21 アデル  | 自然と音楽の森

自然と音楽の森

洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。


自然と音楽の森-March09Adele


◎21

▼21

☆Adele

★アデル

released in 2011

CD-0214 2012/3/9


 アデルも聴いてます(笑)。


 アデルは元々聴いてみたいとは思っていたのですが、今年のグラミー賞のノミニーが発表された段階で、今年はアデルの年になるのかなと予想というか予感し、発表に先んじて買って聴きました。」


 予想通りアデルは、最優秀年間アルバム賞、最優秀年間レコード賞、最優秀年間楽曲賞の主要3部門を独占、全部で6部門を獲得したことはニュースでも報じられました。

 彼女はこの前のデビュー作でも最優秀新人賞も受賞しているのでこれで4冠すべてを手に入れたことになりますね。

 若干23歳、すごい人が現れたものです。


 このアルバムについては多くの人がいろいろなところで話しているでしょから、僕は短めに、僕が思って感じたことを書いてみます。


 いちばん感じたのは、人間の声の可能性は無限であるということで、この先、音楽の世界がどのように変わっても、或いは変わらなくても、個性的で魅力がある声を持った歌手は永遠に出続けると確信しました。
 基本は力強くて少し枯れた声で、高音はのびやかで時にシャウトもするし艶やかに歌うこともあるけどいつでも気持ちが強くオンで攻めてくる感じ。

 でも声については文字でそれ以上表すのは難しいかな。


 僕が驚いたのは全体の音作りでした。
 彼女はウィキペディアでは一応ブルーアイドソウルになっていましたが、R&Bを基本としているけどむしろロックとも言えるもので、落ち着いた音楽ではない、どちらかというと煽る音楽でした。

 歌姫といえばしっとりと歌うというイメージを持ってしまいがちだけど、そんな考えにカウンターをくらわされた気持ちになりました。

 しっとりと歌うと勝手に想像していた影響で、(勝手に)思っていたよりもジャズの影響が薄かったんだけど、でももうこうなると何の影響を受けていると具に分析するのも意味がないくらいのまさに新しい形の音楽と感じました。


 声の話に戻ると、彼女の歌はただ、力唱はするけれど切迫感はあまり感じられず、聴き終わって残るものは意外とあっさりしていました。

 私には音楽しかないのよといった生き様みたいなものがあまり感じられず、才気のほうが今は上回っていて、歌手としての彼女に今のところ足りないのはその部分かもしれません。

 断っておきますが、僕はこれを好意的に書いています。
 僕は生き様が露わになっている人の歌を聴くのが恐いんです。

 それは根っからのポップソング好きだからだと思うのですが、アデルはその点でも予想に反して聴きやすかったです。


 つまり僕はアデルについては、実際に聴く前にかなり偏った先入観を持っていたということで、これは大いに反省の余地ありです。

 買う前にたまたま1曲目Rolling In The Deepをラジオで聴き、曲の覚えが人数倍悪いこの僕が最初の4小説を一発で覚えたのは、作曲能力も高いのでしょうね。


 このアルバムを買ってみようと思ったもうひとつの大きな要因は、プロデュースがかのリック・ルービンであることでした。

 リック・ルービンはレッド・ホット・チリ・ペッパーズからニール・ダイアモンドそしてディクシー・チックスなどなど、ロックもヘヴィメタルもカントリーもラップもプロデュースしてしまう人。

 彼の作り出す音は、がつんと当たりが強いんだけど心の中に到達したときにはまろやかに響いてくるといういわば二律背反を成し遂げてしまった鬼才、それがリック・ルービンでしょうね。

 ちなみに僕の中ではリック・ルービンといえばトム・ペティのWILDFLOWERSなのです、ここ強調したいのですがそれはまたいつか記事に(長くなるので)。

 アデルのこのアルバムはその点でも安心して聴けるもので、メリハリがある彼女の曲や歌い方にはまさにぴったりですね。


 このアルバムは、アデルという人は、なんだかすごいと思いました。

 それにしても英国は最近ほんと才能のある女性歌手がたくさん出てきていますね。


 ところで、彼女の1枚目のタイトルは19で、それは1枚目がリリースされた時の彼女の年齢でしたが、この2枚目はリリース時点では22歳になっていたようです。

 しかしそれはリリース時よりも曲を書いた時期を表しているものかもしれません。
 いずれにせよアルバムタイトルは3枚目以降も年齢を反映させるのか、それもまた興味深いところですね(笑)。
 そういうタイトルのつけかたも今までありそうでなかったですね、シカゴみたいにただ何枚目というのはあったけど。

 そうか、ありそうでなかった、というのはアデルという人のキーワードかもしれないですね。


 ともあれ今後とも要注目のアーティストがまたひとり増えたのはうれしいですね。

 年をとるに従い、だんだんと若い人にはついてゆけなくなってきたのは確かですが、でも時々こうして聴ける人がいるのはほっとする部分があります。

 アデルは、年齢が僕の半分なんですが・・・(笑)・・・


◆◇


 当BLOG「自然と音楽の森」は本日、開設1周年を迎えました。


 お読みいただいている皆様、ありがとうございます!


 最初は、せいぜい今日くらいに短めに印象をまとめて毎日上げるつもりでそうしていました。


 でも、だんだんと、20年以上前から聴いてきているアルバムと昨日初めて聴いたアルバムが同じ文量というのがだんだんと自分の中で納得できなくなってきて、そのうち全曲についてひとことでも5行でも触れるアルバムが増えてきました。

 昨日聴いたばかりのアルバムを長く書くこと以上に、20年以上前から聴いているアルバムを短く書くことのほうが僕にはきついというか、つらいというか。


 夏ぐらいからそれで悩んで、毎日上げないどころか、数日の間が空くようにもなりました。


 でも、BLOGは、少なくとも僕は仕事としてやっているのではなくあくまでも楽しみでやっているのだから、長いのもあれば短いのもあっていいしむしろそれが当たり前じゃないかなと、昨年の秋ぐらいになってようやく自分でも納得できるようになりました。

 

 自分の気持ちとしては毎日1枚はやはりちょっと厳しくて、2日で1枚か3日で2枚くらいのペースがいいかなと思えるようにもなりました。

 ただし出張などで時間が取れない時は別ですが。


 そのような感じで、いい意味で適当に続けてゆきたいと思っております。


 これからもよろしくお願いします!