
湖の畔の街に息子の湊と住むシングルマザーの麦野早織はある時からか湊の異変に気づく。
靴を片方失くしたり、水筒に泥が入っていたり、虐めの兆候が見られる。ある時、怪我をして帰ってきたとき、湊は走っているクルマから飛び出す。
湊から担任の保利から虐待を受けていると報告を受ける。しかし、学校からに対応は不誠実なものばかり。
子どもと教師から報告が食い違う。逆に早織は保利からあなたの息子は友達の星川依里を虐めていると言われる・・・
予告編から見ると、早織が教師たちにモンスターペアレントの話かと、また湊が血を流す場面でサイコスパスの子どもの話なのかなともいろいろ想像させられた。
得体のしれない怪物は誰だったのか、ここに至る経過と誤解はどうして起こったのかとも。何故、依里は親から虐待され、友達からも虐めを受けていたのかも。あとから理路整然とわかってくるのだが・・・そして湊自身も自分がマイノリティなのかと気づきだす。
主役の安藤サクラの演技がすごいのだが、それより安藤サクラを上回るのは校長役の田中裕子。相変わらずその田中裕子の怪演がすごくて、樹木希林が生きていたならこれは絶対樹木希林の役なんだろうなと。
でっ、保利の彼女役の高畑充希の役は要るんだろうか。永山瑛大演じる教師保利の不誠実な謝罪の意味はわかるけれど、飴を口に入れるシーンの理由がいまだわかりません。そして最後に子どもたち早織は保利はどうなったのだろうか?
この映画はカンヌで脚本賞を受賞したそうで、これはある意味、時代を映し出してるとも思える問題作。
さすが是枝裕和監督。今年のベスト3に入るだろう。