◎ON THE BORDER
▲オン・ザ・ボーダー
☆Eagles
★イーグルス
released in 1974
CD-0068 2011/06/04
イーグルス3枚目のアルバム。
もちろん昨日のJDサウザーからのチェインリアクションで聴きました。
イーグルスやっぱり好きですね。
僕は大学1年の頃にベスト盤のCDを買って聴くようになりオリジナルアルバムも大学生のうちに買って聴いていました。
イーグルスの何が好きかってそれはもちろん歌メロがいい曲が多いからです。
僕にとってこれに勝る条件はないのですがイーグルスはアルバムが少ない中で大好きな歌が多くて確率という点ではかなり上の存在です。
もちろん音もウェストコーストサウンドなのでしょうけど広い意味でのアメリカンロックでありアコースティック・ギターを多用してカントリー風味も交えつつそちらに行き切っていないというロック的な解釈も僕には自然と合います。
イーグルスは音が強いですね。
物理的にも強い音を出そうとしているのではないかと思うんだけどそれ以上に強い気持ちが音に乗り移って音が強く響いてきます。
ほとんど絶対的といっていい強さで世界を支配しようという勢いの音を出しているようにすら感じます。
強い音が出せるとひとまず上手いと感じてその音に圧倒されて聴き入ってしまう部分がありますがイーグルスはそこを利用しているといえるでしょう。
だからカントリーっぽい曲があってもバラードがあっても癒されるとか浸るという感じにはなかなかなりにくい。
僕の場合はたとえ何かをしながら聴くのであっても気持ちの半分以上は音楽を聴こうと思える時ではないと選ばないアーティストでBGMにはならない。
もちろん感じ方は人によるでしょうけど。
その上で演奏には真剣に臨み一切の妥協を排してとことんやりつくす。
笑顔すら排しているのではないかと感じることもあります。
"eagle"を名前にしているだけあって強さは絶対でなければならないのです。
でもだから逆にそこが苦手な人には押しつけがましく聴こえるのかもしれない。
BGM的にかけておこうとすれば強さが邪魔になります。
イーグルスをかけながら本が読めるとすれば写真集かレシピ本くらい(笑)。
どうしてそんなに強い音が出せるのかといえばやっぱりメンバーみんなが強い気持ちを持っているからでしょうね。
エゴ。
もちろんどんなバンドにだって多少なりともエゴのぶつかり合いがあり、それがあるからこそスリルがあって面白いしそれがなければつまらないといえるのかもしれません。
しかしイーグルスの場合はエゴをむき出しにしつつ相手を認める部分も同時に表に出していたのではないかな。
「ちきしょうお前こんないい曲作りやがって悔しいぜ、でも俺ならこの曲をもっとすごい曲にしてやるさ」
みたいな感じで録音作業を進めて多くの曲を作っていった。
厚みがあるコーラスワークはいかにメインのヴォーカル以外の者が目立つかという姿勢の延長にあるようにしか思えません。
もちろんメンバーそれぞれの持ち味があって作曲などの能力が高かったことが前提としてあるわけでしょうけど。
相手を認めるというのは簡単なようでなかなかできないのではないかと思います。
かくなる僕もそういうきらいはないとはいえない確かにある部分はありますから。
残念ながら今の日本は相手を認めることを忘れた人たちが永田町に集まっている・・・
イーグルスの場合はエゴのぶつかり合いとはいってもそこだけを抽出してしまうのと本質を見失ってしまう。
そこに「友情」があった上でのことなので見方によっては気持ちいいエゴのぶつかり合いともいえるしそんな様子を想像しながら音楽を聴くと余計にスリリングに響いてきます。
いってみれば「気持ちのいいエゴ」です。
そんなのあるのかって思うかもしれないけどイーグルスにはあるんです。
でもそれはなかなか真似はできないかな。
強い気持ちを持つように育てられたアメリカ人ではないから。
人付き合いには割り切りも必要かもしれないし。
イーグルスのアルバムを聴くのは実はかなり久しぶりなのです。
かなりといっても1年くらいだけど、だからかなりというほどじゃないかな(笑)。
今回選んだこのアルバムはイーグルスの中では聴く回数が少ないほうだったので新たは発見や(もちろん)覚えていなかった曲などもありました。
しかし発見と同時にやっぱり強い人たちなんだなという思いを新たにしました。
このアルバムの個人的な感想を言わせてもらいます。
曲は既に素晴らしいものが揃っているけどアルバムとしての詰めの甘さがまだじゃっかんあって改良の余地があり若くて発展途上という感じです。
「アルバム至上主義」だった若い頃にそれほど多く聴かなかったのはその部分が引っかっていたのでしょう。
でも今聴くといい曲が次々と出てきて元気が出るアルバムだと感じました。
イーグルスはやはり一度聴くと暫く聴いていたいと思いますが、それはきっと強い音による魔術にかかってしまうのでしょうね(笑)。
◎このCDこの4曲
Tr1:Already Gone
これはベスト盤に入っていたので最初から聴いた曲でこの音はイーグルスのひとつのひな型だと僕は解釈しました。
Tr5:On The Border
曲のことではないんだけどバードウォッチングが好きな人間として言わせてもらえば、このアルバムジャケットに写っている鳥は「鷲」ではなく「鷹」、オオタカの仲間に見えてしょうがないのですが・・・
3枚目のアルバムだからまだ「鷲」ほどには強くなっていないという意味を込めていたのかなと邪推したり・・・(笑)・・・
Tr6:James Dean
僕はジェームス・ディーンは「エデンの東」のナイーヴな演技はすごいと思いました。
こういう曲があるのがイーグルスが国民的な人気を得た部分なのかなと。
Tr10:Best Of My Love
この曲は口ずさむを通り越して少し大きな声で歌うと最高に気持ちがいい曲です。
昨日のJDの記事でも書きましたが歌詞が素晴らしくて僕はここでロックの歌詞の深みにはまって抜けられなくなったように今にして思います。
そしてこれも繰り返しになりますが、「朝起きる」という行為は人間が生きていることを実感することであり、朝起きられたことに感謝しながら毎日を生きてゆきたいです。
この曲は僕の心の真ん中にあってほとんど人生訓のようになっている歌であり今は特に私生活面でそれを実感していて、この時期にJDがこの曲を歌ってくれてこの曲に戻ったのはほんとうにありがたいです。
そして朝は鳥を見るのにもいい時間帯ですしね(笑)。
とまあ話し始めると長くなるので最後にもうひとつだけ。
この曲で僕はブルーグラスがどういうものかの触りだけ知ったように思います。