BIGGER THAN BOTH OF US ホール&オーツ | 自然と音楽の森

自然と音楽の森

洋楽の楽しさ、素晴らしさを綴ってゆきます。

自然と音楽の森:CD1日1枚-April14HallOates

◎BIGGER THAN BOTH OF US

▲ロックン・ソウル

☆Daryl Hall & John Oates

★ダリル・ホール&ジョン・オーツ

released in 1976

CD-0019 2011/04/14


 ダリル・ホール&ジョン・オーツ、ホール&オーツ1975年の5枚目のアルバム。


 このBLOGはその時によく聴いているCDを紹介するものだから、時々、自信を持って気に入ったとはいえないものを取り上げることもあります。

 今回のこのアルバムは、残念ながらその1枚です。

 なお、僕の個人的なBLOGであり僕が感じて思って考えていることを書くわけですが、もし取り上げたCDが大好きなかたが読んで気に障る部分があれば、人を傷つける意図があってのものではまったくないことはどうか、今後ともご了承くださればと思います。


 ホール&オーツは、ビルボード・チャート中心に洋楽を聴き始めた頃に、ビリー・ジョエルとともに、ビートルズ以外で最初にLPを複数買って大好きになったアーティストです。

 当時はNo.1ヒット連発の絶頂期、まさに時代の人、僕はちょうどそこに乗っかったわけで、いわば僕が最初に体験した「時代の人」でした。

 彼らについても話し始めると長くなるので、今回は、途中にお休みはあったけど彼らとはもう30年近い付き合いとだけ書いて先に進みます。


 ホール&オーツはしかし、リアルタイムで買ったVOICES以前の70年代のアルバムはなぜかずっと聴かずにきていて、古い曲はベスト盤で聴いて知っているだけでした。

 70年代のアルバムを買うようになったのは、ほんとうに一昨年からのことです。

 

 聴かなかったのは、正直、なんとなくよくないかなという「刷り込み」があったからです。

 彼らについては音楽以外の情報も接することが多かったのですが、70年代についてはNo.1ヒット曲があるけどまだ方向性が定まっておらずまとまりがないということをよく読んでいました。

 音楽好きとしては、自分の耳で確かめず外部の意見に流されたのはよくないことだと反省はしていますが。


 それでも一昨年から、やはり大好きなアーティストはコンプリートしなければならず、それらも買って聴くようになりました。

 聴いてみると、やっぱりそうだったかと思いました。

 そのどれもが、そこそこ以上によいけど全体的に詰めが甘いように僕には映りました。

 彼らはこのアルバムからRich Girlを初のシングルチャートのNo.1に送り込んでいるのだから期待度も高かったわけですが、今一つぐぐっと胸に迫ってこない、そんな曲が並んでいると感じました。

 雰囲気はよいのですが。

 

 このアルバムには「ロックン・ソウル」という邦題がついていますが、それは彼らが目指していたところでしょう。

 80年代には見事にそれらの融合に成功しその音が彼らのオリジナリティとなるわけですが、この頃はまだそこまでも達していない感じがあります。

 狙いは分かるんだけど、惜しい、もうひとつすっきりと聴こえてこない。

 どうしてかなと、このCDを買ってひと月ほど考えてみたのですが、昨日の朝の散歩でふと思いました。


 彼らがお手本としていたソウルの勢いが落ちてきていたからではないか。


 1976年といえばディスコ真っ盛り、それまでのソウルの勢いが減速・衰退、彼らはそれを肌身で感じてその気持ちが音にも表れたのかもしれない。

 しかも、ソウルという音楽自体がただ時代の流れに乗らなくなった、つまり質は落ちていないで時代とかけ離れただけならまだ救いようがあったのが、ソウル自体がディスコのほうに流れて変質してしまい、彼らもそれは見るに堪えなかったのではないか。

 指針が半分なくなってしまってしまい、ソウルに寄ることができず、ロック的な角の立つ音が強く前に出て、角が立ち過ぎているから心地よさが少ないのかなと。

  

 音もだけど、この頃は曲も訴えてくる部分が少ないかな。

 曲にもうワンパンチかツーくらい欲しい感じ。 そこでもひとつ思ったのは、歴史のifの話ですが、もしここにある曲が絶頂期のアルバムに入っていれば、もっとよく感じたかもしれない、ということです。

 彼らの側からいえばもっとよく聴かせることができるようになっていたでしょうし、聴き手側からいえば勢いでよいと感じさせられる部分が多少なりともあると思う。

 でも僕は、今の人はこれを過去のものとして聴いているので時代の勢いは関係ないはずだけど、でも、レコードというかたちにしたところで時代の勢いも封印される、ポップソングとはそんなものなのかもしれない。

 あるいは聴き手の僕が現金なだけかな(笑)。

 じゃあ何が足りないんだろうというのは、僕にも分からないけど。

 

 なんて書きつつ、よく聴いているのだから、結局は気に入っているのかもしれない。


 悪くはないです、聴いているとそれなり以上にいいです、このアルバムは。

 僕はデフォルトが少しハードなロックなので、音的にはこれくらいでちょうどいいと感じるし、歌メロだって聴き込むと素直によいと感じられます。

 僕ももっと素直になったほうがいいのでしょうね(笑)。

 ホール&オーツは、若い頃から才気で突っ走ってきたタイプではなく、努力と実践を積み重ねながら手応えをつかんで進歩しやがて大物になっていったのでしょうね。

 いろいろと書いてきましたが、そう考えると、努力の過程であるこのアルバムがより身近に感じられてきました。


 身近といえば、このジャケットにはなぜかリッツが写っていることも。

 これを見るとリッツを食べたくなりますが、幸か不幸か、うちにはいつも買い置きしてある・・・(笑)・・・

 もちろん深夜には食べないですけどね。 


◎このCDこの3曲

Tr1:Back Together Again

=「樋口さん樋口さん樋口さーん」、空耳アワーで取り上げられていたこれはそれしか言ってないのに面白い(笑)

Tr2:Rich Girl

=「君はお金持ち、だけど僕は・・・」、No.1になった割には地味な曲だなと若い頃は思っていた、じわっと系の曲かな

Tr6:London, Luck & Love

=ゆったりとしてスケール感がある曲で歌メロも彼ららしい佳曲

Tr9:Falling

=後の名曲につながってゆくしとやかなバラード、これもいいね


 

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