◎SMOKIN' (THE SOLO ALBUMS: VOLUME 5)
▲スモーキン
☆Smokey Robinson
★スモーキー・ロビンソン
released in 1978 (2011)
CD-0076 2011/06/16
Smokey Robinson-001
スモーキー・ロビンソンの1978年のライヴアルバム。
演奏前の司会者の紹介を聞くとこれは直前に出たQUIET STORMに伴うコンサートのようです。
スモーキー・ロビンソンのソロアルバムがアメリカのHIP-O SelectレーベルからSmokey Robinson THE SOLO ALBUMSシリーズとして1枚目から順次リリースされています。
基本は2枚のアルバムを1枚のCDに収めて余白があればシングル曲などのボーナストラックを加えていますが、今回の5枚目はLP2枚組をCD1枚に収めたもので、今日はこのディスクを聴いて記事にしました。
これはずっとカタログ落ちしていたかもしくは初CD化かもしれないですね。
昨日の記事のビートルズのアルバムで彼らはスモーキーの代表曲You('ve) Really Got A Hold On Meを歌っていますが、僕が遠征中に今日のCDが届いていてちょうどいいつながりで早速取り上げました。
スモーキー・ロビンソンが大好き、いちばん好き、という人に僕は今のところ巡り合ったことがないのです。
実生活でもネット上で知り合った人でもミュージシャンや評論家の話でもとにかく僕は記憶がありません。
ここはソウル系アーティストに話を限定して、もちろんミュージシャンの話などはつぶさに調べたり追っているわけではないけどそれでも他のソウルの大物についてはたいていいちばん好きという人やその話に接したことがあるというのに。
サム・クックはロック系のヴォーカリストでリスペクトする人が多いし、オーティス・レディングは熱狂的な人が多そうだし、スティーヴィー・ワンダーは人気者、マイケル・ジャクソンは次元が違う人、そしてマーヴィン・ゲイなんていちばん好きという人が僕の友達だけで2人もいますよ。
なのにスモーキーがいちばんという人は・・・
スモーキー・ロビンソンは「ローリングストーン誌が選ぶ史上最も偉大なシンガー」においては20位とかなり高い位置にランクインしています。
でもソウル系でその上を見ると、アル・グリーン14位、ジェイムス・ブラウン10位、スティーヴィー・ワンダー9位、オーティス・レディング8位、マーヴィン・ゲイ6位、サム・クック4位、レイ・チャールズ2位そしてアレサ・フランクリンが1位といわゆる超大物の中では下の方といえるかもしれません。
ヒット曲の多さ、活動期間の長さ、音作りそして特にソングライティング面での音楽業界への影響の大きさでいえばスモーキーはトップクラスの人だと僕は思うけどここはあくまでもヴォーカリストとしてどうかという話ですからね。
なぜかなあと考えるまでもなくスモーキーはファルセットヴォイスで歌うからかなと思いました。
ファルセットはやはり人によって好き嫌いがあると思います。
僕はファルセット自体には抵抗はないけど人によってはこの声ダメという人がいることはいます。
スモーキーのファルセットはそれほど鋭くも金属的でもなく普通の声の余韻を残しつつ高く歌っているという感じだけど、それでも抵抗がある人はいるのでしょうね。
慣れればそれほど気にならないとも言えるけど声というのはポピュラー音楽においては重要な部分だからダメな人は入り口で躊躇してしまうでしょうね。
断っておきますが好き嫌いは人それぞれなのでそれについて僕が何かを言うものではありません。
僕の悪友みたいに自分が嫌いなものには価値がないというのであれば話は別でこちらも議論を挑みますが(笑)。
もうひとつソウルを傾聴するようになって思ったこと。
スモーキーの音楽はソウルというほどソウルじゃない。
雰囲気に流されて柔らかいというほどではなくむしろロック的な骨太さや芯の強さが確かに残っているソウルとしてはやや硬質な手触りの音楽ではないかと。
確かにOoh Baby Babyみたいにふにゃっとしたソフトな曲もあるんだけどでもスモーキーは芯まで崩さないであくまでも表面上だけ柔らかくしている感じがします。
そこがソウルの雰囲気が好きな人にはちょっと硬すぎるんじゃないかなって思います。
でも硬すぎるからあえてファルセットで歌うことにしたのかな。
スモーキー・ロビンソンはロック側からソウルに寄っていき基本が少しハードなロックという人間である僕にはいちばん聴きやすいソウルなのです。
なんてことを届いたこのアルバムを聴きながら考えていました。
初めて聴いたその日に記事を上げたのは初めてです(笑)。
スモーキーについては追々アルバムも取り上げたいから有名な曲が並んでいるライヴ盤であるここでは曲については敢えてあまり話さずにスモーキーについての総括を話しました。
でも少しだけ。
12曲目のBad Girl / (You Can) Depend On Meは「地声」の喋りが入っていて漫談のように話が進んでいきます。
歌はファルセットで歌い途中でころころ切り替えるのですが途中でファルセット声で喋ってしまい会場の笑いを誘うのはお約束かな(笑)。
14曲目Mickey's Monkeyでは最後に「コントのオチ」、♪たったたたった たんたん、と入っていてほんとうに会場の和やかさがよく伝わってきます。
ちなみにこれだけホランド・ドジャー・ホランドです。15曲目You've Really Got A Hold On Meは会場で歌っていますがソウル系で会場で歌うのは特にじわっときますね。
ここは感動的かつ感傷的ではなく和やかな雰囲気で進むのですがこの曲はやはりビートルズが歌っていたから知名度も高いしロック世代以降ではスモーキーの代表曲となるのでしょうね。
16曲目Shoe Soulのみスタジオ録音の新曲ですがこれはきっとLPではC面の最後に入っているんだな。
なぜ最後じゃないのかなと思ったけど感動的な15曲目で一度終わって17曲目以降はアンコールという設定かな。
曲はまあ普通のこの時代のディスコには時代遅れのソウルです。
一方で1曲目Tracks Of My Tearsは僕がいちばん好きなスモーキーの曲だけどイントロ代わりにさらりと終わってしまうのがちょっと残念。
全体的に緩い雰囲気で楽しいライヴアルバムになっています。
それにしてもこのライヴのほとんどの曲を共作も含めて自ら手がけているスモーキー・ロビンソンという作曲家の偉大さがあらためてよく分かりました。
しかもスモーキーはこの後にさらに大ヒット曲を出しているのはさすがですね。
スモーキーの僕が思う魅力のひとつは、偉大なシンガー列伝に名前を並べた人の中では彼ひとりだけ大物感を漂わせるのではなく親しみやすさを感じることですね。
一度お会いして話してみたい人です。
というわけで僕はここに宣言します。
ソウル系ではスモーキー・ロビンソンがいちばん好き!
また早いうちに記事を上げたいですね。
でも僕はタバコは吸わない、だからSmokin'体験ができないのはちょっと残念かも・・・(笑)・・・
最後に余談。
今日の写真は新しいPENで撮りましたが「顔検出」をオンにしていたところ写真右側のジャケットのスモーキーの顔にピントが合いました(笑)。
ちょっと面白かったけど「顔検出」は立体ではなく平面の写真でも効くことが分かりました。