◎NOTES FROM SAN FRANCISCO
▲ノーツ・フロム・サンフランシスコ
☆Rory Gallagher
★ロリー・ギャラガー
released in 2011
CD-0079 2011/06/19
ロリー・ギャラガーの新譜が出ました。
1978年に録音されWHEELS WITHIN WHEELSと名付けてリリースされる予定だった幻のスタジオアルバムと、1979年の未発表のライヴの2枚組。
どちらもサンフランシスコで録音されたものであるためこのタイトルがついています。
未発表アルバムに収められるはずだった曲の幾つかは後のアルバムで再録音されて世に出ており僕も知っている曲がありました。
僕が購入したのはポストカードなどもついて本のような装丁になっている限定盤です。
でも、ロリー・ギャラガーはアイルランドの魂であり総代表みたいな人だから僕は最初このタイトルにはちょっとした違和感のようなものがありました。
しかしサンフランシスコでの体験は彼にとっても貴重なものであったことがライナーノーツから読み取れて今は納得しています。
ロリー・ギャラガーはまったくもって自然体で飾らない人ですね。
ロック界でもいちばんの飾らない人だと思います。
僕はロリー・ギャラガーは一応正式にリリースされているCDはすべて持っていますが熱心に聴き込んでいるというほどではありません。
でも時々とっても聴きたくなります。
今回は新譜というかたちできっかけがきましたが今の自分の気持ちにぴたりとはまって毎日聴いています。
時々とっても聴きたくなるのはずばりその自然体で飾らないところでしょうね。
彼の曲はとにかくストレートで気持ちの流れに合わせて出てきたものだけを音にしていると感じます。
ギミックもフロックもなくフックも控え目であざとさがなく作り込んだという感じを受けません。
サビは印象的で口ずさめる曲が多いのですが、ロリーの場合はきっとそのサビだけを先に思いついてそこから前後は流れに合わせて曲を広げていったのではないかと感じます。
悪く言えば単純なんです、曲が。
でもロリー・ギャラガーのことを悪く言う人はいません。
曲としての単純さを補って余りあるというよりも曲が単純だからこそ彼のギターワークが冴える。
そして全体としてとっても爽快で気持ち良い音楽になっている。
これがロリー・ギャラガーでしょう。
そこが僕の波長に合うので時々とっても聴きたくなるのですね。
ロリー・ギャラガーはギターと語る男であり、ギターに語らせたら右に出る者はいない。
この2枚組のライヴではそれがほんとうによく実感できます。
凄いとかそういう言葉しか頭に浮かんでこない自分が情けなくなるくらい、彼のギターの音はまさに彼の生きざまとなって音として刻まれています。
ギターはきっとロリー・ギャラガーという人間の体の一部だとしか思えない。
だからロリーの場合は他のギタリストのように「巧い」という形容はなにか違うと感じます。
ギター弾きのはしくれとしてはあんな風に弾いてみたいとかなり積極的に思います。
でもロリー・ギャラガーのギターをコピーしてはいけないのです。
ロリーのギターは彼の人生であって僕とロリーは違う人生を歩んでいるのだから。
ブルーズとトラッドがまったく自然に一体化しているのが彼の音楽の特徴で、それも僕には強く訴える大好きな部分です。
今回はロリー・ギャラガーというギタリストでありアーティストを最初に初回するCDであるから概要的なことを書いてみました。
でも実際はどのアルバムでも同じことを感じます。
しかし彼の場合はそれでいいんです。
ロリー・ギャラガーという人がいるだけでロックはずいぶんと心豊かな音楽だと感じられるからです。
早世したのがあまりにも惜しまれます。
ほんとうに素晴らしいアルバムです。
またロリー・ギャラガーの素晴らしいアルバムに出会えるなんで思っていなかったので今は感動にひたりながら毎日聴いています。
でも今日のハウのCD紹介写真は、まるでそんな雰囲気じゃないですね・・・(笑)・・・