Whisky In The Jar シン・リジィ | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20141207ThinLizzy


 ◎Whisky In The Jar
 ▼ウィスキー・イン・ザ・ジャー
 ☆Thin Lizzy
 ★シン・リジィ
 released in 1972
 2014/12/7

 本日はシン・リジィの1曲を。





 ウイスキーの売り上げが伸びているとのこと。

 直近では、ニッカウヰスキー創業者夫婦をモデルにとったNHK朝の連続テレビ小説「マッサン」の影響でニッカのものは売れ行きがいいそうで。
 それ以前にサントリーもハイボールなどで売り上げが回復しつつあり、今は相乗効果なのでしょう。

 僕は、大学時代、スコッチウイスキーの小瓶を集めて飲み比べすることを趣味としていました。
 御徒町駅そばにウイスキーの小瓶を集めた店を見つけ、大学の帰りにそこに寄って買うようになりました。
 小瓶だからすぐになくなり、飲み比べにはよかった。

 ちなみに僕は一浪で6月生まれだから、大学1年の夏にはもうお酒が飲めました。
 これを言うと信じられないかもですが、僕はそれまで、ただの一度もお酒を飲んだことがありませんでした。

 一昨年、東京に行った際にそれらの小瓶を久し振りに眺めて、またウイスキーを飲むのもいいなと思うようになりました。
 それから2年は長いようで短いようで、しかし今世の中にウイスキーの流れが来ているのであれば、その流れに乗ってしまえ、と、昨日久しぶりにウイスキーを買いました。

 今はジョニ赤やカティーサーク、ホワイトホースなどがスーパーで1本千円以下で並んでいるんですね(税込だと超えますが)。
 昨日はバランタイン・ファイネストがあったのでそれにしようかと思いましたが、せっかくだから、ニッカのものを買うことに。

 選んだのが写真のもの。
 ニッカ BLACK RICH BLEND
 この銘柄は知らなかったのですが、値段がバランタインより高いので、これはきっといいものに違いないと。
 今日は仕事でまだ飲んではいないのですが、飲むのが楽しみです。
 最初はやはりロックかな。





 ウイスキーといえば先ず思い出すのはこの曲。
 という方は結構多いのではないでしょうか。

 シン・リジィの曲としてヒットして有名ですが、元々はアイルランドのトラディショナル。
 心地よく酔って揺れるようなリズムにのった小気味よい曲。
 「だんどぅびどぅらららあ」という掛け声や、サビの"Jar"の強烈な巻き舌とその後に余分な母音がくっつくのが、いかにも楽しく酔っている感じ。
 エリック・ベルのリードギターとフィル・ライノットのヴォーカルのかけあいも、パブのマスターと酔客の会話を聞いているようで楽しい。
 ブライアン・ダウニーのドラムスも、時々、茶々を入れるような、引っぱたくような強いシンバルがまたいい。

 どこかユーモアを感じさせる曲であり、そんなシン・リジィの演奏ですね。
 
 でも、フィル・ライノットはいつもそういう人だったのではないだろうか、と思ったり・・・
 ウヰスキーが盛り上がっている最近は、以前にも増して素晴らしく聴こえてきます。





 ところで、「ウイスキー」には英語で2通りの綴りがあります。
 英国とカナダで醸造されると"whisky"
 アイルランドとアメリカで醸造されると"whiskey"
 
 しかし、シン・リジィはアイルランドのバンドなのに"whisky"と綴っています。
 うちにあるシン・リジィやフィル・ライノットのCDを見ると、すべてそうなっています。

 一方で、メタリカのカヴァーはWhiskey In The Jarです。

 ここで考察。

 おそらく、アイルランドのバンドといっても音楽の主なマーケットは英国だから、それに合わせたのではないかと。
 いや、合わせたというよりは、英国のレコード会社が(むりやり)そうさせた。
 或いは、英国のレコード会社の人が綴りが違うことを知らなかった。

 ここに、英国人のアイルランドへの見方や意識のようなものが反映されているのかもしれない。

 ところが、今回貼り付けたシン・リジィのYou-Tube映像を見ると、"whiskey"になっています。
 これは、シン・リジィがアイルランドのバンドであることを強調したい、特に若い人に対して 訴えたいという思いなのかもしれない。
 Wikipediaでもシン・リジィの曲としても"whiskey"と綴られ、"whisky"と綴られることもある、と書かれています。
 元々がアイルランドのトラディショナルだから、"whiskey"が本来なのでしょうね。

 CDで表記を戻さないのは、商品として一度世に出てしまったものだからということなのでしょう。
 
 もしかして、英国とアイルランドにはそういう時代もあった、ということを記念碑的に残しているのかもしれないですが。





 ともあれ、この曲はほんとうに素晴らしい。
 
 映像でひとつ興味深かったのが、本来はベースのフィル・ライノットがギター、テレキャスターを弾いていること。
 ベース抜きのギター2本とドラムス、なかなか味わいがある演奏、いいですね。

 ところで、日本で醸造されたウイスキーはどう綴るのか。
 ニッカもサントリーも、"whisky"。
 そうですよね、スコットランドから醸造技術を学んだのだから。


 今回はおまけで、メタリカのヴァージョンも貼り付けておきます。