◎TALK A GOOD GAME
▼トーク・ア・グッド・ゲーム
☆Kelly Rowland
★ケリー・ローランド
released in 2013
CD-0444 2013/10/7
ケリー・ローランドのアルバムを今日は取り上げます。
音楽については後半に。
◇
9月に開幕したNFLも第5週を迎え、全17週(16試合)の1/3ほどが過ぎました。
今年は、幸いなことに月曜日が休みのことが多く、月曜の午前はケーブルテレビでNFL三昧。
といいつつ、間に散歩に行ったりするのですが。
今朝もデンヴァー・ブロンコス対ダラス・カウボーイズの生中継を途中で1時間半ほど抜け出しました。
帰って来て、さてどうなっているか、というのも楽しみですが、今朝は少々焦った・・・
『ロッキー』の話題で僕が応援しているチームを紹介しましたが、それらのここまでの成績をまとめると
☆フィラデルフィア・イーグルス 2勝3敗
2週目の(あまり強くない)サンディエゴ・チャージャーズ戦に負けたのが痛かった、戦績的にも、流れとしても。
解説の人の話によれば、新ヘッドコーチのオフェンスがあまりフィットしていないのだとか。
でも、まだまだ巻き返せる。
NFC東地区は混戦だし(後述のカウボーイズが負けたのでこの成績でも地区首位)、ひとまずいまだ全敗の同地区のニューヨーク・ジャイアンツに勝っておいてよかった。
☆カンザスシティ・チーフス 5勝0敗
昨年が2勝で終わり、HCが変わり、サンフランシスコ・フォーティナイナーズからQBスミスを取った時点で下馬評が高く期待していたのですが、まさかここまでとは。
願わくば、デンヴァーと15勝1敗で駆け抜けてほしい。
なぜ1敗かというと、デンヴァーとは同じ地区でホーム&アウェイで1勝1敗と見ているから。
QBスミスは派手さはないけれど手堅いプレイで信頼できる、そして声が大きい(笑)。
ただ、ここに来て懸念が。
日テレG+のNFL番組の司会を務めるオードリーの春日が応援したチームは負ける、「春日の呪い」というものがあります。
春日さんは今年はニューヨーク・ジャイアンツとニューヨーク・ジェッツのニューヨークの2チームを応援しているのですが、その2チームはあまり調子がよくない。
その春日さんが、先週のオンエアで、弱いので応援するチームを変えようかと話した際に「チーフスもいいなあ」とぼそっと呟いたのです・・・
春日さん、チーフスはやめてください(笑)。
☆セントルイス・ラムズ 2勝3敗
あまり調子が上がっていなかった49ersにも勝てなかった、しかもホームで。
他の試合を見ていると、ラムズから出て行った選手が結構活躍していて、今年は望み薄かな・・・
調子が出てきたサンフランシスコとシアトルと同じ地区でもあるし、アリゾナ・カーディナルスにも先を越されたし。
QBブラッドフォード、悪くないけど、線が細すぎる感が、名前はメタルっぽいんですけどね(笑)。
☆デンヴァー・ブロンコス 5勝0敗
すごい!
ペイトン・マニング、ここまですごいとは!
クォーターバックの新記録を作ってしまう勢いだけど、昨年の良かったところをさらに伸ばし、悪かったところをきちんと問題解決しているところが、人間としても尊敬できる。
ただ、今日はダラス・カウボーイズに51対48と辛勝、しかも残り2秒でフィールドゴールを決めるという際どい勝利。
勝ちは勝ち、ですが、48点も取られたディフェンスが少々心配。
ハイパーオフェンスで点をたくさん取る代わりにディフェンスの時間が長くなることを差し引いても。
出場停止中のラインバッカーのヴォン・ミラーが戻ってくることもあるし、修正されることを願うのみ。
そこがうまく行けば、今年はスーパーボウルまで駆け抜けられると見ています。
それにしても今日の試合はよく勝てた、第4クォーター残り2分を切ったところのギリギリファーストダウンはさすマニング。
接戦で勝てるのだから、やはり強い。
☆ニューオーリンズ・セインツ 5勝0敗
セインツは「報奨金問題」(相手の選手に怪我をさせたディフェンスの選手に報奨金を出していた)でHCが出場停止になりごたごたした昨年を引きずるかと思いきや、ブリーズを中心としたオフェンスの勢いがそれを振り切ったかのように思えます。
逆を言えば、昨年はやはりヘッドコーチがいないというのはチームとして大問題だということが証明されたというか。
昨年地区優勝したアトランタ・ファルコンズの調子がよくないこともあるけれど、セインツのこの成績は正直予想外のうれしさでした。
しかし、この中では唯一、まだグッズを買っていないチームでもあり、そこが個人的な課題かな(笑)。
☆グリーンベイ・パッカーズ 2勝2敗
1試合少ないのは、NFLはすべてのチームに17週のうち1週の休みがあり、グリーンベイは先週がその休み、"Bye-Week"だったため。
グリーンベイは昨年も強いようで脆いようでしかし終盤きっちりと合わせてきてプレイオフに出ましたが、今年もそうなるのかな。
この地区はシカゴ・ベアーズと今週戦ったデトロイト・ライオンズが3勝2敗、パッカーズは1試合少なくて負け数が並んだので、まだまだこれから、ますます混戦になることでしょう。
☆シアトル・シーホークス 4勝1敗
今年のスーパーはデンヴァーとシアトルかな、と思わせる戦いぶり。
先週は14点差を追いついてオーヴァータイムでサヨナラ勝ち、勢いや流れそして運も味方している。
と思ったところ、今週はインディアナポリス・コルツに惜敗。
あ、いきなり文章が変わったのは、この記事の基本は昨日の夜に書いて、今朝の試合結果を見て書き足して上げるつもりだったから。
「春日の呪い」ではないけれど、僕が応援するチームに加えたことで負けたのか・・・
コルツは昨年もプレイオフに出ているどちらかというと強いチームで相手のホームだから、16試合の中にある普通の1敗と捉えたいですね。
QBのウィルソンはもちろん注目だけど、それ以上にHCのピート・キャロルの情熱的な姿が試合を見ていて楽しいし、熱いものが伝わってきます。
ピート・キャロルHCにはロック的なものを感じます、そう、チャック・ベリーのCarole(ピート・キャロルHCのスペルは"Carroll"ですが)。
以上7チームの成績を総合すると
25勝9敗 勝率0.7352
なかなか、いや、それ以上にいいですね。
今のところ全勝のチームが3つあるし、今年は楽しめそうです。
ところで、NFLのチームの中には、積極的に応援するチーム(上記7つ)、積極的に応援はしないけれど勝といいなと思うチーム、どちらでもないチーム、好きではないチームが僕にはあります。
2番目のカテゴリのチームの中には、その年の成績や事情によっては応援するチームに「昇格」するチームもあります。
今年のシアトルがそうですね、昨年の結果から。
1/3が終わり、テネシー・タイタンズとデトロイト・ライオンズがそれぞれ3勝2敗と勝ち越していて、この2チームが今のところ昇格候補。
テネシーは、昨年テレビで見た試合がホームで満員ではなかったので、もっと頑張ってもらいたい。
同地区のヒューストン・テキサンズが今年はあまりよくないようだし、プレイオフ出場もあるかも。
そして何よりテネシーはナッシュヴィルとメンフィスがある音楽の州ですからね。
人によってはジャック・ダニエルズの州でしょうけど(笑)。
デトロイトは市が財政破綻に見舞われましたが、それを逆にエネルギーとして前に進んでゆくかもしれない。
QBスタッフォードが野球でいえばスリークォーター・スロウのような投げ方で面白いし、ワイドレシーバーのカルヴィン・ジョンソンは今いちばんのWRではないかな。
デトロイトといえばモータウンとボブ・シーガー、それとキッス。
ちなみに、コルツはどちらでもないチームでしたが、パガーノHCが白血病を克服してフィールドに戻ってきたということで密かに応援しています。
「密かに」なので、計算には入れていないですが。
◇◇
さて、このBLOGは一応は音楽専門、音楽の話をしないと。
NFLの話をしたい時は、NFLと何らかの関係があるものを取り上げてゆきます。
ケリー・ローランド、どのような関係があるのか。
今年の第47回スーパーボウルのハーフタイムショーはビヨンセでしたが、そのステージでデスティニーズ・チャイルドが一瞬だけ、1日だけ再結成されました。
3人のビヨンセ以外は、ミシェル・ウィリアムズ、そしてこのケリー・ローランド。
そのケリーの6月に出た新譜がこれ。
「よいゲームを語りましょう」というのもNFLの話題にはいい。
まあ、この場合の"game"は意味が違うと思いますが・・・
ところで、スーパーボウルのハーフタイムショーに出た年に新譜が出るという人は結構多いですが、50%以上の視聴率を稼ぐテレビに出るのだからこれ以上の宣伝はない、まあ当たり前といえば当たり前かな。
僕はしかし、出た直後には知らなくて、ひと月ほど経ってから、Amazonのいつもの購買者履歴でこれが出てきて引っかかりました。
そう、「長髪ブラ」の挑発的なこのジャケットに・・・とたまには駄洒落・・・
ほとんどジャケット買いですが、この場合はあくまでもスーパーボウルつながりであって、そうではなければ買うことはなかったと強調しておきたい。
と、見栄を張ることもないのか(笑)。
ビヨンセは僕は大好きで一応今まで全部聴いていますが、デスティニーズ・チャイルドは、家にあるけど1枚しかちゃんと聴いていない。
ただ、ケリー・ローランドのこれがどんな音かは類推できるわけで、実際に聴いてみるとその通り、ヒップホップを経た今のR&Bの真ん中といったところ。
普通に洋楽を聴く人なら、どんな音かは想像できると思う。
なんて書くと手抜きですが、余計な言葉は要らないかなと。
ただ、今のだから半分ほどの曲で要所要所に男性のラップが出てくるけれど、あくまでも歌が主体で気にならないし、僕もそういうのは慣れたのでむしろメリハリがあっていいと思うようにもなりました。
音楽として同じ傾向にあるなら、他と差をつける部分は、曲の良さとヴォーカルの声。
ケリー・ローランドのヴォーカルは、ビヨンセのようにハッタリが強くはない。
このハッタリというのはもちろんいい意味で、プロとしてやっていく上に人より売れる以上はどこかで強く印象付けなければいけない、という意味。
よく聴くと、声が強いようでソフト、強さの向こうに確かな優しさを感じる声。
長髪的なジャケットを見た時、もっときつい感じの声かとイメージしましたが、それはいい方に外れました。
曲は文句なく粒ぞろいで、後で少し取り上げますが、そうなるとこのアルバムはもはやすっかり愛聴盤になっています。
買ってからほぼ毎日聴いているかな、CDプレイヤーにの真ん中辺りに入りっ放し。
15曲あるので、幾つか。
1曲目Freak
80年代風のキーボードのイントロから起こる緊迫感がある重たくて強い曲で始まる、これはまったくジャケットのイメージ通りでした。
最初はその強さに押されて声の優しさが気がつかなかった。
サビの入り口で"It's close to midnight"と歌うんだけど、これ、Thrillerの歌い出しの歌詞であるのは偶然ではない、意識があると思う。
そういうつながりを見つけるのは音楽聴きとして楽しい。
2曲目Kisses Down Low
夜のとばりが降りた街をタクシーでゆっくりと進むような響き。
途中から優しいケリーのヴォーカルと低音の男性が会話をする。
そういう雰囲気の曲です。
3曲目Gone feat. Wiz Khalifa
一転して割と普通のポップ。
なんといってもサビでジョニ・ミッチェルのBig Yellow Taxiのサビをそのままいただいているのが印象的。
当然、その部分はもう2回目くらいから口ずさむようになっていましたが、おかげでその曲の良さが再発見できました。
しかも、そこに入る前のオリジナルのBメロがとってもいい(曲はA-B-Cの構成)。
ポップソングとしてかなりいい、気に入りました。
6曲目Dirty Laundry
割とオーソドックスな本格的R&Bバラードで、最初に聴いた時に3曲目以外ではいちばん印象に残りました。
ドン・ヘンリーに同名異曲があるけれど、洗ってもきれいにならない(心)というような比喩としてアメリカではよく言われるのかな。
7曲目You Changed feat. Beyonce and Michelle
そうです、デスティニーズ・チャイルドが1曲だけ再結成、やはりスーパーの流れを汲んでいるな。
ビートが強く跳ねた曲、3人のヴォーカルが交錯する。
8曲目Remember
ブックレットを見ると作曲者の中にジャーメイン・ジャクソンの名前があるんだけど、どこかで聴いたことがあるようで思い出せない何かの曲の旋律が入っているので、それのことかもしれない。
と書いて、思い出せないのが歯がゆい・・・
11曲目Street Life feat. Pasha T
作曲者がファレル・ウィリアムズ、あのダフト・パンクに参加している人、というのが今の僕の認識・・・
バラードが多い中で攻撃的で煽るようなミドルテンポの曲で、リズムが強くてはっとさせられる曲。
12曲目Stand In Front Of Me
ソウルバラードを今風に焼き直していて、雰囲気がとってもいい。
ケリーは時々裏声になりながら歌い上げる、もちろん優しい、曲としてはこの中でいちばんかな。
通常盤はこの12曲ですが、僕が買ったのは限定盤15曲入りのCD。
最近多いですよね、始めっから曲を足した2つのヴァージョンをリリースすることが。
そういう場合僕は多いほうを買います、だいたいが300円かそこらの違いなので。
このアルバムの曲は、ケリーの優しさに包まれるような旋律が織り込まれていて、しかもそれが印象的、そこが来るとほっとしてうれしくなります。
5年前からソウル系を真面目に聴くようになって、今のR&Bも少しずつ聴き広げてゆこうと思っていました。
でも、例えばいつもの「ベストヒットUSA」で聴いたといった確かなきっかけがない場合は、どれを選んでいいのか正直迷う部分が強く、あまり聴き広げられていないのが現状。
そこへ、NFL経由でとってもよくて自分に合うケリー・ローランドというアーティストを見つけたのはよかった。
買う前に予想していたよりも、はるかに気に入った1枚となりました。
結局のところ、ヴォーカルものは声を気に入るかどうかが大きい、と、当たり前のこともよく分かりました。
ところで最後にどうでもいい余談。
デスティニーズ・チャイルドは日本では「デスチャ」と呼ばれているそうですね。
でも、僕は、「デスチャ」といえば、エアロスミスのAngelやボン・ジョヴィのLivin' On A Prayerなど、80年代から90年代にかけてヒット曲を数多く作曲したハードロック・ヘヴィメタル系御用達の作曲家、デスモンド・チャイルドを思い出してしまう・・・
という人は、日本では割と多いのではないかと(笑)。