I Was Born To Love You フレディ・マーキュリー | 自然と音楽の森

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洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

20140408FreddieMercury

 ◎I Was Born To Love You
 ▼ボーン・トゥ・ラヴ・ユー
 ☆Freddie Mercury
 ★フレディ・マーキュリー
 ftom the album MR. BAD GUY
 released in 1985
 2014/4/8


 NHK-BSプレミアム「笑う洋楽展」が、この4月からレギュラー番組となって新たに始まりました。
 土曜日24時(暦日日曜日0時)から30分の放送です。
 洋楽の「ちょっと笑える」ビデオクリップを、みうらじゅんと安斎肇が面白おかしく話しながら紹介する番組。 
 洋楽好きのかたはぜひご覧いただきたく、今回は宣伝も兼ねて、そこで取り上げられた曲を紹介します。
 もっとも、宣伝の意味で上げるなら放送日直前のほうがよかったかな、と・・・

 今回取り上げる曲、I Was Born To Love You、フレディ・マーキュリー。
 いまさら何をいわんかやという曲ですが、今回、「実は」、という話が2つあります。

 ひとつ、僕はクイーンやフレディが大好きと自称する者ですが、実は、このビデオクリップは見た記憶がない。
 これが入ったDVDがついたフレディのCDを弟が買って、それを家でかけた記憶はあるのですが、この映像の記憶がない。

 1985年の曲で、当時は「ベストヒットUSA」も観ていたし、「ポッパーズMTV」も放送していたのではないかな、まだだったか、僕が観ていなかったか、まあピーター・バラカンさんは取り上げなかった可能性が高そうだけど。
 ベストヒットは寝てしまったこともあり観ていない回は何度かあるけれど、とにかくリアルタイムで観た記憶もありません。 

 ただし、フレディがソロアルバムを出し、この曲が日本ではヒットしたのは覚えています。
 「ノエビア化粧品」のCMで使われていましたね。

 毎回テーマを設けて進める「笑う洋楽展」、今回のテーマは「胸毛男」。
 1回目で、NHKでそれかい、と思ったのですが、NHKも最近だいぶ砕けてきていますよね(多分いい意味で)。
 今回取り上げられた5曲は以下の通り。
 ◎You Really Got Me / Van Halen
 ◎Runaway (Live) / Bon Jovi
 ◎Caught Up In You / 38 Special
 ◎I Am...I Said / Neil Diamond
 ◎I Was Born To Love You / Freddie Mercury

 他の曲についても触れたいのですが、ここはフレディの話をします。
 あ、でもひとつだけ、ニール・ダイアモンドの曲で、「僕はどこそこで生まれてどうして」と歌い始めたところで(字幕が出ていた)、「この人は寅さんか」とみうらじゅん氏がツッコミを入れたのが面白かった。


 
 フレディ・マーキュリーのI Was Born To Love Youは、以下のような情報が事前に紹介されました。
 ビデオクリップの制作会議では、すべてのシーンについてフレディ自身が話し合いに加わる(ほどの熱の入れようだった)。
 鏡が揺れるシーンでは、エキストラを多数配して鏡を揺らせた。
 チョコレートが歓喜の降ってくるシーンでは、8ダース「もの」チョコレートを使った。

 0'12"辺りから始まるシーン、確かに、ステージの中央のフレディを写した鏡が揺れている。
 何も知らずに見ていると、どうやって撮ったんだろうと思うけれど、そんなアナクロ的な作業だったんですね。
 こういうアイディアは大好きです、いつも言うけれど。
 しかし、内情を知ってしまうと、なんだかおかしくてしょうがない。
 いじらしいというか、愛らしいというか。

 0'40"、にじりよる女性を跳ね除けるフレディ、女性は恨みがましい顔つきでフレディを見つめる。
 映像としてショッキングでした、アルバムタイトルに即したにしても。
 しかも、フレディならさもありなん、と思わされてしまうものがあるのもショックといえばショックでした。
  
 1'22"、今回の番組のテーマは「胸毛男」でしたが、正直僕はその系統の話があまり好きではないのでここはさらりと通過します。

 1'37"、フレディが女性をベッドに追い詰めてじゃれようとするシーン、フレディが決して笑わないのが、なんというか、ちょっと恐かった。
 フレディのキャラクターだといえばそれまでだけど、うん、違和感に近いものを覚えました。

 1'49"から、逃げる女性をフレディが追いかけて、ドアを開けると別の部屋につながってめまぐるしく変わってゆくというシーンが、フレディが話し合いに加わったというところでしょうね。
 2'10"のところで、曲に出てくるピアノの音に合わせてピアノを弾くのがうまい。 

 2'17"、フレディと女性がキッスをするシーンでチョコレートの雨が降ってきます。
 番組では安斎さんが、たった8ダースで済むんだと話していたのが面白かったけど、2人が大写しなのでそれくらいで足りるのかと実際に見て納得。

 2'18"、前のシーンが鏡が割れるように終わって始まるシーン、どこかで見たような。
 クイーンのRadio Ga-Gaのマスゲームのシーン、これはパロディといえばいいのかな、要はそれですね。
 監督が同じ人なのかもしれない。

 最後のコーラスとコーダの部分は、それまでのシーンをダイジェストでもう一度見せている。
 やっぱり、鏡が揺れるシーンは笑ってしまう・・・
 
 とまあ、ストーリーがあるような、ないような、でもフレディらしいイメージといえばそうでしょうね。

 で、もう一つの「実は」で、正直、僕はこれを観てがっかりしました。
 自分の頭の中のこの曲へのイメージとはまるで違いました。
 なんというか、イメージが暴走しているというか。
 みうらじゅん氏も、「これ、ビデオがなければ名曲じゃないか」と言っていました。

 フレディは無邪気な人なのでしょう。
 ソロアルバムということで、無邪気にはしゃいでいるように見えるけれど、バンドではないので周りに彼の無邪気さを止める人がいなかったのかな。

 いや、僕のような凡人にはついてゆけない、と言うべきかもしれない。

 いずれにせよ、僕が曲に対して持っていたイメージが壊された気がしました。
 しかも、これがまた印象に残る映像なだけに。 

 ちなみに僕は、なんとかもえくぼ、という人間ではなく、大好きなアーティストでも嫌いなものは嫌いです。
 例えば、ポール・マッカートニーのGIVE MY REGARDS TO BROAD STREETに収録されているThe Long And Winding Roadのポールの歌い方が大嫌い、というように。

 まあそのようなわけで、ファンのかた、どうかお許しください。
 曲は大好きですから。



 「笑う洋楽展」、楽しみです、早く次が観たい。
 実は僕も昔からビデオクリップを観て、このシーンは可笑しいというのが多々あったので、この番組のコンセプトには大いに共鳴するのです。

 次回のテーマは「孤独のダンス」、あれとか、あんなのが紹介されるかな、と。


 しかし、今回もまた、80年代の渦から抜け出せなかった、か・・・(笑)・・・