ノマドランド | GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

GUILEさんの毎日がBLUES、ちょこっとHARDBOILED 18TH SEASON

EVERDAY I HAVE THE BLUES AND A LITTLE BiT OF HAREBOiLED STYLE.

毎日がブルース、ちょこっとハードボイルド。






リーマンショックを受けて、ネバダ州のエンパイアという企業城下町が町ごとなくなる。60代の未亡人だったファーンは家をなくし、キャンピングカーに改造したバンで暮らし、季節労働者としてアメリカ各地を渡り歩いている。

以前、代用教員だった頃の教え子にホームレスになったのかと尋ねられて、ハウスレスになったのだと答える。

おそらく、日本の未来は彼女たちのような高齢者が増えるのではないかと危惧する。ただし、日本には車検制度があり、車庫証明が必要であり、アメリカほどのモーターゼーションが完備されていない。車での生活はなかなか難しそうだが。

日本の公的年金がいくら少ないと言っても、まだ何とか生活は大半の人ができる。アメリカはそこまで、充分ではない。一人のノマドが病院に入院するシーンがあったが、彼はその費用をどうして払ったのだろうか。医療保険とかもちろん加入していないはずだ。

リーマンショックの傷が癒えぬまま、トランプ政権に翻弄され、また今度はコロナ禍の中にある。

アメリカがくしゃみすれば日本が風邪をひくとか、アメリカの今が日本の将来だとかよく言われる。リーマンショックよりももっと前、ブラックマンデーからのバブル崩壊から、リーマンショック、二度の震災に経て、今度はコロナ禍での経済の停滞。日本も傷は癒えていない。

主演のフランシス・マクドーマンドが癖のある老女を演じる。あとから彼女があの「スリービルボード」の母親役だったのに気づいた。