![20141017Blondie](https://stat.ameba.jp/user_images/20141027/04/guitarbird9091/72/0a/j/t02200147_0360024013110480887.jpg?caw=800)
◎Rapture
▼ラプチャー
☆Blondie
★ブロンディ
released in 1980 from the album AUTOAMERICAN
2014/10/27
今日はブロンディのNo.1ヒット曲。
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フィラデルフィア・イーグルス、今週は敵地でアリゾナ・カーディナルスとの「鳥対決」に臨みました。
アリゾナは強豪ひしめくNFC西地区で1敗、昨年からの好調を持続しており、同じく1敗のイーグルスとの「1敗対決」としても注目を集めていました。
結果
フィラデルフィア・イーグルス 20-24 アリゾナ・カーディナルス
イーグルス、試合中何度かリードするものの、最終的に逆転TDパスを食らって敗戦しました。
結果については、正直、今週は負けを覚悟していたので、決して負け惜しみではない、まあ仕方ないかなと冷静に受け止めています。
しかも、相手を24点に抑え、守備がある程度めどが立ってきたのは収穫といえます。
一方で、QBニック・フォールズはこの試合もインターセプトを2つ喫し、やはり2年目のジンクス、伸び悩み、そして相手の分析に遭ってしまっているようで、そこが気がかり。
先週の休みでも立て直せなかったようで。
イーグルスはこれで5勝2敗。
同地区ライヴァルのダラス・カウボーイズはマンデーナイトの試合のため今週は試合はまだですが、現時点で6勝1敗、負けてもイーグルスより上に立つことがこれで決まりました。
イーグルス、今年はどうかな・・・だんだん弱気になってきました・・・
もうひとつ、今度のスーパーボウルはアリゾナの本拠地で行われますが、スーパーボウル史上、本拠地で行われた試合にそのチームが出たことがいまだかつてなく、アリゾナが初のチームになるか、実は密かに注目しています。
イーグルスが負けてうれしい、とはもちろん言わないですが、負けた相手が他ではなくてよかった、と。
カーディナルスは鳥のチームでもありますから。
フィラデルフィア・イーグルス、来週は敵地でのヒューストン・テキサンズとの試合。
ヒューストンは今日まで4勝4敗、数字の通り強くも弱くもない状態で、潜在能力はあるとしても、イーグルスとしては落とせない試合になります。
Fly, Eagles Fly !
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イーグルスが負けたので、今日は鷲の曲ではない話題。
ブロンディのRaptureです。
何の脈略もありません。
ただ、先日、いつも観ている過去のビデオクリップを流す番組の「ディスコヒッツ特集」でこの曲が流れたものです。
ビデオクリップは、過去に何度か観たことがあり、どんなビデオというのは覚えていましたが、じっくり観るとこれがなんというか、面白おかしい。
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曲について。
1980年に発表された彼女たち5枚目のアルバムAUTOAMERICANから、2枚目のシングルカット。
1981年にビルボード誌でNo.1に輝いています。
同アルバムから最初のシングルカット曲The Tide Is HighもNo.1に輝いており、これで2曲連続。
さらに遡って1980年には、映画のサントラからCall MeをNo.1に送り込んでおり、最盛期の1曲といえるでしょう。
彼女たちの最後のNo.1ヒット曲でもあります。
ディスコヒットというだけあり、印象的なベースラインを強調した、どこか怪しくてメランコリックな響きの曲。
僕はこのベースラインが印象的な曲というのには弱いのです。
ディスコ云々と、ロックの文脈の中ではよく語られますが、僕はディスコだからといって受け付けないということもないし、逆に特別視することもなく、ただ単にいい曲であれば反応します。
この曲は自然と気持ちが揺さぶられ、体が動きます。
曲の後半にはラップが取り入れられています。
当時アメリカ、というよりニューヨークで流行り始めていたのでしょうね、斬新な試みです。
僕はこの曲はぎりぎりリアルタイムではないのですが、ラジオのヒットチャート番組などで洋楽に親しんでいた当時の人は、この曲にはなにがしかのショックを受けたのでは、と想像します。
音楽としての「ラップ」という言葉も、まだほとんど知られていなかったのではないかと。
というのも、僕がラップなる音楽が流行っていることを知ったのは、その6年後、かのランD.M.C.withスティーヴン・タイラー&ジョー・ペリーのWalk This Wayだったくらいで、ラップなどという音楽は知らないに等しかったから。
デボラ・ハリーのラップは今の本物のラッパーからみると甘いものでしょうけど、この音楽形態の中で彼女らしく聴かせており、思わず引き込まれてしまいます。
先見の明というべきか、ブロンディのフットワークの軽さがいい方に出ている曲。
The Tide Is Highもレゲェというかカリプソだから、周りの音楽に敏感だったのでしょう。
でも、実はもしかして意外と、"Rapture"で"Rap"という単純な発想なのかもしれない・・・
いや逆で、ラップをやりたくて曲を作ったところ"Rapture"という言葉が浮かんだ。
ちなみに"Rapture"は「有頂天、大喜び」という意味。
おまけにこの曲はブラスがいい。
ソウル好きの僕が反応する要素が幾つもあります。
前半が歌、後半がラップと割り切っていますが、その前半の歌メロ、なぜか中国風の旋律。
いや、ほんとうの中国風ではなく、洋楽の中での中国のイメージ。
そういえばブロンディは最初のNo.1ヒットであるHeart Of Glassも、なんとなく中国風の響きで、特に間奏のキーボードの旋律にそれを強く感じます。
なぜブロンディは中国風?
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今回はビデオクリップを観ながら話します。
ニューヨークのダウンタウンと思われる街角。
シルクハットに上下白のスーツ、変わったサングラスにステッキを持った黒人男性が、陽気に踊りながら徘徊している。
よく見るとサングラスの向こうで「目」が赤く光っている。
この男はおそらく、"Groove Thing"=快楽を求めて夜を徘徊する火星人。
ラップの部分の歌詞に"man from Mars"というくだりがあります。
彼はアパートの半地下室の窓の中にグルーヴィーなものを見つけた。
部屋の中では、全身黒のいでたちに黒いショールをまとったデボラ・ハリーが、妖艶な仕草を見せながら歌っている。
彼女はセックスシンボル的な存在でもあったそうで。
これって覗きじゃないのか!? なんて、ここはひとつ無視して、この辺りまでは、おかしいというより怪しい雰囲気。
デボラ・ハリーとバンドは地下室で練習をしていて、今は休憩、酒のグラス片手にたたずんでいる。
彼女は、バンドのメンバーの間を、ひとりずつ誘惑するように歩んでゆく。
2番になると、白いお揃いの衣装を来た黒人女性が踊りに加わる。
教会の関係かな、尼さんとか、聖歌隊とか、よく分からないのが申し訳ないけれど。
メンバーの男性がデボラ・ハリーと一緒に踊るシーンが面白い、というか、可笑しい。
1人目はデボラと背中合わせでリズムに乗るだけ、表情が硬く、最後はデボラに肩で突き放される。
2人目は普通に踊っているだけで、なんとなく通り過ぎてしまう。
3人目、この人は体が硬そう、しかも両手で「ガチョーン」の仕草がちょっと情けない。
4人目はデボラの方から手を差し出し、顔を並べてとろんとした目線、きっとこの人が本命でしょ。
5人目はすごく真面目でダンスなんてものはしたことがなく、デボラがダンスを教えている。
僕としてはこのシーンだけでも可笑しい。
1分50秒くらいから、レコード盤が写り、ニットキャップにジャケットといういでたちの黒人男性が現れ、その隣のデボラがラップを始める。
今からみるとラップのファッションであると分かりますが、映像としてもラップをフィーチャーしていたのは、あらためて斬新だと思います。
ここからは当時のファッション、世相をスタジオ内で再現したシーン。
2'35"のところでインディアンの格好の男性が写るのは、ヴィレッジ・ピープルのイメージかな。
3分過ぎから火星人とデボラが一緒に踊る。
火星人が庶民の楽しいことを探すというコンセプトは、デヴィッド・ボウイの「ジギー・スターダスト」からの流用かな。
なぜかヤギを散歩させる女性がいたりと、ほんとうかどうか分からないけれど、それも込みでブロンディの「雑食性」がよく出ている、イメージビデオとしてはいいと思います。
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しかし、今観ると、やっぱりどこか可笑しい。
笑いを誘おうとしたわけではないのは分かるし、関係者が真面目に取り組んだらしいことが感じ取れるだけ、余計に。
なぜこんなにも可笑しいのだろうと思っていたところ、昨日の「笑う洋楽展」で分かりました。
オリヴィア・ニュートン・ジョンのPhysicalの話題で、オリヴィアがアメリカンフットボールの格好をした男性に囲まれる映像で、今観るとかなり可笑しい。
みうらじゅん氏が「そういう時代だったんだろうね」と一言。
なるほど、そういうことか。
ブロンディとつながりました。
時代の空気というのは面白いし、ある意味恐い、とあらためて思いました。
僕は、中学時代以降の自分の写真はほとんど残っていないのですが、自分の写真アルバムがある人は、昔の自分を見て可笑しい、特にファッションについて、そう思うことはあるでしょう。
昔の服を整理すると、どうしてこんな服を・・・ということも。
そんな恥ずかしさを、このビデオクリップを観て感じました。
まあそれでも、このRaptureのビデオクリップは曲のイメージを膨らませるものであり、観ていて楽しい、それは認めます。
結局のところ、今はこの曲をよく口ずさんでいます。
ただ、歌メロの部分でもなく、もちろんラップでもない、実は、ベースラインとブラスを「擬音」で口ずさむのですが・・・
でも、僕自身が"Rapture"を求めて街中をうろつくというのは・・・
朝型人間の僕は、夜に活動するのが苦手なのでした(笑)。