Big Bang Baby ストーン・テンプル・パイロッツ | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20141101StoneTemplePilots

 ◎Big Bang Baby
 ▼ビッグ・バン・ベイビー
 ☆Stone Temple Pilots
 ★ストーン・テンプル・パイロッツ
 released in 1996 from the album TINY MUSIC...SONGS FROM THE VATICAN GIFT SHOP

 今日の1曲は、ストーン・テンプル・パイロッツ。
 Big Bang Baby
 3枚目のアルバム「バチカン」からの1stシングル



 僕が今まででいちばん笑ったビデオクリップです。
 「笑う洋楽展」では(まだ)取り上げられていないけれど。

 ただ、笑いのツボは人により違うので、「なんだこれ、ツマランッ」と思う人もいらっしゃることでしょう。
 それはそれで構いません。

 ひとことでいえばこれ、ナンセンスな面白さ。
 チープ、安っぽい、そこを突き詰めたクリップでもありますね。
 あまりにも安っぽくて情けなくなってしまうかもしれない・・・

 今回は箇条書きで僕の「笑いのツボ」を挙げてゆきます。

◎0'04"
 いきなり写るVoのスコット・ウィーランド、蒼白な顔と生気のない目つき、どう見てもジャンキー・・・
 これは笑うところじゃないか・・・
 ウィーランドは実際に何度もリハビリ施設入退院と脱出を繰り返し、STPやヴェルヴェット・リヴォルヴァーをクビになってきていますが、元気に生きており、最近はお子さんのために時間を割いているのだそうです、念のため。
 そして、このクリップの身のこなしが柔らかくスムーズでかっこいい。

◎0'19"
 スコットの投げキッスが絵になって飛んでくる!

◎0'21"
 ドラムスのエリック・クレッツ、こんな落語家いなかったか??
 実際に彼はひょうひょうとした人だそうで。


◎0'29"
 正体不明の緑色のギターを弾くディーン・ディレオ。
 しゃきっとした人というイメージだったけど、意外にも猫背で、くねくねした動きをするんだ。
 おまけに着ている服が薔薇の柄。
 でも、0'39"、サビ入口にシンコペーションで入るカウンターのギター、「ジャーンッ」てやつをアップストロークで弾くのがカッコいい。
 強く弾くのであれば(下手な)僕ならダウンストロークで弾くんだけど、でもシンコペーションだからリズムのタイミングの関係でアップなのか、そうだとすればもっともだけど。

◎0'47"
 ベースのロバート・ディレオ、この部分は弦を1本ではなく、ピックなしでギターのコードを弾くように弦をかき鳴らしている。
 笑うというよりはカッコいい。
 ベースがペイズリー柄、レッド・ツェッペリンのファンなのでしょう。

◎0'57"
 渦巻きの絵くらいではもう笑えない・・・

◎1'10"
 クリップではなく録音の問題で、2番のヴァースでスコットの歌メロの取り方が怪しく微妙に外れている気が。
 意図的なのであれば逆に音感がいいともいえるかも。


◎1'21"
 ゴリラの被り物の男女が腰をくねらせて踊る。

◎1'28" 
 ベースのロバートは、ギターのディーンの実弟。
 上から撮ると、頭の「剃り込み」が強烈すぎる。
 そのせいで余計老けて見え、僕は当初、ギターのディーンの方が弟だと思っていたくらい。
 しかも白と黒のエナメル靴に灰色の「ズボン」がおっさん臭ぁ。
 調べてみると、この頃はちょうど30歳なのでした。
 そしてこの頭は、先頃引退したチェコ出身力士の隆の山に似ているような・・・
 
◎1'42"
 背景がキラキラ星になるのは、ちょっと、かなり、可笑しい。

◎2'13"
 ゴリラがお互いに相手の頭でビール瓶を割る、新しい遊びか?

◎2'39"
 ハートの型抜きに4人の顔。
 当時初めて観た時、笑うのを忘れ唖然としましたね。
 2回目に爆笑、3回目以降は失笑といったところ。
 今回久しぶりに観て、やっぱり爆笑しました。
 こんなブロマイド、浅草のマルベル堂にあっても誰も買わないだろうなあ・・・僕は買いたい(笑)。

 そしてここ、左下にいるギターのディーン、よく見ると、若い頃のフレディ・マーキュリーに似ているではないか!
 これは笑うというより、当時なんだか妙に感動しました。

◎2'50"
 スコットがお金をばらまく。
 大スターになるとやってみたくなるものなのか。
 そういえばデンヴァー・ブロンコスのワイドレシーバーのウェス・ウェルカーが、今年のケンタッキーダービーで大当たりして、帰りに周りの人にお金をばらまいて騒動になったそうな。

◎3'07"
 最後の盛り上がりでいきなりドラムスの後ろから派手なパイロ。
 エリック、燃えなかったのか・・・
 これも初めて観て唖然、思い出し笑いで大爆笑。
 パイロというよりただの花火かもしれない。

◎3'08"
 下から見上げのショットで天井の照明が見える。
 それまでの「安っぽいファンタジー」が一瞬にして現実に引き戻される。
 パイロの煙が上がってゆくのがリアルで面白い。
 こういうファンタジーもあるんだって、逆に感心する。


 低予算ビデオクリップといえばヴァン・ヘイレンJumpが有名ですが、これもそれに匹敵するくらいお金をかけてなそう。
 いちばんお金がかかっているのは、スコットがばらまく紙幣じゃないか(笑)。

 肝心の曲ですが、うん、やっぱり大好きで、今は頻繁に口ずさんで、この画像もよく観て聴いています。
 いかにもロック、まさにロック、ひとことでいうとそういう曲であり歌でしょうね。
 よく聴くと、シンプルなようで曲が凝っている。
 例えば、ヴァースの前にさらに前奏的な8小節がついていて、途中でさらに展開し、4つの部分から曲が成り立っているし。

 なんであれ、ストーン・テンプル・パイロッツは1990年代に出てきたバンドでいちばん好きで、この3枚目、4枚目までは熱中して聴いていました。
 再結成してそれなりのアルバムを作ったけど、結局はスコットがまた解雇され、今は元(じゃないかもしれない)リンキン・パークのチェスター・ベニントンが新たに歌っています。
 新生STPは今年何かのフェスティバルで来日公演を行い、EPも出しましたが、やっぱりスコットがよかった・・・
 スコットとディーンの折り合いが悪い、というのが弟の情報です。
 
 そのスコットはヴェルヴェット・リヴォルヴァーも解雇され、それなりにいいソロ作を出しましたが、宙に浮いている状態。

 レジェンドとまではいかないけれど、まだ4人とも生きているし、やっぱりもう一度オリジナルの4人でSTPをやってほしい。
 そしてその4人で来日公演を、と切に願っています。