IT'S ONLY ROCK 'N ROLL ローリング・ストーンズ | 自然と音楽の森

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◎IT'S ONLY ROCK 'N ROLL

▲イッツ・オンリー・ロックンロール

☆The Rolling Stones

★ローリング・ストーンズ

released in 1974

CD-0069 2011/06/05


 ローリング・ストーンズのUKからの流れでは12枚目であり1970年代に入ってからは4枚目のアルバム。


 今回は傍流の話から。


 日本のロックンローラーを名乗る71歳の男性が先日逮捕され釈放されて記者会見が行われたという記事を昨日のスポニチで読みました。

 有名人だから名前を出しても構わないとは思うんだけどここは敢えてイニシャルでU氏と書いて進めます。


 U氏が記者会見で言った言葉が大変気になりました。


 「僕がしてしまったことはどうかロックンロールに免じて許してください」


 ロックンロールに免じて!?!?!?


 まるでロックンロールを聴く人はみんななにがしかの犯罪をしているかのように聞こえてしまいました。


 ロックンロールはそもそもが時代や権力への反抗の意味を込めたものであるのはもちろん知っています。

 ロックンロールは音楽を超えた生きざまとまで言われていることも。


 でもロックンロールが大好きな人がみんなそうとは限らない。

 むしろそうではない人のほうが圧倒的多数じゃないかなあと。

 今の世の中はロックンロールだって(良くも悪くも)単なる音楽のひとつでしかないし。

 まあ学校祭などのバンドで目立ってモテるアイテムとしてはまだ機能しているのでしょうけど。


 とまあU氏の発言は最初はちょっと腹立たしかったんだけど、考えていくとU氏の考えの時代とのずれのほうが気になってきました。


 U氏が被災地に赴き炊き出しをしていた模様をニュースで見ましたがその時にハンドマイクをやにわみつかみ取ってジョン・レノンのPower To The Peopleを歌い出したのはすごくカッコいいと思いました。

 だからU氏もロックンロールの本質は肌で分かっていてそれを表現する力はあるのでしょうね。


 金輪際ロックンロールの力をよくないほうに向けてほしくはないものです。


 とここまで考えて、そうか別に僕が腹を立てるものでもないんだということで落ち着きました(笑)。

 もっと腹を立てる対象が世の中にはあるのだから・・・



 ローリング・ストーンズのこのアルバム「ただのロックンロール」を聴いたのはもちろんU氏の発言からのチェインリアクションです。


 でもごめんなさい。

 僕はこのアルバムはいい曲はあるけどアルバムとしてはしっくりこなくてあまり聴かずにきました。

 多分過去に30回も聴いてないし今回聴いたのも5年振りくらいだと思います。


 でも今聴くとこれがなかなかいいじゃないですか!


 ストーンズは70年代に売り上げ的にも作品の出来としても一時代を築き上げましたが、このアルバムについて僕はかつては時代の勢いが勝っている「だけ」のアルバムだと思っていました。

 リアルタイムではなく後から聴くことの弊害ですねそれは自分でも分かっています。


 このアルバムは曲がいいですね今気づきました。

 これから真面目に聴き込むことをここに宣言します。


 僕には結局まだまだロックンロールの力が足りなかったということでしょうね(笑)。


 僕は数字に割とこだわって記事を上げてきましたが69枚目の今日が「ロック」ンロールという偶然に気づいて自分でも笑ってしまいました。

 あ、ほんとに偶然なんですよ、信じていただけないかもしれないですが・・・



◎このCDこの3曲


Tr2:Ain't Too Proud To Beg

 おおここでこの曲をやっていたんだ知らなかった・・・

 ストーンズはテンプテーションズが大好きなんですね再確認しました。

 しかしあれだけの大物になってもこれだけ有名な曲を平然とカバーしてしまう彼らにはやっぱりロックンロールを感じます(笑)。

 

Tr3:It's Only Rock 'N' Roll (But I Like It)

 「ただのロックンロール」という割にこの曲は変化球ですよね。

 他のロックンロールと名がつく名曲を思い浮かべてみると、レッド・ツェッペリンでもキッスでもボブ・シーガーでもいい、それらはリズムがもっと真っ直ぐに突き進んでいます。

 でもこの曲はリズムが跳ねてうねっていますよね。  

 正直言えば僕は最初にこの曲を聴いてイメージや期待と違ったので少しがっかりしました。

 おまけに歌よりも演奏の展開が長くてロックンロールなのに5分もあるというのが。

 しかし「ただのロックンロール」が変化球というところにストーンズの曲者ぶりが凝縮されている上に時代の人だった余裕が感じられます。

 今は普通に大好きな曲ですよ、サビは歌いやすくて今も書きながら口ずさんでいます。

 この曲はテレビでビデオクリップを見たのが最初に聴いた機会で泡だらけの中で水兵さんの格好をして演奏する姿が印象的でしたが、でもギターは大丈夫だったのかな・・・


Tr5:Time Waits For No One

 僕は単なるラブソング以上の人生訓を感じさせる歌詞が好きだからこの曲は最初から気に入りました。

 正直言えばこのアルバムを今回聴き直すまで覚えていたのはTr3とこれだけだったので、逆に言えばこれはそれだけ僕の心に深く刻まれた曲と言えるのでしょう。

 これはストーンズでも最大級の隠れた名曲だと思います。

 歌メロも歌詞もいい上に後半のギターが聴かせてくれます。

 この曲には思い入れのようなものがあり、僕にとってこのアルバムの意味と価値はこの曲を聴くためにあるといっても過言ではありません。