はじめに。
この写真は記事の内容とはほとんど関係がない「非イメージ映像」です。
こちらでは、桜が漸く、満開から散り始めたところ。
今回は閑話休題的に、アルバムではない話。
毎週楽しみに見ている「笑点」で洋楽ネタが取り上げられていました。
先々週の放送で、前半の演芸コーナーに出ていたエド山口のギター漫談がそれ。
地上波の一般のテレビ番組で洋楽ネタが出るとうれしいことは、「黄色いギター」の記事でも書きましたが、今回はあの国民的人気番組で取り上げられたということで、うれしさもひとしお。
「笑点」は、この4月からBS日テレで「笑点 ディレクターズカット」という1時間番組が始まりました。
前半は地上波の放送を再度流すものですが、「大喜利」では放送でカットされた答えも出てきます。
カットされたものは、確かに、滑っている、という感じが・・・
後半は少なくとも僕は名前を知らない若手の演芸と、大喜利メンバーによる人生相談と楽屋風景などのBSオリジナルの内容です。
これを録画しているため、「笑点」は少なくとも2回は見るようになりました。
余談ですが、BS日テレでは、15年前の「笑点」も週に1回、2回分を1時間にまとめて放送しています。
こちらは先代円楽師匠、こん平師匠がまだ出ていますが、時事ネタが懐かしく、今放送しているのはちょうど横浜ベイスターズが優勝した頃のものです。
つまり、僕は週に何回「笑点」を見ているんだ!?
◇
エド山口のネタ。
ギター歴50年というエド山口、ベンチャーズ風のエレキギターを持っていきなりこんな話を始めました。
「音楽にはカヴァー曲というのがあって、これには2つあり、ひとつは他人の歌を歌うもの、もうひとつは自分がかつて歌った曲を歌い直すものでこれをセルフカヴァーといいます」
おいおい、いきなり「笑点」でそれは滑りやしないかと心配に。
昭和30年代の日本は洋楽のカヴァー曲に日本語の歌詞をつけて歌うのがブームだった、当時は歌い手すら英語がよく分からなかった、とこれはオチ、そこそこ受け始めてほっとした。
最初に歌ったのがポール・アンカのDiana 「ダイアナ」。
僕より上の世代では洋楽を聴かない人でも知らない人はいないのではないか、というくらい、日本における洋楽の象徴のような曲ですね。
"I'm so young and You're so old, this my darling I've been told"とまずは英語で歌った後、当時流行った平尾正晃の邦訳を歌いました。
「君は僕より年上で、ぼくは君より年下だ」
これはネタ(笑)、ほんとうはこう
「君は僕より年上と 周りの人は言うけれど」
このBLOG本来の洋楽についての考察、この訳詩はとてもよくできていますよね、内容も合っている上に歌メロに日本語の歌詞がうまく乗っている。
オリジナルがあまり早く歌っていないので乗せやすいのだとは思うけれど。
サビの最後の"Oh please stay by me Diana"だけ英語で歌うんですよね確か、でもそれも不自然には聞こえない。
客はこの辺りからだんだんと反応がよくなり、僕もほっとしました。
「笑点」の客は別に年配者ばかりではないだろうけれど、でも、昭和30年代の話だから洋楽とはいっても分かりやすいのでしょうね。
次は、ささきいさお(佐々木功)の話。
最初に「宇宙戦艦ヤマト」を歌い、かつては「和製プレスリー」と呼ばれていたと紹介して、エルヴィス・プレスリーのCan't Help Falling In Love 「好きにならずにいられない」の出だしを一節。
"Wise men say..." 続きは分からないんですけどね。
これもネタのはず、だって、これだけ知られた曲をこの人が歌えないはずがない。
しかしこれ、お客さんが分からないという以上に、日本における英語の問題が絡んでいるような気がして僕には興味深かった。
ちなみに続きは"Only fools rush in"。
その後で、ささきいさおの日本語の歌詞のを歌う。
「す~き~に~」ここまでは"Wise men say"に、「ならず~う~に~」ここまでは"Only fools rush in"に対応する部分で、こんな歌い方では眠くなってしまう、と。
これはささきいさおのを聞いたことがないので、ネタかどうかは分からなかったけれど。
昭和38年になるとビートルズがどっと入って来た。
待ってました(笑)。
最初はPlease Mister Postmanを英語で歌い、続いて日本語の歌詞。
「ミスター・ポストマン手紙、早く見たい中身」
当たり前だと突き放して、これもほんとにあったのかネタなのか分からなかった。
ただ、英語でも韻を踏んでいる部分を同じ「み」で韻を踏んでいるのはなかなかうまいと思った。
その日本語の部分のオリジナルは"Mister Postman look and see, is there a letter in your bag for me"で、"see"と"me"で韻を踏んでいるわけです。
ちなみに、言うまでもなくビートルズのヴァージョン自体がカヴァーで、オリジナルはモータウンのマーヴェレッツ、でも当時はビートルズの曲として日本に入って来てヒットした、そんな時代も感じました。
次はHelp!を冒頭から歌う。
まさかそれはないだろと思ったら「助けて!」と歌った人がいる、と、これは僕も会場も大いに受けた。
洋楽の曲って、若い頃は、このように意味を考えると結構間抜けなこと歌ってるんだよねって話しませんでしたか。
でも、音楽の場合、意味以前に音(おん)の響きがあるので、英語の歌を英語で歌って間抜けだとは思わないものだと分かってきました。
続いてYesterday。
これを「昨日(さくじつ)」と歌ったい人がいるけれど、そのまんまでいいじゃないかとツッコミ、確かに。
ビートルズはここまで。
昭和42年にジャッキー吉川とブルー・コメッツの「ブルー・シャトー」がレコード大賞をとってから、洋楽の日本語詞のカヴァーはなくなり、英語の歌は英語で歌おうという流れになったと説明。
例外として大ヒットしたのが西城秀樹の「ヤング・マン」でこれはヴィレッジ・ピープルの曲Y.M.C.A.がオリジナルと紹介。
西城秀樹はワム!のCareless Whisperも日本語の歌詞をつけて歌っていたし、コンサートではハードロック系の歌を歌ったりもするのだそうで、日本の歌謡界でも洋楽の匂いがする人ですね。
最後に紹介したもうひとつの例外、クールファイブがカーペンターズのYesterday Once Moreを歌った話が面白かった。
サビの有名な部分を前川清の声色で歌うのが、ジョークというかギャグとしてあまりにも出きすぎで大笑い。
「え~ぶりぃ~ しゃららら~ えぶりわぉ~お~おん いま~」
「いま~」は"still shine"の部分ですが、意味として合っているようで、でも音としてはなんとも滑稽。
僕は、クイーンのRadio Ga-Gaを美空ひばり風に歌ったり、レインボーのI Surrenderを和田アキコ風に歌ったりというギャグをたまにするのですが、まさにそののり、くだらない面白さがあった(笑)。
当然すぐに廃盤になったということですが、一度聴いてみたいなあ。
話はそこでやや唐突に終わったのですが、番組の時間枠の問題で仕方ないのでしょうね。
もっと聞いていたかった。
エド山口が最後に弾いたコードがE→Aで、テンプテーションズのThe Way You Do The Things You Doのイントロを思い出したけど、これはきっと偶然でしょう、よくあるコード進行だから。
◇
客の反応も結局はそれなりによかったけれど、洋楽が好きな人限定ならもっと大受けしたでしょう。
ただ、洋楽とはいっても、いわゆるオールディーズから70年代辺りを知っている人ということになるでしょうけど、今の若い人はそういうのは聴くのかなあ。
今の若い人と書いたけど、僕もまだ40代、若いとはいえないけれど、ポール・アンカの「ダイアナ」はオリジナルも日本語版もリアルタイムではありません。
僕が小さい頃、両親が歌謡番組が好きでよく見ていた影響で、その辺のことは割と知っている、ということです。
日劇ウェスタン・カーニバルとかよく話を聞かされましたが、今となっては懐かしいですね。
エド山口も久しぶりに見ました。
僕は、お笑いものやバラエティーものも他はほとんど見ないので、「笑点」の前半に出てきたところで若手の芸人さんを知ることが多いのです。
U字工事やザ・ナイツなどはそこで見て面白くて好きになったし、最近はハマカーンを知りました。
サンドウィッチマンも震災関係での活動には頭が下がる思いですが、お笑いを初めて見たのは「笑点」でした。
サンドウィッチマンはここで出てきたそれまで見たことがなかった人の中でネタがいちばん面白かった、と、余談はこの辺にて。
などなど、日常生活に潜む洋楽の話題を見つけた際には、また記事にしてゆきます。
そのつもりで、新たに「生活の中の洋楽」のテーマを設けました。
意外と、潜んでいるんですよね(笑)。
ところで最後に余談。
今日の非イメージ写真に登場したうちのハウには、恥ずかしい特技があります。
「笑点」の本放送が終わった午後6時に犬たちに食事を与えているのですが、いつしか、「笑点」の大喜利が終わったところでかの有名なテーマ曲が流れると、ご飯が欲しいと僕にアピールするようになったのです。
考えようによっては、さすがは盲導犬になる犬種で頭がいいと言えるのですが、でもなんか、ちょっと恥ずかしい・・・(笑)。
時々、録画で見ている時も、テーマ曲が流れると反応することもありますが、でも、その場合、腹時計と合わなくて不思議そうな反応を示します(笑)。