LED ZEPPELIN IV レッド・ツェッペリン | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森-July27LedZeppelinIV


◎LED ZEPPELIN IV

▼レッド・ツェッペリンIV

☆Led Zeppelin

★レッド・ツェッペリン

released in 1971

CD-0428 2013/7/27


 レッド・ツェッペリンの4枚目を今日は取り上げます。


 このアルバムは日本では「4枚目」と呼ばれることが多いでしょうけど、正式にはタイトルはつけられておらず、メンバーの4人を象形文字のような謎の文字で表した4文字がタイトルの代わりを意味していると言われています。

 その文字は左から、ジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナム、ロバート・プラントを表したものと言われていますが、いちばん左のペイジに当たる文字が"ZOSO"のように見えるので、我が家では「ツォソ」とも呼んでいます。


 

 レッド・ツェッペリンは僕の中ではビートルズの次に基本であり、大好きを通り越して、ロックの先生のような存在。

 

 でも、じゃあ、彼らのいちばん好きなアルバムは何と聞かれると、答えに窮します。

 勢いでは2枚目、存在感では4枚目、完成度では5枚目、カタルシス度では7枚目、意表をついて3枚目。

 でも、ディスク単位では6枚目PHYSICAL GRAFFITIの1枚目が最強なんですけどね(笑)、アルバムで聴く者としてはあくまでもアルバム単位で話したい。

 つまり、それがいちばん好きな方には申し訳ないけれど、1枚目と8枚目(と一応9枚目)以外はすべて候補に上がる。

 でも、1枚に決められない。

 だから、何がいちばんと聞かれると、その時に最初に浮かんだものを挙げます(笑)。


 僕がこの4枚目を初めて聴いたのは、高3の時でした。

 当時、父が仕事で東京に行き、渋谷に用事があるというので、渋谷のタワーレコードでZepの3枚目と4枚目の輸入盤LPをお土産として買ってきてとお願いしました。

 一応書いておきますが、当時のタワレコは輸入盤しか扱っていませんでした、今の若い人は驚くかもしれないけれど(というより書いた自分がそういえばそうだったと驚いたというか懐かしい)。

 札幌の店でも売っていたので別に東京土産で買ってきてもらわなくてもよかったのですが、そこはほら、まだお小遣いが限られていた中で1枚でも多く聴きたかった高校生、お土産を口実としたのでした(笑)。


 つまり、Zepはこの2枚だけレコードで初めて聴いたもの。

 大学生になって東京に出てすぐに2枚目をCDで買い、すぐにCDはすべて買い揃えました。


 当時はもう偉そうにアルバム至上主義者になっていた僕、これを聴いて、ものすごくいいアルバムと期待していたところ、確かにいい曲を通り越して名曲は多いけれど、アルバムとしてはどうなんだろうと


 先に言ってしまうと、LPのA面はこの世で最強レベル、引っくり返してB面1曲目も素晴らしい、でも、B面2曲目からの3曲は当時の僕にはなんとも凡庸な曲に聴こえたのです。

 しかも、よく聴くとB面1曲目のMisty Mountain HopはA面の4曲に比べると曲としては緩さがあって、でもこの場合はその緩さがいいというだけで、結果としてはA面とB面の落差が激しい、と。


 コンセプトアルバムなるものに背を向けて、意図的にそうしていたのではないか。

 楽曲だけで堂々と勝負する。 

 Zepは楽曲のクオリティが圧倒的だから、小賢しいことはしない。

 5枚目で初めてアルバムタイトルがつくのも、この4枚目までは、周りのことに力を入れるよりも、楽曲そのものに制作の意欲やエネルギーを集中させていたことが推察されます。

 自信があったのでしょう、自分たちの創作能力、演奏能力、アイディアの豊富さなどなど。


 そしてZepは楽曲勝負をやり遂げた。

 Stairway To Heaven「天国への階段」は、その象徴として生み出された曲。

 レッド・ツェッペリンはその点、ロック史に残る音楽制作集団であったといえるのでしょう。

 音楽的なことをいえば、前作でB面をアコースティックで固めてしまい賛否両論があったようですが、このアルバムではアコースティック色を押し出すまではゆかず、ハードな音とアコースティックギターの音をいかにバランスよく混ぜるかということを念頭に置いているように感じられます。

 もちろんというか、アコースティックギターを使っていない曲もあります。

 ただ、B面が緩いと書いたのは、音的な面ではなく考え方として前作の先にあるものかな、との思いからです。


 

 1曲目Black Dog

 この曲はLPを買うまで知らなくて、それほどまでに名曲と言われているのは後で知りました。

 Zepはリズムの間の取り方が独特ですが、この曲はとにかく唸りをあげるギターリフが独創的ですよね。

 ギターとドラムスがお互いの音を聴きながら演奏するとうまく合わないんじゃないかって思うくらいの変拍子といっていいリズム感。

 事実、レコードをかけながらではなくただギターリフの音を拾ってひとりで弾くとかえってうまく最後まで流れます。

 以前、学生時代にバンドをやっていた人の話では、Zepはバンドとしてやるとこのリズム感で挫折する人が結構いたそうで。

 とにかくこのギターリフに「騙され」がちですが、よく聴くと、Aメロの部分は実はかなり単純なブルーズが基本になっているのが分かります。

 でも、そこにちょっとしたパッセージをつけてBメロで展開することにより、もはや「単なるブルーズ」とは誰も思わなくなっている。

 ところで、この曲が実はひわいなことを歌っているのは、大学生になってCDで買い直した頃にはもう気づいていました。

 ロバート・プラントがセックスシンボルだったと聞いて、僕はにわかには信じがたく、受け入れられなかった。

 僕の時代にはZepはもう伝説の存在だったので、伝説の存在がセックスシンボルだなんて、ミスマッチ感覚というか、そんな考えには至らなかった。

 映像を見ると確かにぴちぴちのGパンをはいていて、本人が意識していたであろうことは分かったのですが、それにしても。

 この辺りはリアルタイムを経験していない者の見方なのだと自分では思います。

 まあとにかく、とんでもない名曲で僕ももちろん大好きな曲。

 ただ、うちの犬たちが黒い犬が苦手で、散歩先で黒い犬を見ると、怖気づくまでは行かないけれど、尻尾を足の間に収めて恐そうな表情で吠えます。

 だからうちでは黒い犬は飼えないな(笑)。


 2曲目Rock And Roll

 僕がCDで初めて、正確には2番目に聴いた曲がこれ。

 高校3年の時、札幌市内で家電製品の展示会があり、そこにSONYの新しいCDプレイヤーがあるというので父と弟と行きました。

 僕もそうですが、父が当時はSONY信者だったので話は早かった(笑)。

 SONYで最初に出たコンパクト型のCDプレイヤーがあり、試聴ができたので何かを聴いてみることに。

 そこにあったのがこのアルバムのCDで、2曲目だけどこれをいきなり聴きました。

 僕は当時はレコードプレイヤーをラジカセにつないで聴いていたので、といって7万くらいするラジカセではありましたが、それに比べればやはり音の分離がいいし迫力があってよかったです。

 ちなみに、ほんとうに最初に聴いた曲はビートルズのCome Together。

 ビートルズ側の承諾なしに東芝EMIが勝手にCDを商品化して後に回収騒ぎになったあのABBEY ROADでしたが、今思うと、その時そのCDを買っていればプレミアがついたのかな(笑)。

 余談ついでに、その時から父子ともに段々とCDに興味が出て、1986年に出た2代目のコンパクトなCDプレイヤー、通称「ディスクマン」を買ったのが我が家の最初のCDプレイヤーでした

 なんて、ここはZepの話だ、大学生の頃は、高校でクラスメートだった音楽好きの友だちがいて、札幌に帰る度に会って夜通し音楽の話をしていました。

 その友だちも僕がこのアルバムを気に入ったので聴くとやはり気に入りましたが、この曲はロックンロールのパロディなのかオマージュなのか分からない、ということで意見の一致を見ました。

 歌詞が深刻なことを歌っていなくて、いわゆるメッセージソング的な部分が何もないことで余計に迷いました。

 繰り返し、僕にとってZepは最初から伝説の存在で、高尚な音楽をやっているという印象があったので、そんな人たちがひねりも何もない「ロックンロール」なんて曲を作っていたというのが、信じられないというか。

 でも、ロバート・プラントはエルヴィスフリークだったそうだし、それ以前にロックンロールは基本中の基本だから、こういう曲があって不思議はない、むしろ当たり前なのでしょうけど。

 それにしてもこの曲のインパクトは大きかった。

 純粋にロックンロールの名曲の代表格ですよね。

 なんといっても歌メロがいい。

 ギターリフもいい。

 ギターソロもいい。

 LPを聴いてすぐにギターであのリフを弾いてみたのは言うまでもない。

 映画『狂熱のライヴ』ではロバート・プラントは歌メロを低く変えて歌っていますが、それでもやっぱりいい。

 シンプルな曲だけにシンプルなことしか思い浮かばない(笑)。

 でも今気づいたけど、"Lonely, lonely"と繰り返すのは、Rock And Rollの"Roll"との韻になっているんだな。

 まあ、ロックを好きと言う人でこの曲を知らない人はいないでしょうね。

 嫌いな人もいない、と信じたいのですが。

 ピアノにはイアン・スチュワートが参加。

 なんであれ、この曲が世に出た時は大拍手で受け入れられたのだと思います。


 3曲目The Battle Of Evermore

 正直に告白します。

 LPを最初に聴いて、このイントロが流れてきて、僕は、この曲が「天国への階段」だと思いました。

 ジャケットを手に取って、違うんだと。

 でも、先ほどアルバムの流れは考えていないようなことを書きましたが、「天国への階段」の序章のような響きではあるとは感じ、この2曲は同じアルバムの中にあるならこの順番でなければならないとは思います。

 この曲はケルト妖精物語を彷彿とさせますね。

 プラントの趣味でしょうか、こういう音楽は聴いたことがなかったので、間違いに気づいた後すぐにこれはこれで素晴らしくて大好きになりました。

 女性ヴォーカルはサンディ・デニー、ということは情報としては当時すぐに知りましたが、彼女がフェアポート・コンヴェンジョンのヴォーカリストであることは、そもそもフェアポート・コンヴェンジョン自体をずっと後になって知りました。

 彼女の参加は、この曲にその声が必要と感じたからでしょうけど、前作でアコースティック寄りの音を出したことを批判した人に対して、そんなことにはめげないという意志を目に見える形で表したのかもしれません。

 ロバート・プラントは近年、アリスン・クラウスと組んだRASING SANDがグラミーを受賞するほどの大成功を収めましたが、そのアルバムは僕も大好きで、その時ふと、この曲があったからこそそこに結びついているのだと思いました。

 この曲はハートもカヴァーしていてそれがまたいい。

 と、ここまで3曲が名曲揃いで、ただただ圧倒されるのみ。

 ここまでであっても(後は普通の曲でもという意味)、このアルバムは名盤と言われたことは想像に難くありません。

 しかし、とんでもない。


 4曲目Stairway To Heaven

 ロック史に燦然と輝く名曲。

 アコースティックギターとエレクトリックギターの融合が究極の完成度をみた曲。

 すべてのロックファンによる名曲投票を行えば、きっと1位に輝くでしょうね。

 とりあえずこれを知らない人がロックを好きと言ってはいけない、とは思います僕も(笑)。

 曲について話すと記事が幾つになるか分からないので、ここでは敢えて僕なりの考察だけを書きたいと思います。

 この曲に限らず、音楽を好んで聴く人ならそう感じたことがある人が結構いるのではと思うのですが、名曲っていうのは、こんな曲が聴きたい、こういう曲があったらいいなという理想をうまく形として表し切ったものが多いですよね。

 つまり、誰の心の壺にもうまく収まるというか、初めてなのに、似ているという意味ではなくどこかで聴いたことがあるような感覚に陥るというか。

 「天国への階段」は、ロックがまだまだ拡大隆盛期にあった1971年という年において、そのロック聴きの理想を100%音として表し切った、そこがすごいのでしょう。

 しかも、1971年当時、このような理想の曲が生まれるのはもう少し先のことになると思われていたのが、意外と早く現れた、そこがレッド・ツェッペリンのすごさでもあります。

 つまり、この曲の出現により、ロックの進化が早まった。

 ただ単に曲がいいだけの名曲ではなく、そういう点がこの曲を別次元に引き上げている。

 Zepはこの1曲だけが突出してすごいわけではなく、すごい名曲をたくさん作っているので、この曲はやはり生まれるべくして生まれたに違いありません。

 つまりは、奇跡のような必然の名曲、といえばいいのでしょうか。

 歌詞についてちょっとだけ。

 中に"stores"という即物的な単語が出てくるのを、僕は最初、イメージが少し違うと感じました。

 もっと幻想物語的なものだと思っていたのです。

 実際は、思索的な言葉を与えて日常生活を考え直してみる、といった主旨の内容であり、例えば後の「アキレス最後の戦い」のような神話的な物語ではない、あくまでも日常を捉えたものといえるでしょう。

 ジャケットの柴を背負ったおじさんの絵がそれを象徴しています。

 小難しいことを考えているといえばそれまでで、イーグルス(ジャクソン・ブラウン)のTake It Easyとは対極をなすものともいえますが、考えることが好きな僕は大いに納得します。

 また、歌詞の中の"'cos you know sometimes words have two meanings"というくだりはそのままロックのいわゆるダブルミーニングを表している、だからロックの名曲でもあるのでしょう。

 ロバート・プラントの声も、彼じゃなければという声質、表現力。

 ただ、ですね。

 僕はこの曲を演奏しようと思ったことがありません。

 部分的に、具体的には5分30秒を過ぎて12弦ギターが鳴り、テンポが上がってギターソロに入るまでは弾いたことがあるというか運指の練習の意味で今でもよく弾きますが、全体としては。

 バンドをやっていないのが直接的な理由ですが、でもただ弾くだけの曲はたくさんあるにしても、です。

 謙遜抜きで僕はギターが下手なので、もうはじめからこれは自分のような者が演奏してはいけない曲と思っているのでしょう。

 もうひとつ、先日「題名のない音楽会」でレッド・ツェッペリンが取り上げられたという記事を上げましたが、そこでも話したように、かの指揮者カラヤンが、この曲は編曲を変えなくてもオーケストラで演奏できると評したその完成度の高さから、僕にとってはこれは弾く曲ではなく聴く曲になっているのだと思います。

 口ずさむのはよくします、歌詞も覚えたし。

 ところで、映画『ウェインズ・ワールド』で、楽器店のシーンがあり、その店の壁には「天国への階段は演奏禁止」と(もちろん英語で)書いてあったのが大いに受けましたが、ギターを弾く人間にはそれだけ膾炙した曲ということなのでしょうね。

 なんて、すっかり長くなりました(笑)。


 5曲目Misty Mountain Hop

 レコードをひっくり返すと、なんともまあ軽い曲だこと。

 僕がいつも言う「ロックの照れ隠し」、あれだけすごい曲をやってしまった後、なんもいえない深刻な雰囲気を振り払うのに、敢えて軽い曲を演奏するというものでしょうか。

 ただこれ、軽いなりにとってもいい曲で、軽いからこそ持ち味が出ている。

 歌メロもいいし。

 といいつつ最初は抑揚がないおなじないのような旋律だけど、弟がその部分を「おまえはあほか」と歌っていたのは受けました。

 でも、"So I'm packing my bags for the Misty Mountains where the spirits go now" という歌詞があるように、ほんとうはスピリチュアルなものを意識した曲であり、その点では「天国への階段」からつながっているのでしょうね。

 これはAtlanticレコード25周年記念コンサートで演奏していて、それを深夜番組として大学生の頃に見て、僕の中では、それまではただ軽いだけの曲だと思っていたのがぐっと意味が大きくなりました。

 そこではロバート・プラントが、最後の"I really don't know, ooh"の部分の"ooh"のところでマイクを客席に向けて歌わせるのが印象的でした。


 6曲目Four Sticks

 ボンゾがスティックを4本持って演奏したという曲で、いわばMoby Dickの進化型、かな。

 せり上がるような低音のギターリフはかっこいいけれど、正直、僕は、この曲が来た時に覚めてしまったというか、かっこいい以上の意味を見出せませんでした。

 今はしかし、このアルバムのB面が緩いのは、A面があまりにも充実しすぎていて、そのテンションのまま突き進むと聴き手が疲れてしまい、かえってA面の特に4曲目のすごさが薄まってしまう、だから敢えて緩くしたのだと考えています。

 そう考えるとコンセプトなのかもしれないけれど、それ以前に、聴きやすさを追い求めたというか。

 この曲も今では好きですよ、歌ではなくギターリフをよくハミングで口ずさみます(笑)。


 7曲目Going To California

 アコースティックギター弾き語り風のおとなしい曲で、音楽的には3枚目のB面路線。

 カリフォルニアはフラワー・ムーヴメントの中心地でありヒッピー文化の理想の地であったはずなのに、この曲は冷めてますね。

 ただ、その冷めたところが逆に妙にほっとさせるものがあります。
 きれいな曲ですね、これは最初から好きでした。


 8曲目When The Levee Breaks

 「堤防が決壊する時」、音としてはまさにそんなイメージで迫ってくる。

 ただ、今は、山形県で大雨の影響で日常生活がままならなかったり、今日明日も雨に警戒が必要となっていますが、あくまでも音楽の話としてたまたまこの曲があっただけで、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げ、これからは被害が出ないよう祈るのみです。

 ところで今回、このアルバムを突然聴いたのは、本家BLOGの音楽記事の中で、ミック・ジャガーがChicagoを「チッカーゴゥ」と発音していると書いたことで、そういえばこの曲でもChicagoが出てきたなと思いついたからでした。

 聴くと、ロバート・プラントは「シッカーゴゥ」と"Chi"を「シ」に聴こえるように発音しています。

 辞書にはどちらの発音も載っていますが、ミックは英国人だから「チ」なのかと思いきや、プラントは「シ」で違うので、これは人によるのかな。

 ところで、前の曲はカリフォルニアだしこちらはシカゴが出てくるのは、Zepがもはや英国のいちバンド以上の存在になったことを自分たちも実感してのことでしょうかね。

 ケルト的な音楽をやったのは、世界的な存在になった中での英国人としての誇りなのかもしれない。

 まあそれ以前にブルーズフリークだったZepのメンバーにとって、シカゴは聖地のようなものでしょうけど。

 この曲も正直、若い頃はただ低音リフをはじめとした演奏がかっこいいだけの曲だと思っていましたが、今ではまあ普通に好きです。

 音楽なんてそんなもんでしょうね、聴いてゆけば自然と好きになる。

 好きじゃない曲というのは、聴き続けないだけなのかもしれない。

 いや、でもこの曲のサウンドはZepならではとは思います。 


◇ 

  

 このアルバムは、完成度、流れの素晴らしさ、スキのなさという点では他に譲る部分はあっても、楽曲だけで人を黙らせてしまうという音楽の極みに達しているということはいえます。

 ある意味、ロックというよりはソウル的なアルバムなのかもしれない。


 まあそれは、10代の頃に「アルバム至上主義」に毒されてしまった僕のような者の意見であり、人によっては、ただの名曲を超えたとんでもなく凄い曲が入っているというだけで無条件で大好き、素晴らしいアルバム、ということになるのでしょう。

 感じ方、考え方は人ぞれぞれだから、もちろん僕は何かを否定するものではありません。


 ただ、10代の頃に僕はそう感じた、ということは記しておきます。

 僕は思い入れで記事を書いていますが(笑)、なんでもかんでも手放しでいいと思っているわけではないですし。


 何より、今回聴いてあらためて、曲の持つ力の大きさを感じました。

 かかっていると、やっぱり、思わず手を止めて聴き入ってしまう、そんな曲が世の中にあるのは幸せなことです。