◎HERO
▲ヒーロー
☆Clarence Clemons
★クラレンス・クレモンズ
released in 1985
CD-0080 2011/06/20
クラレンス・クレモンズが亡くなりました。
今朝の新聞記事を見て驚き残念に思いました。
スポニチの共同記事をそのまま書き出して引用しますが引用者が文意を損なわない程度に一部手を加えています。
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クラレンス・クレモンズ氏 69歳 (米サックス奏者)
18日、フロリダ州パームビーチの病院で死去。12日に同州内の自宅で脳卒中で倒れ入院していた。
1942年、バージニア州生まれ。9歳でサックスを始める。70年代前半から、米歌手ブルース・スプリングスティーンの「E・ストリート・バンド」のサックス奏者として活躍。1メートル90センチ以上、100キロを超える巨漢だったことから「ビッグ・マン」という愛称でも知られた。
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1942年生まれはポール・マッカートニーと同い年だけど、1970年代に出てきた人だからもう少し若いのかとずっと思っていてそれも少し驚きました。
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僕にとってクラレンス・クレモンズ=C.C.といえばボスとの活動ももちろんだけどそれ以上にジャクソン・ブラウンと共演したYou're A Friend Of Mineがいちばん印象的です。
僕が高校時代にヒットした曲で「ベストヒットUSA」でも観て聴きましたが当時は僕はジャクソン・ブラウンが嫌いだったのであまりうれしいとかそういうことなしにテレビを見ていました。
しかしこの曲は悔しいけどかなりいい曲だなと思いつつアルバムを買うことはなくそのままほぼ四半世紀が経ちました。
そういえばビデオクリップには確かジャクソン・ブラウンの当時の恋人だった女優のダリル・ハンナの姿もあったような。
今回はC.C.のCDを聴いて記事にしているわけですがこれは彼のソロアルバム2枚、1983年のRESCUEと85年のHEROの2作を1枚のCDに収めたものです。
CDとしてみると2枚のアルバムである上にHEROは後のほうでそれだけ聴くのは途中から聴くということになってしまいますが、でも今回は敢えてディスクではなくアルバム単位としてHEROとしました。
You're A Friend Of Mineが収録されたCDを初めて買ったのはつい最近、昨年のことでした。
ジャクソン・ブラウンとシェリル・クロウのジョイントコンサートに行くことが決まりジャクソンへの興味が高まった中でそういえばこの曲はCD出てるのかなと探してみるとこの2in1があることを知って買いました。
音的には僕には懐かしい80年代の空気が感じられる音ですね。
今の時期であれば夜のテレビ番組が終わって明け方の白み始めるその僅かのすき間を満たすような薄いけど広がり感がある音楽です。
アルバム2作が詰め込まれていますがよく聴くと先のRESCUEのほうはかなりストレートなロックであり、後のHEROはフュージョン的要素が強くなり音的に遊んでいる感じがします。
そしてRESCUEではC.C.がほぼ全編歌っているけどHEROはインストゥロメンタルやゲストヴォーカルが増えていて音楽的にはより幅広くなっています。
もちろんCDを通してパワフルなC.C.のサックスが鳴りっ放し。
とにかく歌もサックスも力強くてぶんぶん振り回す感じなんだけどでも優しさに包まれているような気がして聴いていてほっとする部分があります。
正直言えば1曲目当てでCDを買いそれだけ自分で編集したCD-Rで聴いていて他はほとんど聴いていなかったんだけど、なかなか以上にいいな、暫く聴こう。
You're A Friend Of Mineに話を戻すと、C.C.とジャクソン・ブラウンのヴォーカルのスタイルのあまりの違いが面白いですね。
C.C.にはスタイルなんかなくってただ大きな声が出せるので強く歌っているという感じですかね、より適宜にいえば(笑)。
デュエット曲にはいろいろあるけれど男性同士でこれだけ面白い取り合わせのデュエット曲はちょっと思い浮かばない、それくらい面白い曲です。
そしてもちろん素敵な曲。
僕は"Home"と"friend"を歌った歌にはとりわけ弱いので余計に胸に響いてきます。
もちろんC.C.はボスのバンドで接した機会のほうがはるかに多いですね。
でもこれは自ら歌っているしなんといってもリアルタイムに体験したから僕にはC.C.といえばこの曲なんです。
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僕は残念ながらまだボスのコンサートに行ったことがないのでE・ストリート・バンドのメンバーとしてのC.C.はもちろん映像などで観てきました。
その中で印象的なのは2009年のNFLスーパーボウルのハーフタイムショーですね。
僕が観た中でこの年のハーフタイムショーは群を抜いていちばんよかった。
もう人の力の凄さを演奏者側も会場側からも感じられてただただ圧倒されました。
C.C.ももちろんその場にいましたが以前より若干細くなったかなとは思いつつまったく元気に演奏していました。
脳卒中で倒れたということで僕も親類で脳卒中だった人がいますがこれは起こってしまうまでなかなか気づきにくいですね。
倒れたニュースには接していなかったのでC.C.の死はほんとうに突然で今は僕もちょっと気持ちが落ち着かない状態です。
僕は残念ながらボスのコンサートには行ったことはありません、いつか行きたいですね。
でもC.C.はコンサートで見たことがあります!
リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドのメンバーとして1989年の来日公演での姿を武道館で見ました。
あのコンサートはとにかく楽しかったし、C.C.やっぱり大きくて動きが目立つなと妙な感動もしました(笑)。
その時にいたメンバーではリック・ダンコとビリー・プレストンも既に鬼籍入りしています。
ミュージシャンの死の報に接すると悲しいしいろいろな思いが頭に去来しますが、とりわけ実際にコンサートに行った人であればまた特別の感慨がわいてきます。
人間いつか死ぬのだし年上の人が先に死ぬのはどちらかといえば当たり前のことですが、でもやっぱり昔から接している有名人が亡くなると、自分の人生についてもいろいろと思い返したり先のことを考えてしまいますね。
最近は日本人でも小学生の頃からテレビで見ていた芸能人が次々と亡くなっているので余計にそう思います。
クラレンス・クレモンズ Clarence Clemons
韻を踏んだような名前が印象的ですよね。
ミスター・クラレンス・クレモンズ
ありがとう、安らかにお眠りください。
追伸
You're A Friend Of Mineの歌詞のジャクソン・ブラウンが歌う部分にこんなくだりがあるのは、知っていたけど、今聴くと胸にじんときますね。
♪ You can call on me until the day you die
ジャクソン・ブラウンは次のコンサートでこの曲を歌ってくれないかな。