FEELS LIKE HOME ノラ・ジョーンズ | 自然と音楽の森

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自然と音楽の森1日1枚-May03NorahJones


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☆Norah Jones

★ノラ・ジョーンズ

released in 2004

CD-0037 2011/05/03


 ノラ・ジョーンズの2枚目のアルバム、2004年にリリース。

 

 「ソングス・フォー・ジャパン」の最後に収録されているSunriseを聴いてからまたそれが収録されているこのアルバムを聴きたくなって出してきました。

 

 ノラのデビューの頃はもうMTVを見ておらず情報に疎かったので、彼女の1作目は話題になったはるか後のグラミーを取ってから知りました。

 まったくどんな音楽かは知らなかったのですが、なんでも彼女はあのラヴィ・シャンカールの娘さんだと聞いて俄然興味が湧きCDを買いました。

 ラヴィ・シャンカールといえばジョージ・ハリスンのシタールの先生、だからビートルズと割と近いところでつながっているのがうれしい、という単純な理由です。

 ただノラの音楽を真面目に聴くようになってからは、なんとなくその話をするのは申し訳なくまた本人もそれにはあまり触れられたくないのかもしれないと思うようになりました。

 

 ノラの1枚目はでも当時の僕にはあまりしっくり来なくてすぐに聴かなくなり、今でもよく分かっているとは言い難く、近い将来またきっちりと聴き込みたいと常に思っているCDです。


 この2枚目は僕が1枚目を買ったすぐ後に出てここからリアルタイムで聴き始めました。

 だから僕には事実上これがノラの初体験と言えます。

 アルバムとしてもすぐに気に入って暫く聴き、以降も彼女の新譜が出る度に聴き返したりふと思いついて聴いたりしてきています。


 ノラ・ジョーンズの音楽って何だろう。


 ジャズっぽい雰囲気があるけどでもジャズヴォーカルかというとそうではない。

 ソウルというかR&Bっぽい雰囲気もあるけどそれは土台の部分としてあるのが当たり前だと思う。

 ロックかといわれればそれは激しく違うしブルーズでもカントリーでもない、とにかく何でもない。

 

 誰に似ているかといえば、そうだな、やっぱりキャロル・キングになるのかな。

 ピアノを弾いて歌うというスタイルもそうだけど、キャロルもどんな音楽とひとことで言えないいろいろな要素が感じられるところに似たものを感じます。


 などと話をして、でも、音楽をジャンルで分けるのはあまり意味がないのかもしれない。

 洋楽しか聴かない僕がそう言ってもあまり説得力がないかもしれないけど(笑)、ノラ・ジョーンズ本人はそう思いながら音楽を作っているのではないかな。

 彼女は小さい頃からいろいろな音楽に囲まれて育ったそうで、彼女の中では自然といろいろな要素が混じり合いながら成長していったのでしょうね。


 でも僕はそうした音楽的背景以上に、彼女には才気の輝きをより強く感じます。

 きっとそうした音楽を聴いてこなくてもある程度以上に素晴らしい音楽を作れたのではないかと。


 だけどやっぱりたくさんの音楽を聴いたことが才能の基礎になっているのも間違いない。

 いずれにせよノラ・ジョーンズは、手をつなぐとほとばしる才能が伝わってくる、そんな人だと思います。


 ノラ・ジョーンズの才能がわずか10年ほどでどれだけのことを成し遂げたかを示す話を。


 彼女の音楽は何だろうと話しましたが、今の時代はそれを表すのが楽になりましたね。

 ジャズ的要素があってアコースティックな響きで落ち着いた音の声に特徴があるピアノ弾き語りの女性ヴォーカリストが彼女の後に多く見られるようになりましたが、今ではそれを「ノラ・ジョーンズのような音楽」と言えば通じるのですから(笑)。

 「何何みたいな音楽」と言われるようになる人はそうはいない、ひとつの時代を作った人ということですから。


 ノラ・ジョーンズは何といっても声がいいですね。 

 甘くて微妙にハスキーでコケティッシュなその声。

 かわいい!

 気持ちの中に刺さり込んでさらにかき回すようなその声を聞くと、男としてはなんでもしてあげようという気持ちになってしまいますね(笑)。

 久し振りに聴くとやっぱりノラの声は気持ちを和らげてくれて、いいなって素直に思います。

 彼女の声はまさに「贈り物」ですね。


 ところでノラ・ジョーンズはレーベルがBLUENOTEだから、売る側としてみればやっぱりジャズなのかな。

 まあなんでいいんですけどね(笑)。

 

◎このCDこの6曲

Tr1:Sunrise

 元々好きだったけど日本のための曲としてもっと大好きになりました


Tr2:What Am I To You

 こんな声を出せる人が世の中にいるんだって驚いたんだけど、でも一方でこんな声の人はいないのかなとずっと渇望していたまさにそんな声に出会えたと思いました。


Tr3:Those Sweet Words

 ああなんて優しいんだろう、僕はこのアルバムではこれがいちばん好き。


Tr6:Creepin' In

 コケテッシュヴォイスの大先輩ドリー・パートンをゲストに招いたこれは割とまっすぐなカントリー。

 ビデオクリップもかわいい(笑)。


Tr11:The Long Way Home

 ほんとにほんとにほっとする曲。

 でもこの曲はアルバムの最後にあるほうがよかったなと聴く度にちょっとだけ思う。


Tr13:Don't Miss You At All

 と思ったけど最後に何かを呟くような静かなこの曲があるのもまたいいんだけど(笑)。