではないかもですが、ロックがファンクに注目していた1970年代らしいノリの1曲。

 しかもそれが1位になるなんて、まさにボウイのアメリカンドリーム。
 しかもボウイは、ファンキーなこの曲の大ヒットにより、「ソウル・トレイン」に白人として初めて出演という栄誉も授かりました。

 作曲者クレジットは、Bowie, Alomar, Lennonとなっています。
 ジョンにとって、自らが参加した曲としては、Whatever Gets You Thru The Night「真夜中を突っ走れ」に続いてビートルズ解散後2曲目のNo.1ヒット。
 作曲者としてはポール・マッカートニーとの共作Lennon-McCartneyでエルトン・ジョンがカヴァーしたLucy In The Sky With Diaondsがあるので3曲目、ということになります。

 Fame、2番の"What you get is no tomorrow"というくだりはいかにもジョンらしい、と最初に聴いた時から思っています。
 展開部の"Is it any wonder ?"という部分もそうですね。

 なお、楽曲のYoung Americanでは、コーダの部分に"I heard the news today, oh boy"と、ビートルズのA Day In The Lifeからの引用が女声コーラスによりと挿入されていて、おもわずニヤリとしてしまいます。


 
 さて後半は、この曲にまつわる話と映像を。

 ジョン・レノンは、1974年の「真夜中を突っ走て!」の大ヒットにより再び注目を浴びるようになりました。
 1975年3月1月に行われた第17回グラミー賞では、年間最優秀レコード賞 Record Of The Yearのプレゼンターとして、ポール・サイモンとともにステージに上がりました。
 Fameはその年の7月にリリースされており、プロモーションの意味合いもあったのかもしれません。
 なお、賞は、オリヴィア・ニュートン・ジョンのI Honestly Love Youが受賞しました。

 その時の映像です。



 ジョンは人前に立つのは久し振りで上がっていたのかな、異様なハイテンションで、時々「おいおい」というジョークを交えながらも終始ご機嫌な様子。

 「ハイ、僕はジョン、昔ポールと仕事していた」とジョンが話すと、「ポール」・サイモンも
「ハイ、僕はポール、昔アーティと仕事をしていた」と切り返します。
 そしてもうひとりがアンディ・ウィリアムス。

 さらに、後半でアート・ガーファンクルが呼ばれステージに上がるところでもジョンはジョーク連発。
 「リンダはいないのか」と言ったり。
 本来はS&Gの2人が久し振りに同じ場所に立ったことが話題になるべきだったのでしょうけれど、ここでのジョンは今風にいえば「空気が読めない」人になっているような。
 でも、それを言う人はいなかったのでしょうね(笑)。

 授賞式では、ジョン、ポール、アーティにデヴィッド・ボウイとヨーコ・オノの5人によるショットも撮影されていますが、先日、Facebookの何かの記事でその写真を見たのが、Fameを思い出して口ずさむきっかけだったんだな、うん、そうだ。

 そして、ジョン・レノンが公式の場で人前に立つのは、この時が最後となったのでした。



 ジョン・レノン。
 毎年この日は特別な思い、新たな思いを抱きます。

 でも、僕は、1年365と1/4日、ジョン・レノンのことを一瞬たりとも考えることがない日はないと断言します。
 ジョンへの思いは、特別ではあるけれど、普通のことでもある。

 今年はこの日を、ごく日常的にさらりと過ごしたい。
 だから、「ジョン・レノン度」が薄めというか、ジョンが「主」ではない曲の話題を上げることにしました。


 2014年12月8日。

 今日も、僕らの上には空だけがあった。


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