TOKYOタクシー | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。






宇佐美浩二は個人タクシーの運転手。独立直後にコロナ禍に遭い、貯金を使いはたし、今、妻から娘の進学資金、自宅の契約更新、クルマの車検とまとまった額の金が必要だと告げられている。

同業者から回ってきた仕事は高野すみれという高齢の女性を柴又から葉山の介護施設まで送ることだった。彼女は葉山に行くまで、最後になるかもしれない東京を見ておきたいと宇佐美にリクエストする。さまざまな土地を巡りながら、彼女は壮絶な過去を語り始める・・・

山田洋次監督の91作目の作品。元々は「パリタクシー」というフランス映画の日本版である。倍賞千恵子と木村拓哉のダブルキャストで話題を呼んでいる。

木村拓哉が冴えない中年男のタクシー運転手のはずなのだが、どこがやねんなみたいにカッコいい。何をやってもキムタク本領発揮だ。テレビで言ってた通り、今までのキムタクと違って、受け身に徹している。対して倍賞千恵子は「ハウルの動く城」のソフィーみたいな老婆になってしまった。キムタクと「リアルハウル」って感じだ。

宇佐美のタクシー仲間を明石家さんま、また宇佐美が金を無心する姉の役を大竹しのぶが演じている。最後のエンドロールのクレジットで二人の名前が同一画面に出るというのもにくい演出だ。

宇佐美の妻役の優香が、生活に疲れた中年女性をみごとに演じている。これは山田監督にちょっとしごかれたかなあ。一皮むけたかな。私は彼女の演技を評価したい。シュークリームのクリームを泣きながら鼻につけて食べる様子がかわいい。

山田組常連の司法書士役の笹野高史、二人の横のテーブルで祝ってもらっている老人役に小林稔侍、若いころのすみれ役に蒼井優がそれぞれ出演。

最後はこだまひびきの漫才の「そんなやつおるかぁ〜」ですが。見ていて人生って本当に一期一会なんだなと感じさせる映画だった。