
葉子もまた夫と死別して、地元にもどって来たのだった。
昔みたいに友人でいながらも少しずつ距離を縮めていく・・・
月を眺める彼女に彼は何を思って月を見ていたのか尋ねる。彼女は答える。
「夢みたいなことだよ」
ずうっと、この半年くらい予告編を何度も見た。
見たいと思っていた。自分もその夢みたいなことを描きながら。
見ていていろいろと考えることがあった。
人を愛するとは
人を信頼するとは
人生の後半にさしかかったとき、自分は何を求め、誰を愛し、そしてどう終盤を迎えるのか。
須藤は言う。
「私は青砥が一緒にいたいと思えるような人間じゃない」
甘えることもできただろうに。
芯の通った凛とした生き方を貫いた須藤。
約束だけをただひたすら待つことにした青砥。
そんな二人の不器用さが愛おしい。微笑ましい。
須藤の座っていた席を見つめて、段々涙が溢れて号泣をする青砥。
その姿を見て有線のボリュームをあげる焼鳥屋のオヤジさんの優しさが印象に残った。演じていたのは塩見三省。最近、三谷昇と勘違いする。とても似てる。
ところどころで薬師丸ひろ子の「メインテーマ」が流れる。知ってる人は知ってるけど佳孝さんの「スタンダードナンバー」と男女の視点が対になった歌。
「愛ってよくわからない」
それは青砥や須藤の歳になってもわからない。
号泣する青砥の姿から切り替わり、エンドロールに星野源の「いきどまり」がかかる。予告編では月を眺める須藤の姿のシーンに流れる。井川遥がとても美しい。そして、その場面にとても似合う曲だった。


