2012年今年のCD20枚
こちらのBLOGでは昨年からですが、毎年大晦日に僕は、その年の気に入った新作アルバムのランキングの記事を上げています。
今年は特に豊作で、20枚を取り上げることにして、10位までをランク付け、プラス10枚を紹介というかたちにしました。
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★1位
BRAVEST MAN IN THE UNIVERSE
ブレイヴェスト・マン・イン・ザ・ユニヴァース
Bobby Womack
ボビー・ウーマック
ボビー・ウーマックの13年振りの新作は、まさに宇宙のソウルミュージック、こんな音楽があるんだって驚きました。
ソウルの源はアフリカである、と頭では考えることはできても、いわゆるソウルとアフリカ音楽がこれだけ見事に融合できることを示したのは、目から鱗、そこが新鮮な感覚でした。
Nothin' Can Save Yaでは、マリの女性シンガーソングライター、ファトゥーマタ・ジャワラの揺らめく不思議な声が、大地を通して宇宙を感じさせてくれます。
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★2位
BORN AND RAISED
ボーン・アンド・レイズド
John Mayer
ジョン・メイヤー
ジョン・メイヤーがカントリー及びフォークブルーズへと、大胆な原点回帰を試みた1枚が充実の出来。
もう若手と呼ばなくていいのかな、貫禄すら感じますが
冷ややかでシニカルな現状認識にはやはり若さも感じます。
来日公演はしないのかな、必ず行きたい。
Speak For Meは、アコースティックギターの弾き語り風の爽やかだけど、それは寂しさを敢えて爽やかに表した強がりの曲。
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★3位
NOTHIN' BUT LOVE
ナッシン・バット・ラヴ
The Robert Cray Band
ロバート・クレイ・バンド
ロバート・クレイの新作を聴いて、ゲイリー・ムーアの名盤STILL GOT THE BLUESを思い浮かべました。
ロバートはブルーズマンだけど、ブルーズ色の濃いロックが僕の音楽のデフォルトであることを再認識しました。
ギターが素晴らしい、これは言うまでもないことだけど、その上彼はヴォーカリストとしても素晴らして大好きになりました。
Blues Get Off My Shoulder、これぞ泣きのブルーズ、ギターも歌も泣いている。
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★4位
WRECKING BALL
レッキング・ボール
Bruce Springsteen
ブルース・スプリングスティーン
ブルース・スプリングスティーンの新作は、ほのかにかすかにアイルランドの香りがするのが最初は不思議でした。
でも、前作との間にアイルランドでのライヴ盤も出していたし、数年前にピート・シーガーのカヴァーアルバムを出してフォークへの回帰を感じさせた、この2つのことを鑑みるとだんだんと納得、しかも音楽は素晴らしい。
アイルランドの音楽にはやっぱり僕は引かれるようですね。
ボスは、前々作が出た時、それは後期最高傑作だと思ったけど、前作が出て、これは前々作よりはるかにいい、と感じた。
そして今作は、最初は抵抗があったけど、聴いてゆくうちに、やっぱり前のアルバムよりいいかもしれない、と思うに至りました。
ボスももう60、こんな年になってもアルバムを出すごとに色が違い、前よりいいと感じさせるのは、すごいとしかいいようかないですね。
Land Of Hope And Dreams
People Get Readyの歌詞を引用し希望を持つことを呼びかける。
さらには亡くなったクラレンス・クレモンズの最後の録音でもあり、今年新たに聴いた中では最も感動した曲。
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★5位
THE ROAD FROM MEMPHIS
ロード・フロム・メンフィス
Booker T. Jones
ブッカー・T・ジョーンズ
ブッカー・T・ジョーンズのこれは2011年にリリースされていますが、今年のグラミー賞受賞の後で買って聴いたのでここに入れました。
僕が今年いちばん聴いたアルバムはおそらくこれだと思うのですが、インストゥロメンタル中心で、どんな気分の時にも聴けるのがいい。
しかも軽くはなくタイトでシャープな演奏で聴かせてくれる。
歌ものも4曲ありますが、それがまたいい。
Representing Memphisで歌うシャロン・ジョーンズというソウル歌手の声が艶やかで広がりがあってとっても素晴らしくて気に入りました。
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★6位
TEMPEST
テンペスト
Bob Dylan
ボブ・ディラン
ボブ・ディランが聴きやすいなんて、昔は想像できなかったでしょうね。
基本はディランが聴き育ったスウィングを意識した音楽だけど、全体的にいい具合に斜めに揺れていてほんと心地よい。
なおこれは、9月11日にリリースされたのですが、実はディランは、かのテロの日、2001年9月11日にアルバムをリリースしていて、もちろん偶然だけど、アメリカを背負ってしまうディランのことだから、いつかきちんと思いを込めたアルバムを出したかったのでしょう。
Duquesne Whistle、楽しい!
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★7位
AFTER HOURS
アフター・アワーズ
Glenn Frey
グレン・フライ
グレン・フライの新作は自作も含むアメリカンスタンダード集。
驚いたのは、グレンって、こんなにも歌が上手かったのか、ということ。
曲のアレンジはどちらかといえばオーソドックスだからこそ、歌に気持ちが向かいやすかったこともあったのですが。
グレン、ごめんなさい、見直しました(笑)。
Caroline, No、ビーチ・ボーイズの曲を取り上げるというのは、アメスタにしては時代が新しすぎると一瞬思うけれど、もはや彼らもスタンダードという思いと、彼らはスタンダードを継承していたという見識が垣間見えて納得できます。
曲の持っている美しくとろける感じを上手く歌い上げています。
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★8位
OCCAPELLA!
オッカペッラ!
Jon Cleary
ジョン・クリアリー
ニューオーリンズの音楽に魅せられてアメリカに移住した英国人のジョン・クリアリーが今年届けてくれた新作は、「ニューオーリンズの帝王」、アラン・トゥーサンの曲を中心としたとびっきり楽しいアルバム。
こってりとはしていないスマートさがいかにも英国人のセンス、ニューオーリンズの音楽入門にはもってこいの1枚かも。
Let's Get Low Downにはボニー・レイットとドクター・ジョンが参加という豪華なこの曲、実際はかなりだるくて緩い雰囲気がなんだか楽しい(笑)。
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★9位
LITTLE BROKEN HEARTS
リトル・ブロークン・ハーツ
Norah Jones
ノラ・ジョーンズ
ノラ・ジョーンズが札幌に来てくれた、それだけでもううれしい。
ただ、この新作は音を作り込み過ぎていて、せっかくのノラの声の魅力がサウンドに埋もれてしまっているのが残念。
曲もそれまでにないほどポップでロック的であるのも驚いた。
ただ、それは、彼女の失恋の結果の新たな挑戦として受け止めることはできるし、次の展開が早くも楽しみになりました。
そういう点では過渡期の1作かもしれません。
ただし聴いた回数は多くて、特に遠征で車でよく聴きました。
Out On The Roadはコンサートで2曲目に演奏、ロックバンド的まとまりがよかった。
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★10位
MYSTIC PINBALL
ミスティック・ピンボール
John Hiatt
ジョン・ハイアット
ロック界のムカシトカゲと勝手に命名したジョン・ハイアット。
もうすっかり僕の基本の人となりましたが、今年の新作も前作同様、アイアン・メイデンも手がけるケヴィン・シャーリーが担当。
ロック的な押しの強さ、アクの強さを強い音で表していて、このおじさんますますのってきたなという印象(笑)。
>It All Comes Back Someday、この人の曲は、エキセントリックなのかオーソドックスなのか分からない、曲によって違うのですが、この曲は、こんなのあり? というくらいにオーソドックスな分かりやすいポップソング。
昔からのロックが好きは、懐かしさがこみ上げてくるはず。
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11枚目以降は順位はつけずに、1行だけコメントを入れて紹介してゆきます。
◎
ANALOG MAN
アナログ・マン
Joe Walsh
ジョー・ウォルシュ
トラヴェリング・ウィルベリーズを彷彿とさせる音は感涙もの。
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◎
LOCKED DOWN
ロックト・ダウン
Dr. John
ドクター・ジョン
ニューオーリンズの深淵な世界。
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◎
LOTUS
ロータス
Christina Aguilera
クリスティーナ・アギレラ
アイドルであろうと何であろうと好きなものは好き(笑)。
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◎
GLAD ALL OVER
グラッド・オール・オーヴァー
The Wallflowers
ザ・ウォールフラワーズ
Reboot The Missionの悲壮感、切迫感、空虚さがたまらない。
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◎
BANGA!
バンガ!
Patti Smith
パティ・スミス
Fuji-sanで日本へ思いを寄せてくれて感謝感激。
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◎
SLIPSTREAM
スリップストリーム
Bonnie Raitt
ボニー・レイット
ボニー・レイットの声を久しぶりに聴けただけでもうれしい。
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◎
AMERICANA
アメリカーナ
Neil Young & Crazy Horse
ニール・ヤング&クレイジー・ホース
アメリカのフォークソングのカヴァー集だけど、何を歌ってもやっぱりニールはニール(笑)。
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◎
PSYCHEDELIC PILL
サイケデリック・ピル
Neil Young with Crazy Horse
ニール・ヤング&クレイジー・ホース
しかも驚いたことにニール・ヤングは、1年に2枚の新作を作った。
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◎
BORN TO SING : NO PLAN B
ボーン・トゥ・シング:ノー・プラン・B
Van Morrison
ヴァン・モリソン
ヴァン・モリソンの歌への思いが、ブルーズやトラッドそれにジャズへの敬意を通してより身近に感じられる、肩肘張らずに聴ける余裕の1枚です。
◎
KISSED ON THE BOTTOM
キッス・オン・ザ・ボトム
Paul McCartney
ポール・マッカートニー
ポール・マッカートニーの新作はアメリカンスタンダード集。
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今年はほんとうに豊作で、20枚を選んだ上に、入らなかったものも例年ならもっと上であろうというくらい。
おまけに、12月になってから聴いた2枚の新譜もよくて、しかしそれらは期間が短いので来年に回すことにしました。
来年はどんな素晴らしい新譜を聴けるか、早くも楽しみです。
今年1年、当BLOGをお読みいただきありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。
良いお年をお迎えください。