MIDNIGHT MADNESS ナイト・レンジャー | 自然と音楽の森

自然と音楽の森

洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。


自然と音楽の森-Feb22NightRanger2nd


◎MIDNIGHT MADNESS

▼ミッドナイト・マッドネス

☆Night Ranger

★ナイト・レンジャー

released in 1983

CD-0205 2012/2/22


 ナイト・レンジャーの2枚目のアルバム。


 昨夜はケーブルテレビで放送されている「ベスト・ヒットUSA」を見ました。

 火曜の23時からの放映だと分かったのが先月で、すぐには覚えられずに2週ほど見落としたのですが、曜日も時間もちょうどいい頃合いでこれから見てゆこうと思っています。


 昨夜はしかし僕はあまり興味がない特集だったので、CDをかけることはなかったけど、弟と音楽のことをいろいろい話したりネットでCDのリリースと在庫チェックなどをしていました。

 その中でナイト・レンジャーの話になり、突然聴きたくなり、番組が終わった後に聴きました。

 ベストヒットつながりで思い出したものだけど、バンド名もアルバム名も、思い出すにはちょうどいい時間帯でした。


 ナイト・レンジャーは洋楽に興味を持ち始めた頃にちょうど出てきたので思い出はいろいろあります。

 ありますが、当時はレコードを買うことはないまま、30歳を過ぎて初めてCDを買って聴くようになりました。

 僕はどうやらハードロックが好きそうだと分かったのはちょうどその頃で、ハードで歌メロがいいというナイト・レンジャーはすぐにでも好きになりそうなものだと今にして思うんだけど。


 このアルバムのSister Christianはそれこそ「ベスト・ヒットUSA」で見て聴いて一発で大好きになり、タワーレコードでLPを手に取って見るところまでいきました。

 次のシングルだった7曲目のWhen You Close Your Eyesも流れるような歌メロが気に入ったことは気に入りました。

 1曲目(You Can Still) Rock In Americaはラジオで聴いてアップテンポだけど歌メロがしっかりしたカッコいい曲でいいなと思いました。

 でも、買わなかった。



 ひとつは、よく話に出すけど、中学時代からの悪友がハードロック・ヘヴィメタル系、以降これを「バーン系」と書くことにします、を聴き始めてそれ以外の音楽をバカにするようになり、ナイト・レンジャーは「バーン系」だから僕はそれに反発していたというのはあるでしょう。

 これが大きいかな、でも、それだけじゃないような気もする。


 もちろん当時はお小遣いの関係で欲しいLPがすべて買えるわけでもなかったから、単に資金的な問題というのもあるでしょう。

 ただ僕の場合、LPを買わないからといって他のものに使うことはほとんどなくて、AというLPを買わなくてもBというLPを買う、ただそれだけのことでした。

 ということはナイト・レンジャーのこれは優先順位が低かったということで、そこには何かありそうです。


 結論と言っていいかどうか分からないけど、とにかくこの話のまとめとして言えることを。

 僕がLPを買うのをためらってやめたのは、アルバムとして聴くにはあまりいいものではないんじゃないかなという、ヤマ勘というか、雰囲気というか、とにかくそれを強く感じたからでした。


 ビートルズから始まった僕は10代の頃はアルバム至上主義で、シングルで大ヒットするようないい曲があってもアルバムとして気に入らなければそこで終わっていました。

 高校に入ってタワレコで輸入盤のドーナツ盤が490円で買えるようになり、シングルだけ買うことも増えました。

 

 でも、もう少し考えると、ではどうしてそういうヤマ勘が働いたのだろう。


 これはもう、それが音楽というものじゃないかなと。

 冷静な判断以前に、感じるものだから。


 シングル曲を聴いて気に入って、アルバムにはもっといい曲がありそうと感じればLPを買うし、そうじゃなければ買わない。

 ビデオクリップを録画して見て聴ようになってからは、シングルまでたどり着かないものも増えてきた。


 ナイト・レンジャーには、当時の僕はあまりわくわくしませんでした。

 シングル曲を聴く限り、いい感じではあるんだけど、僕にはちょっとポップにやりすぎじゃないのかと思った部分もありました、そこに無理を感じたというか。

 おまけに、LPを手に取った時、ジャケットがあまり気に入らなかったことも覚えています。


 アルバムを初めて聴いたのは30歳を過ぎてからでもちろんCDでしたが、当時思っていた通り、上記3曲以外は印象に残らず、アルバムとしてとてもいいものだとは思えませんでした、あくまでも僕の感じですが。


 ただし、最近になってもれ聞くところによれば、彼らはバラード系はレコード会社に入れるように言われていて半ば渋々歌っていたということなので、彼らを責めるのはお門違いかなと思う部分はあります。

 実際にRock In Americaのようにアップテンポの曲も僕は気に入っているのだから、そうであるならその路線で攻めていればまた僕も違った感じ方をしたかもしれません。

 ただしのただしで、Sister Christianも外部の作曲家ではなくメンバーが書いているので、レコード会社の要請に十分以上に応えられる作曲能力があった集団であることも分かりますね。

 ポップソングとしてはそこは素直に評価していいのではないかと思います。


 そして僕も年を取って以前ほどアルバム至上主義ではなくなり、まだかけらは残っているんだけどそこにはこだわらなくなり、音楽に意味を求める傾向も減じ、歌を覚える気力も萎えてきました。

 そうなると逆に、ただかけていて気持ちがいい音楽の存在価値が僕の中では大きく上がりました。

 

 ナイト・レンジャーはだから、今は、かけているとかなりいいですね、そう思います。

 ハードでポップな音はそもそも僕のデフォルトだし、かけていて悪い意味で気になる、ということがありません。

 また僕は1980年代サウンドで育ったので、かけていると何かほっとするものも感じます。

 僕も昔を懐かしむようになったんだな(笑)、いや、懐かしむのは誰でももっともっと若い頃からそうでしょうけど、懐かしいという気持ちを正面からとらえて正当化できるようになったというか。

 

 実際、時々聴きたくなるのだから、30年近くが経ってようやく僕は、ナイト・レンジャーとのちょうどいい距離感をつかめたようですね。

 そういうバンドはまだまだあると思い、だから、昔はそれほど好きではなかったものでもまだまだ好きになる可能性はありそうです。


 などなど、「ベスト・ヒットUSA」を見ながら思ったことを起点に書き進めてみました。

 正確にいえば、昨夜の場合は見てはいなかったかもしれないですが(笑)。

 また来週、何かを感じるかもしれない。

 

 しかし、番組で僕がいちばん気になったのは・・・


 小林克也さん、滑舌が悪くなったよなあ。