◎GREEN 25th ANNIVERSARY DELUXE EDITION
▼グリーン 25周年記念盤
☆R.E.M.
★R.E.M.
released in 2013, originally in 1988
CD-0407 2013/5/24
R.E.M.のワーナー移籍第一弾アルバムGREENの25周年記念盤が出ました。
CDの記事としては前回のヒューイ・ルイス&ザ・ニュースも30周年記念盤でしたが、ほんと、今はそれが流行りのようなものであることが分かりますね。
しかもそれに踊らされる悲しいファン・・・いや、うれしくて買っていますけどね(笑)。
このアルバムGREENは既に記事にしていますので、こちら をご覧ください。
重複しますが、GREENは僕が初めて買ったR.E.M.のアルバム。
1989年1月、大学1年の年、札幌での正月休みから東京に戻った最初の日に渋谷のFriscoで買った、その時の光景をいまだによく覚えています。
そして彼らで2番目に好きなアルバム、それも変わっていない。
ちなみに1番はこの2枚後のAUTOMATIC FOR THE PEOPLE。
さて、今回の25周年記念盤、Disc1はGREEN本編。
Disc2は、GREENになぞらえて1989年のGREENSBOROでのコンサートのライヴが収められています。
CDが入っているスリーヴも、本来の黄色ではなく黄緑色になっています。
ライヴの曲目を書き出します。
1. Stand*
2. The One I Love
3. Turn You Inside Out*
4. Belong
5. Exhuming McCarthy
6. Good Advice
7. Orange Crush*
8. Cuyahoga
9. These Days
10. World Leader Pretend*
11. I Believe
12. Get Up*
13. Life And How To Live It
14. It's The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine)
15. Pop Song 89*
16. Fall On Me
17. You Are The Everything*
18. Begin The Begin
19. Low
20. Finest Worksong
21. Perfect Circle
曲名の後ろに"*"がついたものはこのアルバムの曲。
R.E.M.は公式にはライヴアルバムが2枚出ていますが、1枚はかなり後期のもの、もう1枚はさらにその後に基本的にこれより前のアルバムの曲を演奏したものだから、ワーナー前期、1990年代までのライヴは実は貴重なんですよね。
ファンとしてはそれを聴くことができただけでもうれしい。
また、このツアーのライヴは昔VHSのビデオで出ていて買ったんだけど、DVDやブルーレイでは出直していないはず、だから余計に貴重なライヴでもあります。
このアルバムからは11曲中7曲が演奏されていて、まあそんなもんでしょうね。
Standがいきなり1曲目というのは、当時の最新ヒット曲だからいいとして、なんだかいきなり途中から唐突に始まったような印象を受けます。
まあ、それが狙いなのでしょうけど。
Turn You Inside Outは映像ではマイケル・スタイプがハンドマイクを持って歌っていたんだけど、その割には音がクリアに聴こえて、もしかして違うのかな。
Orange Crushが、下手という意味ではなく、ライヴならではの危うさ、スリリングさがあっていい。
興味深いのは、Blong、Lowと、この2年後の次のアルバムOUT OF TIMEに入ることになる2曲を演奏していること。
前者は特にほとんど完成している感じで、もしかしてこのアルバムのアウトテイクだったのかなというくらい。
「おぼん、こぼん」という語りもそのままでした(笑)。
コンサートでカヴァーではないオリジナルの未発表の曲を演奏するのは、僕はまだ経験がないんですよね。
いつかそんなことがあればと思うけれど、日本では無理かな。
これより前のI.R.S.時代の曲がまだまだ多いわけだけど、まだまだ彼らも若かったし、自然な感覚で演奏できていると感じられます。
おそらく、40歳を過ぎて、それらの曲への心の在り様が変わってしまったのが、解散につながっていたんだろうと思うと、やっぱり寂しいものがありますが。
2曲目The One I Loveはそれまでの彼らの最大のヒット曲で、最初はバラード風に始めるのがまたいいんだけど、でもやっぱりコンサートがだいぶ進んだような印象を受けてしまう。
It's The End Of The World As We Know It (And I Feel Fine)、これは武道館のコンサートで確か最後のほうにやったよなあ、アンコールの前だったか、いや、ほとに最後だったかな(調べれば分かるだろうけど)。
元々ほとんどラップといえるヴァースの部分はオリジナルとかなり違うのは確か同じだった。
あのコンサートは、僕が言った中で白人の外国人の割合がいちばん高かったけれど、コンサートが始まる前に多分アメリカ人の男女3人が肩を組んで廊下を歩きながらこの曲を歌っていて、さすがネイティヴだなあと感激した覚えがあります。
でもこの頃はまだ真ん中辺でやっていたんだな。
Fall On Me、Cuyahoga辺りはコンサートの定番だった時代もあるだろうけど、そういえばRadio Free Europeはやってなかったんだなあ、ちょっと意外、客もどう思ったかな。
Finest Worksongはやっぱり歌として最高によくて一緒に大声で歌っていた。
そして最後がPerfect Circle、静かに盛り上げる抒情的な曲で、コンサートの最後という感じではないんだけど、彼らは、1曲目ともども、当時はコンサートの概念みたいなものを壊そうとしていたのかもしれない。
当時はもちろんまだビル・ベリーがドラムスで、やっぱりビルはリンゴ・スターと同系列の、歌に合わせつつグルーヴ感もいいというドラマーなのだと再確認。
ピーター・バックはギター1本でやっていると思われるんだけど、音が意外と薄くならず、ロックバンドらしっく颯爽としてかっこいいギタリスト。
マイク・ミルズはベース以上にコーラスで張り切っていて、音楽的支柱はやはりこの人だったんだと。
やっぱりこの4人のグルーヴ感は最高だったんだな、と実感するライヴでした。
ボックスセットになっていて、ポスターなども入っているけれど、もちろん貼らない、もったいないから(笑)。
実は僕は、いまだに、R.E.M.が解散したことが悲しくて仕方がない人間。
でも、こうした企画ものを出されると、もう終わったんだ、目を覚ませ、と言われているようにも感じます。
しかし、じゃあ再結成してほしいかというと、それも否かな。
少なくともビル・ベリーがいないかたちでの再結成は望まない。
なんとも複雑なファン心理を、僕はまだ持ち続けている。
まあ、それだけでも救われた気分になりますね(笑)。