BACK FOR THE ATTACK ドッケン | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森1日1枚-Nov11Dokken

 

◎BACK FOR THE ATTACK

 

▼バック・フォー・ジ・アタック

☆Dokken

★ドッケン

released in 1987

CD-0157 2011/11/11

 

 ドッケンの4枚目のスタジオアルバム。

 

 「デルタ」の次はいきなり「ヘビメタ」(笑)。

 

 

 このアルバムはへヴィメタルがブームを迎えた1987年にリリースされヒットしました。

 

 

 僕は1987年から新譜をCDで買うようになり、同じ年に少し遅れてへヴィメタル系を聴き始めました。

 

 弟もほぼ同じころにへヴィメタルに興味を持ち始めたので、このCDは僕が最初に買った100枚のCDに入るんじゃないかな、ごく初期に買ったものです。

 聴くのはもう下手すると20年振りくらいだけど、やっぱり初期のCDだから音が小さいし細い感じがしますね。

 

 ドッケンは僕がへヴィメタルを聴き始めた当時は既にAlone Again(ギルバート・オサリヴァンとは同名異曲)という名曲を生み出していてメタルファンの間では評価が高いバンドでした。

 

 当時はボン・ジョヴィが大ブレイクしモトリー・クルーもトップスターの仲間入りをした頃で、大きく売れたのは彼らの方が先でしたが、メタルファンの間ではドッケンはそれらよりも格上とみなされていました。

 

 音的にはL.A.メタルといっていいのでしょうね、ラットやモトリー・クルーと同じ類。

 ただし、曲がマイナー調だとかそういう次元より少し広いレベルで、ドッケンは他のL.A.メタルよりは湿り気があり影をひきずっていて欧州的だと言われていました。

 当時は本やテレビなどでそんな情報を集めながらへヴィメタル系を聴いていました。

 

 聴いてみると、シングルヒットしたBurning Like A Flameは典型的なL.A.メタルというからっとした感じがあるけど、そうですね、全体的には明るいだけではないひきずる部分を感じました。

 

 その辺が多分「能天気なL.A.メタル」とは一線を画する部分として評価されていたのだと思います。

 

 メタル系を聴き始めた当時は、僕と弟は、バンド以上に各メンバーをキャラクター化して覚えて親しんでいました。

 

 メタル系の多くは「元○○の誰それ」とかそういう人たちの離合集散で成り立っているので、上手いプレイヤーはどこに行っても目立ち、バンド同様個人も注目されるのでキャラクターとして接しやすかった部分はあります。

 「キャラが立つ人」とはよく言われるけど、もちろん裏方的で目立たない人もいたり、逆にルックスだけの人、中には目立たないけど陰で実権を握っている人とか様々でしたが。

 

 ドッケンの場合はキャラが立つ人物はヴォーカルのドン・ドッケンとギターのジョージ・リンチでしょうね。

 

 

 ドン・ドッケンはよくヴォーカルの線が細いと言われていて、高音になるとパワフルではなくちょっと浮ついた感じになるのが特徴。

 もちろん決して下手というレベルではないんだけど、でもメタル系のヴォーカリストの中で聴くと、線が細いという意味がよく分かります。

 この人は僕はつかみどころがない人だと思っていました。

 

 ジョージ・リンチは当時はトリッキーなプレイをやるとエドワード・ヴァン・ヘイレンより上などと言われていましたが、当時は上手いギタリストはみんなエドワードと比べられていましたね。

 

 世の中そういうものなのでしょうね、今はダルビッシュ2世がたくさんいるように(笑)。

 僕の印象ではジョージ・リンチのギターは恐い音を出すという感じでありだから僕の中では恐い人というキャラでした。

 それが結実したのがこのアルバムに入っているインストゥロメンタルの名曲Mr. Scaryでしょうね、タイトルからして恐いから。

 なんて冗談ですが、この曲はほんとうにヘヴィメタル界のインストゥロメンタル曲では屈指の名曲だと思います。

 

 しかしこの2人が仲が悪いことが当時から公然の秘密となっていて、ジョージ・リンチは次のライヴ盤の後すぐに脱退してしまい、ドッケン自体もヒットを出せずに分裂しました。

 

 

 何がよくなかったんだろう。

 

 と思ったところでヒットしたBurning...の明るさは今聴くとこのアルバムの中でも浮いていて、それは売れ線狙いだったのかな、色気を出して元々の路線を踏み外したのかな、それならよくあることだな・・・

 あくまでも今これを聴いて想像しただけのことですが、でもまあ他との差別化ができなくて、ファンの間ではともかく一般的には飽きられたのでしょうね。

 

 このアルバムは正直言えば聴き込んだというほどではなかったので、上記の2曲以外は3曲しか覚えていませんでした。

 

 

 1曲目Kiss Of Deathはスピード感と切れがある1曲目にはふさわしいなかなかの佳曲。

 

 まあ、なんぼなんでも1曲目を覚えていないというアルバムはほとんどないでしょうしね(笑)。

 

 5曲目Heaven Sentはシングルでも話題になったわけでもないアルバムの中の曲でなぜかこれだけ覚えていました。

 

 サビが分かりやすいからかな、まあそういう曲はどんなアルバムにもあると思います。

 

 もう1曲が最後13曲目のDream Warriors。

 

 これは映画「エルム街の悪夢3 惨劇の館」のテーマ曲としてビデオクリップも作られましたが、まあそういう経緯でマイナー調のポップなメタルのひな形という感じの曲、いい曲だけど。

 でも実は久しぶりにこのアルバムを聴いて、この曲の前の12曲目がSleepless Nightという曲で、そうかそこから悪夢につながっていたのかという仕掛けが当時は分かっていなかったことに気づきました(笑)。

 

 アルバム全体はそこそこに曲が粒揃いだしいい意味で安定していて出来がよく聴きやすい1枚です。

 

 僕も今はだいぶ穏やかな音楽を好むようになっていて、もちろん年齢のせいでもあるでしょうね(笑)、このアルバムは今は何もしない時にさらっとかけておけるという感じじゃないかな。

 信じられないかもしれないですが、メタル系に熱心だった頃にはちょうどこれくらいがさらっとかけておけるくらいの音だったんです、あ、書いていて自分でも信じられないけど(笑)。

 ただ、スポーツを見ながら聴くとか、ドライブとか、気持ちが少し積極的な時にはやっぱりこの手のメタル系は今でもなかなかいいなと思いますね。

 

 もちろん僕はヘヴィメタル系ばかり聴いていたわけではなくむしろそれが従のほうでしたが、キャラクターとしてミュージシャンに接することで分かりやすくなり、それがミュージシャンへの親しみが増すことにつながっていたのかなと思います。

 

 

 今でもその影響でバンドのミュージシャンをキャラクター化してとらえるところが僕にはありますね。

 

 

 例えば、解散してしまったR.E.M.のベースのマイク・ミルズは真面目な面構えの割に張り切る姿がユーモラス、ジリーランド・スクラーはベース仙人、セッションドラマーの第一人者のジム・ケルトナーは意外とお茶目、とか。

 

 

 音楽は人間がやっていることだから、そういう楽しみかたもまたいいのかなと。

 

 最後に、今日、明日、明後日と札幌で女子バレーボールW杯の試合が行われます。

 僕は元々女子バレーは結構好きで見ていましたが、月並みだけど「さおりん」こと木村沙織選手のファンで、会場に行きたかったんだけど、ひとまずやめておきました。

 

 なぜ唐突にバレーボールの話になったかというと・・・

 

 

 テレビで試合を見ていると江畑選手がものすごい「バックアタック」をするたびに、ドッケンのこのアルバムの曲が頭をよぎったからです・・・(笑)・・・

 

 

 いつものセリフだけど、音楽を聴くきっかけなんてそんなものです(笑)。