THE TEMPTATIONS SING SMOKEY テンプテーションズ | 自然と音楽の森

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◎THE TEMPTATIONS SING SMOKEY

 

▼テンプテーションズ・シング・スモーキー

☆The Temptations

★ザ・テンプテーションズ

released in 1965

CD-0218 2012/3/17

The Temptations-02

 

 今日はテンプテーションズです。

 

 

 火曜日23時からの「ベストヒットUSA」の「タイムマシーン」のコーナーが今週はテンプテーションズのMy Girlのライヴ映像でした。

 

 僕も持っているライヴ・フッテージを集めたDVDからのものでもちろん見たことがあるのですが、やっぱりいいですね。

 

 今日記事にしたのはしかし、テンプスを紹介する際に小林克也さんが言った言葉が気になったからです。

 「テンプテーションズって今の若い人は知ってるんですかね、モータウンの黒人のコーラスグループでヒット曲がたくさんあるんですよ」

 

 知ってますよ!

 

 僕は今の若い人じゃないけれど(笑)。

 

 でも僕は、はっきりとは覚えていないんだけど、高校1年の時にはテンプテーションズのMy Girlは知っていたと思う、少なくとも高校時代にははっきりと曲が分かって曲名とアーティスト名が結びついていました。

 そもそもはそういういい歌があってという話から先に聞いたのだと思うけど、ロックやソウルの歴史を振り返る番組で見て聴いて、これがその有名な曲か、ほんとうにいい曲だと思いました。

 

 しかしおそらく、もう30年近く前だけど、当時の僕くらいの世代の人の間でもテンプテーションズは、洋楽を好んで聴く人の間でもあまり知られてなかったのではないかと。

 

 当時は一応はまだ活動していたもののもう終わったという感じだったようだし、と、これは最近知ったことだけど。

 

 僕は今まで少なくとも3回、BLOG上で、実際の年齢より10くらい上に見られたことがあります。

 

 好んで聴いている音楽がビートルズから1970年代中頃まででBLOGで記事にするのもその辺が多かったからだと思います。

 年齢詐称だとか言われましたが(笑)、でも僕は昔から古い音楽にひかれて聴いていたということなのだと思い、My Girlを知っていたことはそのいい例でしょう。

 

 My Girlは響きが優しくて歌メロが分かりやすいし、高校時代に初めて知ったというよりは、小さい頃にどこかで耳にしたけどずっと眠っていた曲を思い出したような感覚に陥りました。

 

 歌詞も簡単で高校生でも何を言っているか分かり、特にサビの部分はアメリカなら幼稚園児でも歌えるのではないかと思います。

 

 僕は今までの生涯で確か5回しかカラオケをしたことがないのですが、東京にいた大学生の頃にアルバイト先の仲間で生まれて初めてカラオケに行った時に歌った記念すべき最初の曲がこれでした。

 

 バイト先の先輩というか友達がソウルが好きで、サビのあの"My Girl"のところでコーラスをしてくれたのですが、もう一人の先輩でやはり友達も一緒にコーラスをしていて、その友達は洋楽が特に好きというわけでもないのだけれど知っていたのは、やっぱりよく知られた曲だったのかなと思いました。

 これを選んだのはただ歌いやすそうだったからですが、思いのほか盛り上がったのは楽しかった、いい思い出ですね。

 

 なんてことを、小林克也さんが「若い人は知ってますか」と言ったところで「知ってるよ」と言いながら心の中でぶつぶつ言っていたのでした(笑)。

 

 分かってます、今の若い人じゃないですけどね、僕は(笑)。

 

 しかしMy Girlを作ったのがスモーキー・ロビンソンであることは30歳近くになって知りました。

 

 

 

 スモーキー・ロビンソンはポップソングの歌詞に芸術性を持たせた人であり、ボブ・ディランもジョン・レノンも歌詞に注目し尊敬していた人ですね。 

 

 スモーキーはモータウンの副社長でモータウンのアーティストに曲を書きながら自分たちでも歌っていたことは高校時代から知っていましたが、この曲がその中の1曲だったのを知ってうれしかった。

 

 今回取り上げたアルバムは、そんなスモーキーのシンプルだけど奥深い歌詞とポップな曲をテンプスが歌うというアルバム。

 このアルバムの存在を知ったのはソウルを聴くようになってからだから3年前かな、こんなアルバムがあるんだって、うれしいを通り越してまるで魔法にかけられたような感覚にもなりました。

 

 すべてがこのための録音ではなく、例えば1曲目The Way You Do The Things You Doはテンプスの最初のアルバムに入っていた初めてのヒット曲。

 

 実はこの曲はこのBLOGの記事で取り上げるのは3回目で、その最初のアルバムが1回、テンプスのデヴィッド・ラフィンとエディ・ケンドリックスがホール&オーツのアポロのライヴにゲスト参加した際にも歌っていた、それがもう1回。

 これは日常生活にこぼれている小さな幸せを感じ取ることができる曲ですね。

 

 3曲目がMy Girl、デヴィッド・ラフィンの力強いけどちょっともろさがあって繊細さも感じるヴォーカルがこの柔らかい曲には合っていますね。

 

 この曲は間奏のストリングスが奏でる旋律もよくて、自分で口ずさんでいると間奏も口笛を吹くかハミングして口ずさむ、まさに歌の流れの中の間奏のお手本のような曲。

 その後すぐに転調してラフィンの声が高くなり、切なさが少し出てくるのを他の4人のコーラスが包み込んで大団円になるのもいいですね。

 この曲は洋楽を聴く人であればマストアイテムだと僕は信じて生きてきました。

 

 

 

 

 7曲目Who's Loving Youは後にジャクソン5がカヴァー。

 

 まだ子どもだったマイケル・ジャクソンがあの声で切なく歌い上げて彼らの名演のひとつになりました。

 さらにはテレンス・トレント・ダービィが1stアルバムの最後で歌っていて、こちらは悲壮感漂うアレンジになっていましたが、スモーキーの曲は歌手の邪魔せずむしろ歌手の魅力を引き出すものなのでしょうね。

 そしてこの曲は、ジョン・レノンが1965年頃からツアーの際に持ち歩いていたジュークボックスにも入っていた曲であることを、「ジョン・レノン・ミュージアム」が閉館する年に行った展示物で見て知りました。

 

 11曲目You've Really Got A Hold On Meはもはや言うまでもなくビートルズが歌って有名になった曲ですが、この曲はほんとにカヴァーが多いですね。

 

 ビートルズは1963年に歌っていますが、テンプスのこれはそのビートルズより後であるのは興味深いですね。

 

 12曲目(You Can) Depend On Meはでも、スモーキーのファルセットで歌うあの胸が締め付けられるような感覚がいいんだけど、テンプスもここでは先輩を立てているのでしょうね(笑)。  

 

 

 My Girlでもうひとつ思い出した。

 この曲は英国ではオリジナルのテンプスではなくオーティス・レディングのカバーでヒットしたので、英国人のピーター・バラカンさんは暫くの間はオーティスの曲だと思っていたということです。

 

 

 

 テンプテーションズは、いいところのお坊ちゃんじゃないけれど真面目に生きている中流家庭という雰囲気がしますね。

 日本は昔は6割が中流家庭だと思っていた、でも今はそれも昔の昭和の話なのでしょうね。

 テンプテーションズを聴くと、今の世の中にすっかり定着した、昭和を懐かしむ空気を感じずにはいられないですね。

 なんとなく、都電が似合いそうな気がしてきました(笑)。


 

 テンプスやスモーキーは大好きなので折を見て記事にしてゆきたいですね。

 

 それもだけど、「ベストヒットUSA」を見ることをもう忘れなくなったので、それ関係の記事も増えそうですが(笑)。