Wind Beneath My Wings ベット・ミドラー イーグルス6勝目! | 自然と音楽の森

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20141109BetteMidler

 ◎Wind Beneath My Wings
 ▼愛は翼に乗って
 ☆Bette Midler
 ★ベット・ミドラー
 released in 1988 as the theme from the movie BEACHES
 2014/11/9


 本日の1曲はベット・ミドラーのNo.1ヒット曲。




 わがフィラデルフィア・イーグルス6勝目!

 第9週は敵地でAFC南地区ヒューストン・テキサンズと対戦しました。

 試合結果

 フィラデルフィア・イーグルス 31-21 ヒューストン・テキサンズ

 見事勝利しました!

 イーグルスはこれで、ヒューストンでの試合は、かつて存在したヒューストン・オイラーズを含めて6戦無敗となったそうです。
 寒いところのチームが暖かい都市で闘うと、寒いところのチームの方がアウェイでもむしろ有利になるのではないかと思うのですが、それにしてもそんな記録があったとは。

 ちなみに、NFLはNFCとAFCの2つのカンファレンスから構成され、それぞれのカンファレンスに4地区×4チームの16チームが存在し、各カンファレンスの優勝者がスーパーボウルで闘い、No.1を決めるという仕組みです。
 日本のプロ野球のセリーグとパリーグと図式としては同じです。
 細かいことは省きますが、今回のフィラデルフィア対ヒューストンのように、NFCとAFCのチームは4年に1度しか試合がありません。
 6戦というのは少ないように思われるでしょうが、そういうことです。

 ヒューストンは「化け物」J.J.ワットに代表されるようにディフェンスが強いチームですが、一方でオフェンスは主にクォーターバックに(QB)問題を抱えており、この試合はまさにその通りといった試合になりました。

 イーグルスのオフェンスでは、ワイドレシーバー(WR)ジェレミー・マクリンが6回のキャッチで158ヤード、2タッチダウンを稼き、第9週のNFCのオフェンス選手部門で週間MVPを獲得するほどの大活躍。
 イーグルスはエースレシーバーが今年FAで出ていったのですが、マクリンはそれに代わる存在になってきたようです。

 ランニングバック(RB)のルショーン・マッコイも23回のランで117ヤード、ここ4試合連続ラン80ヤード以上と調子が出てきました。
 RBは16試合で1000ヤード走ると一流と目され、だから1試合で70ヤード走ると仕事を果たしたと言えます。

 ここまではいいのですが・・・

 エースQBニック・フォールズ負傷。
 第1クォーターに相手のラインバッカーのヒットを受けて倒れ、早々に試合を退き、検査の結果左鎖骨骨折全治6週間との診断が出ました。

 これは痛い、本人も痛いだろうけど、ファンも痛い。

 試合は控えQBのマーク・サンチェスがうまくまとめ、ひとまずこの試合に関しては窮地を脱して勝利しました。

 サンチェスは元ニューヨーク・ジェッツのエースQB。
 チームを2年連続AFC決勝に導き、一流選手の仲間入りと思われたのですが、プレイに粗さが目立って伸び悩み、ジェッツが新人QBをドラフトで指名したのと同時に本人の怪我もあってチームを追われました。
 イーグルスも昨年QBが交代しもとエースのヴィックがジェッツに移籍し、トレードのようなかたちでサンチェスはイーグルスにやって来ました。
 
 でも、正直僕は、サンチェスにはあまり期待していませんでした。

 ところが、復活した試合で見事に試合をまとめ、チーム内やマスコミ(そして世間)の評価が一気に高まりました。

 そこまではいい。
 しかし。
 
 先日のNFLのコラムで、僕はある種の衝撃を受けました。

 サンチェスがこのままチームをプレイオフに導くことになれば彼の株が上がる。
 彼は別のチームにエースとして迎えられるということも考えられる一方、彼がイーグルスのエースになる可能性もある。

 一方フォールズ。
 前回も触れましたが、今季はあまり調子がよくなく、2年目のジンクス、昨年のQB成績が1位というのはフロックだった、などと言われ始めていた矢先の怪我。
 このまま控えという可能性もある上に、イーグルスはドラフトで別のQBを取ることも模索し始めたという話、つまりクビ(戦力外)。

 さらには、イーグルスのチーム戦略(スキーム)は、選手個人の能力に頼るよりは、チームとして機能するように考えられており、選手は替えが効くものであるという。
 だからサンチェスでもうまくいったのでしょう。
 
 その上、フォールズはあまり走れないので、チームの戦略には必ずしも合致しておらず、昨年はむしろ未熟だったスキームの枠を出た個人の能力に助けられた部分があった。 
 その人が不調になれば、そういうことになりますね。

 イーグルスのファンとして、チームが強くなるのはもちろん大歓迎。
 
 しかし僕はフォールズ選手のファンでもあるので、彼にとって悪い方に話が進んでしまうようなことになれば悲しい。
 
 今期の不調も、彼ならいつか打破してもう1段も2段も上に行けると信じていたのですが、怪我によりそのチャンスも逸してしまいました。

 かといって、彼が別のチームに移籍して活躍する姿も見たくない。
 イーグルスのファンとして20年、待ちに待ったフランチャイズQBの出現と期待していたのです。

 困った。

 でもまあ、起こってしまったことは仕方ない。
 フォールズが強い意志を持って復活することを願うのみです。
 



 さて、ひとまず勝ったので鷲の曲、ベット・ミドラーのWind Beneath My Wingsを。

 名曲ですね。
 僕のリアルタイムで出てきた歌でも屈指の名曲であり、大好きな曲です。

 なぜ鷲の曲かというと、サビの部分の歌詞に鷲が出てくるからです。

♪ Did you ever know that you're my hero
 Everything I would like to be
  I could fly higher than an eagle
 You are the wind beneath my wings

 あなたという風を翼に受けることができれば、私はきっと鷲よりも高く飛ぶことができる。
 "hero"と"eagle"で韻を踏んでいる形になりますね。

 この曲は、彼女自身が主演した映画『フォーエヴァー・フレンズ』のテーマ曲としてリリースされ、彼女にとって初の、そして唯一のNo.1ヒット曲となりました。
 そうか、The Roseは1位にはなっていなかったんだ。

 そしてこの曲はグラミー賞の「年間最優秀楽曲賞」「年間最優秀レコード賞」を受賞しました。

 1980年代中頃からのベット・ミドラーはコメディエンヌとしての才を発揮し、コメディ映画で人気となっていて、僕も『殺したい女』を劇場で観ました。
 「愉快なおばちゃん」だな、というのが僕の感想。
 ちなみにその映画のテーマ曲はビリー・ジョエルのModern Womanでした。

 しかしこの曲。
 コメディエンヌというイメージとは正反対、シリアスな歌そしてビデオクリップに僕は驚いたものでした。
 『フォーエヴァー・フレンズ』は観ていないので想像ですが、それは映画もコメディ一辺倒ではないのではないかと。

 この曲がヒットしたのは、それまでのコメディエンヌとしてのイメージがあった上で、シリアスなものもしっかりとできる人という評価になったからではないか、と、今にして思います。

 もちろんそれが可能なのは、彼女がほんとうに歌が上手いから。
 
 ビデオクリップは、映画のシーンではないけれど、映画風の落ち着いたモノクロ映像。
 このビデオクリップをよく見ると、彼女の仕草や表情、特にそのチャーミングな笑顔に、真剣になり過ぎてはいけないよというユーモアを感じます。

 歌の内容は、ラヴソングとしてとることはもちろん可能。
 後に映画『タイタニック』で、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットがこの歌詞を映像化したような船首のシーンが話題になりましたが、まあそういうイメージ。
 
 でも僕は、娘の父に対する感謝の念が主題だと思います。
 この場合、逆で、息子が母への感謝の思いを歌うと、だいぶ違ったイメージになるのではないかと。

 まあでも歌は基本的には聴いた人が解釈するものだから、ラヴソングでもいいのでしょうね。

 ビデオクリップを観ると、しかし、最後に友だちが死んでしまうことが暗示されているようにも感じます。
 "Hero"となっているのは歌詞としての言葉の問題で男性になっているだけで、女性なのかもしれない。
 つまり、友だちに感謝する曲。
 そう考えると、映画の邦題『フォーエヴァー・フレンズ』というのは納得できます。
 英語の原題は"BEACHES"ですが、映画の邦題は内容に合わせてつけられるものでしょうから。

 この曲はもうほんとうに歌メロがあまりにも素晴らしく、今まで何度もこれを聴いて涙が出たことがあります。
 惚れ込んでいる、大切な宝物のような歌です。


 特に好きな部分がふたつあります。

 ひとつ、3'01"から3'07"にかけて
♪ You're everything everything I wish I could be
 この部分は歌の中で3回目ですが、ここでヴォーカルにフェイクを入れ、要は崩して歌っている。
 それが素晴らしい。
 特に"I wish I could be"の部分の歌い方は涙を誘います。

 もうひとつがいちばん最後。
 "Thank you, thank you"と繰り返すところ。
 この曲はコーダの部分が長く余韻を持たせていますが、最後の最後で「ありがとう」と言うなんて。
 しかもその歌い方、優しく包まれるよう。
 僕も二十歳の頃は「ありがとう」と素直には言えない人間だった。
 今だってそうかもしれないけれど、でも、この曲を聴くと「ありがとう」と素直に言えることの大切さを思い知らされます。

 ありがとう、ベット・ミドラーさん、こんないい歌を歌ってくれて。

 いや実は、今も記事を書くのに聴きながら、涙腺危なかったのです、はい。
 恥ずかしいのでもうこの歌の話はやめ。



 さて、イーグルス。

 この記事が遅れたのは、ひとつはウィングスの記事を発売直後に上げたかったから。
 あ、ウィングスの後にこの曲というのはほんとうにまったくの偶然で、書いていて気づきました。

 もうひとつはやはりフォールズの問題が引っかかってしまって、どうも気持ちが前に進まなかった。

 そうこうしているうちにもう夜が明けると新しい週の試合が始まる。

 ひとまずイーグルス勝って、次の鷲の曲を上げられるといいなあ。
 記事は少し遅れるかもしれないですが。

 と思って日程を見ると、運がいいことに次のイーグルスの試合は、マンデーナイトでホームのカロライナ・パンサーズ戦。
 つまり、元々1日余裕があるんだ、よかった(笑)。

 Fly Eagles Fly !